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何かを学ぶにあたってこういう選択肢があってもいい

「人」「旅」「本」。

人が何かを学ぶ方法はこの3つに集約されると、ある経営者の方が言っていたような。人から学ぶ。旅から学ぶ。本から学ぶ。

僕の周りでも新たなに何かを学ぼうとしている人が何人もいる。
そのなかでも専門学校や大学院といった「学校に通う」という選択肢をとる人は意外なほど多い。仕事の合間を縫って学校に通うという向上心に素直に尊敬の念を抱くし、めちゃくちゃ応援したい。

「学校に通う」というのは、先程の例でいうと「人」や「本」の要素が強いのだろうか。いわゆるコンフォートゾーンのなかで安心して学びに集中できるよさがある。現に、人気の選択肢のひとつになっている。

ここで1つ突飛な提案をしてみるのなら、何か学びたいテーマがあるときに「そのテーマでZINEをつくる」を選択肢のひとつに入れてみてはいかがだろうか。

「何の話だ?」と思われて当然だ。背景からお伝えすると僕は半年前に「農」の世界について勉強してみたいと思ったただの素人で、そこからZINEと呼ばれる自費出版の出版物をつくろうと、4組の方に「農」にまつわるいろいろな話をインタビューして伺った。そしてそれを1冊の出版物にまとめて、やっともうすぐで完成する。

そうやって半年かけて初めてのZINEづくりをしてみたのだが「学ぶ」という観点からもZINEづくりは適しているなぁと考えるようになった。

その理由の1つはインプットの吸収率だ。インタビューをプロの方にするので、準備に緊張感があった。本を何冊も読んで自分なりに咀嚼して、質問(疑問)に落とし込む。何を分かっていて、何が分かっていないのか、その「理解の境界線」を明確にしていく作業をする。それらはインプットの吸収率を格段に高めていく。コンフォートゾーンから少しはみ出すことで本腰を入れて勉強できる人もいるのではなかろうか…少なくとも僕はそういう人間だ。

もう1つ良い点は、ZINEをつくると何度も何度もインタビュー原稿を読み直すのだが、そうすることで一度聞いた話を深く自分のなかに落とし込めることだ。授業の音源を何度も聞き直す人もいないだろうし、本だってほとんどは1回読んだらおしまいだ。でも何度も繰り返し「読む」という行為を通じてしか浸透させることのできるないことはあるように思う。1冊の出版物をつくるということは、テキストを何度も読み、何度も赤を入れて、自分の理解を深めていくことでもあった。これはやってみて初めて体感した。

なにもZINEづくりが学校の代わりになると言っているわけではない。「学校に通う」に加えて、並行してそのテーマで1冊のZINEをつくってみる…例えばそんな風に組み合わせたら学びの速度は格段に早まるのではないだろうか。なんて思ったりしただけである。あくまで1つの選択肢として、「そういうのもありかもなぁ」くらいに頭の片隅においてもらえたら十分だ。

ちなみに今回の僕のZINEは、「人」と出会い、未知なる世界に飛び込んで「旅」をしているような感覚のなかで、1冊の「本」をつくっていった。そして何度も読み返すなかで学びを深めていった。だから、3つが合わさっているような不思議な体験でもあった。
5月には発売できそうだ。

1冊ができるまで日記 : 21/04/23

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