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8月30日 富士山頂でマイクロプラスチックの研究!?

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→1つの新技術が他の分野にブレイクスルーをもたらし、発展につながる例の1つと言える。このような例は他にどんなものが挙げられるだろうか?


1895年のこの日、富士山頂に野中測候所が開設した「富士山測候所記念日」です。大日本気象学会の野中至が私財を投じて建設したものです。


富士山の測候所、最初は私財で作られたんですね。
そこからずっと稼働していたかというと、同年10〜12月の82日間の観測がされたのちはあまりの冬季観測の厳しさもあってしばらく越冬観測は行われなかったそうです。

その後1930年に1〜2月の越冬観測が成功すると1932年には1年間の予算が付き、気象や天文学などの多くの観測が行われたそうです。しかも、1年の終わりに観測の継続を望む若手を中心に山頂に泊まり込む事件などがあったそうです。

結果的に資金が集まり、それ以降観測所として72年間、2004年まで有人観測が行われることになりました。

特に1964年に富士山レーダーが設置されると当時世界一の半径800kmをカバーする性能から、台風の予報に重要な情報を提供することになりました。

富士山の山頂での工事ですから大変です。この時の模様は施工を担当した大成建設のHP上に紹介されています。完成した際には記念切手が出されたそうです。



しかし、1990年代になり人工衛星が普及するとレーダーの代わりをするようになり、無人化されることになったそうです。

これには、72年間の間に日本一危険な通勤の途中に4人の殉職者を出してしまったことも大きな理由の1つだったそうです。

その後、2007年から施設の一部を借りる形でNPO法人富士山測候所を活用する会が高所研究拠点として大気化学や高所医学などの研究活動に活用されています。(富士山測候所を活用する会HPより)

今年は以下のような研究を実施中だそうです。
☑️ マイクロプラスチックの研究
☑️ 火山噴火監視
☑️ 大気電気・雷
☑️ 5G 

「日本一高い場所にあるライブカメラ」の映像も配信されています。

研究者が観測の継続を訴えて泊まり込むをしてしまったり、有人観測が終わった後、借り受けて観測をする団体が出ているなど、魅力的な環境なんでしょうね。プロジェクト数は増えていますし、実にさまざまな方が参加されていることがわかりま。



これだけではネタが足りませんので、富士山測候所が貢献した天気予報の始まりについて調べてみました。

天候を予測するニーズは農業や戦争等の観点から古くからありました。例えば観察に基づき、夕焼けが綺麗なら翌日は晴れ、だとか、ツバメが地面近くを飛んでいると雨が降る、というような経験則に基づくものでした。

ですが、今いる場所からの情報しかない状態では「予報や予測」というのは難しいものです。

広い範囲の天気、気温、湿度、気圧などの情報が短時間で集められるようになって初めて近代の天気予報が可能となりますが、では、一体、いつ頃、どのような技術の導入でこれができるようになったのでしょうか?


実は、電報の発明、普及によってイギリスで初めて天気予報が試みられるようになったそうです。

日本では、明治8年から観測機器が東京に備え付けられ観測が開始しされましたが、明治16年から毎日1回毎朝6時の気象電報を全国から収集できるようになり、東京気象台で初めて天気図が作成されました。

以下が気象庁HPにある日本初の印刷天気図です。

…なんかスカスカですね…

二枚目に観測所のデータがあるのですが、北は札幌、南は鹿児島まで、22箇所から情報が寄せられていたことがわかります。3つぐらい空欄ですが…



なお、日本の一般向け天気予報は明治17(1884)年6月1日から1日3回発表されるようになりました。その際の天気予報は以下の通り。

☑️ 午前6時「全国一般風ノ向キハ定リナシ天気ハ変リ易シ 但シ雨天勝チ」
☑️ 午後2時「変リ易キ天気ニシテ風位定ラス 且雨降ル地方モアルベシ」
☑️ 午後9時「中部及ビ西部ハ晴或ハ好天気ナルベシ 北部ノ一部ハ天気定ラス 一部ハ曇天又ハ烟霧ナルベシ」

そうです。全国をこれだけでカバーしていたのです。

当たる当たらない、という以前の気がしますが、当時としては画期的なことだったんでしょうね。



最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

一昨年8月からこのような投稿を続けています。以下のマガジンにまとめてありますので、ご興味があれば覗いてみてください。


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