見出し画像

6月17日 砂漠化は衛星で防げる!?

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→砂漠化はアフリカだけの問題ではなくほぼ全世界での問題。その地域に暮らす方々に何か持続可能なモデルでの支援は考えられないだろうか?


1995年(平成7年)1月の国連総会で制定された「砂漠化および干ばつと闘う国際デー」。国際デーの一つ。英語表記は「World Day to Combat Desertification and Drought」。1994年(平成6年)のこの日、「国連砂漠化防止条約」(United Nations Convention to Combat Desertification:UNCCD)が採択されました。

砂漠。
深刻な問題という認識はありますが、現状はどのようなものなのでしょうか?

環境省の「砂漠化する地球」によると、砂漠化は、砂漠化対処条約で『乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動を含むさまざまな要素に起因する土地の劣化』と定義されています。

砂漠化の影響を受けやすい乾燥地域は、地表面積の約41%を占めており、そこで暮らす人々は20億人以上に及び、その少なくとも90%は開発途上国の人々です。砂漠化は、食糧の供給不安、水不足、貧困の原因にもなっています。

砂漠化の原因ですが、以下の2つが挙げられます。
☑️ 気候的要因:地球的規模での気候変動、干ばつ、乾燥化など。
☑️ 人為的要因:過放牧、森林減少(薪炭材の過剰摂取)、過耕作など乾燥地域の脆弱な生態系の中で、その許容限度を超えて行われる人間活動

以下は乾燥地域における土地劣化の要因と面積です。砂漠化というとアフリカを思い浮かべますが、砂漠化の候補とも言える乾燥地域はアジアの方が広いことがわかります。



また、アジア、南アメリカ、ヨーロッパの特徴としては森林減少の割合が多くなっていることがわかります。焼畑農法などによるものです。

こうした砂漠化の影響を受ける人口は直接影響を受ける人で2.5億人ですが、危険性のある人は10億人にもなります。



こうした砂漠化に対しさまざまな対策が講じられています。

まず何事も規模の大きい中国では、2016年から2020年で1千万ヘクタール以上の砂漠化対策を完了したとの報道がありました。


日本も砂漠化の進行を食い止めるための支援を行っています。

中でも興味深かったのが、現地の遊牧民の生活を尊重した形での砂漠化対策で、先ほどの砂漠化の原因の1つにもあった過放牧の対策として、膨大な手間と費用のかかる植林や灌漑ではなく、衛星データと現地のフィールド調査を組み合わせてどの地域で、どの程度の家畜の放牧を行えば砂漠化が起きないかを推定し、放牧民に放牧場所と適正な飼育頭数のデータを提供することで、費用対効果の高い支援を行っています(「深刻なアフリカの砂漠化」)。



最後までお読みいただきありがとうございます。

このような投稿を一昨年7月から続けています。
以下のマガジンにまとめていますので、よろしければ覗いてみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?