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真昼間に浜辺を歩いていると、一人の老人が声をかけてきた。 「よそ者か。まだ海を見ていく…
X(旧ツイッター)で書いた140字小説をまとめたものです。 庭で育てているベビーリーフを、今…
私の勤める保育園では、夏休み前に学芸会の行事がある。内容は七夕伝説だ。それぞれ役が決ま…
ある男が銭湯へとやってきた。 「人生をやり直せると聞いたのですが」 「その通りですが、先…
X(旧ツイッター)で書いた140字小説をまとめたものです。 猫が集会に行く準備をしている。「…
X(旧ツイッター)で書いた140字小説をまとめたものです。 空と海が逆転してしまったので、漁…
X(旧ツイッター)で書いた140字小説をまとめたものです。 月明かりに照らされての家路。今日の夕食は月見カレーにしよう。しかし冷蔵庫には卵が一つもない。仕方がないので、夜空の満月を取ってきて、卵の代わりにした。帰ってきた妻が卵になった月を食べながら「美味しいね」と笑顔を作る。テレビのニュースが騒がしいけれど、そんなことはどうでも良かった。 『月身カレー』 ケセランパセランを捕まえて、牛乳瓶で飼っていたのだけれど、お姉ちゃんが「蒲公英だよ」と意地悪を言う。どうやら本当で、
ある日、鴛鴦の雄が窓から訪ねてきた。 「番を探しております!」 「ここは人間の相談所で…
気がつくと部屋中に雪が降り積もったかのような光景。しかしそんな風情のあるものではない。…
「嫁さんとはどうやって知り合ったの?」 飲み屋のカウンターで、既婚の同僚に何の気もなし…
初詣の長い列に並んでいると、後ろに並んでいた中年の男が声をかけてきた。 「少しいいです…
K氏はここ数日、パソコンの文字カーソルが点滅するのを眺めるだけの日々を送っている。早い…
ライトの光で道を照らし、集合場所へと向かう。道中で空を見上げると、雨雲が空を覆った。暗…
『やあ、荷物は届いたかい?』 『ええ。これはワインかしら』 『火星産の特別なね。それで、前に話したことだけど……』 『もちろん、いいわ』 『本当に?』 『貴方と一緒なら月でも火星でも、ついていく。決まっているでしょう?』 『ありがとう!それならそのワインを飲んでくれるかな。火星に住むには火星産のものを口にすることが条件なんだ』 『分かったわ』 女はワインをグラス注ぎ、それを飲み干した。 『香りはいいけれど、何の味もしないのね』 『ああ。でもそのうち幸福な気分になれるはずさ』