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凡人にもデザイナーのひらめきを 〜「第7感」と「ギフトボックス」〜

昨日の投稿で「良いデザイナーが必要ですね」としましたが、デザイナーでない普通の従業員である私のような凡人でも、日常を超えたひらめきが得られる思考法みたいなものはないだろうか、ということで良く聞くものと、あんまり聞かないものを2つづつまとめたメモ。


1、よく聞くもの①「マンダラート」

仏教絵画「曼荼羅(まんだら)」の様に、中央から放射状に広がるマスを用いた発想法。
具体的には、3×3のマス目の中央にテーマとなる言葉を入れ、その周り、8箇所に中央の言葉から連想する言葉を入れ、今度はその8つの言葉、1つ1つを3×3のマス目の中央に入れ、今度はそこから連想する言葉を周りに書き込んでいく、ということを通じて思考を深めていく発想法。

ポイントは深く考えずに空白を埋めていくこと。

こちらには大谷翔平選手が高校時代に作ったマンダラートが紹介されています。
(すごいです!)

似たものとして、ポストイットセッションとも言われる、KJ法とも似てますが、最初に発想すべき数を決めてしまっているところが違いですね。


2、よく聞くもの②「シックスハット」

これは、同じテーマを6つの違った視点で見る(6つの異なる色の帽子を被り、その間はその色に応じた発想をし、意見を言う)ことで、固定観念から思考を解き放ち様々な視点から議論することを目的とした発想法。

なお、6つの視点は以下の通りです。

白色:客観的、中立的な視点
赤色:感情的、直感的な視点
黄色:積極的、希望的な視点
黒色;消極的、批判的な視点
緑色:革新的、創造的な視点
青色:分析的、俯瞰的な視点

一人でもできますが、複数人で行うと、自分の意見から離れて発想することになるので、意見の対立で議論が空回りしたまま、ということを防げる効果も期待できます。


3、あんまり聞かないもの①「第7感」

コロンビア大学ビジネススクール上級講師ウィリアム・ダンカンが提唱した「第7感」で、いわゆる「アハ体験」のような、頭の中で新しいアイディアが生まれることを指す。

ちなみに、「第6感」は「直感」とされ、定義は、「これまでの経験に似た状況で素早く「判断」ができる能力」。

一方で、「第7感」は「(これまで経験したことのない)新しい状況で「斬新な答え」を生み出す能力」。

つまり、「第6感」は背景に豊富な類似の経験が必要だが、「第7感」は経験のない新しい状況で答えを出す点が異なります。


「第7感」を生むには以下の4つのステップがあるとされる。

① 歴史の先例
 普段成功しているものを見たら、「成功の秘訣」を考える習慣を作ること
② オープンマインド
 まわりの世界をバイアスなく受容すべく無心に見聞きすること
③ 突然のひらめき
 気づいてしまえば「あたりまえ」に思えるようなひらめきが起こること
④ 決意
 「本当の答え」が分かるので体が動くこと

スターバックスのハワード・シュルツが今のスターバックスのビジネスモデルをひらめき、実行に移したことが、「第7感」の実例として紹介されているものの、再現性というところではちょっと難しい(時間もかかりそう)と思われます。

一方で、デザイナーのひらめきに最も近い(私の個人的見解)と思いましたので紹介しました。

ご興味があれば、「超、思考法」という彼が書いた本をご参照ください。


4、あんまり聞かないもの②「ギフトボックス」

アメリカの教育心理学者のウィン・ウェンガー博士によって体系化された「イメージ・ストリーミング」を神田昌典さんが簡略化した思考法。

やり方は以下の通り。

① 頭の中で「ギフトの箱」を思い浮かべる
② 箱の中のプレゼントが、1、2の3で飛び出してくる、と想像する
③ プレゼントの中身と課題とをつなぎ合わせる

何が狙いかというと、普通にアイディアを出そうとしても、どうしてもコストや納期といった制約条件が潜在意識にも顕在意識にもあるため、枠を飛び出すアイディアは生まれにくい

そこを超えた発想を得るために、プレゼントの箱から飛び出してきたモノ、という、課題とは無関係なイメージと課題とを無理矢理にでも結びつけようとすることで、新たな発想を得ようとすることです。

本の中の例では、白いヘビのぬいぐるみ、とか、ひよこ、とかそういったものから課題となんの関係があるか、という視点で頭を柔らかくひねることで新たなアイディアを得ていく、というようなことが挙げられていました。

ちなみに、出てきたイメージを解釈するアプローチが6つ示されています。

☑️ 第一印象からつなげる
 文字通りそのイメージから最初に浮かんだことからつなげる
☑️ 原体験を思い出す
 そのイメージを人生で最初にみたときの状況とつなげる
☑️ そのものズバリを考える
 そのイメージそのものが解決策という可能性を考える
☑️ 言葉あそびしてみる
 漢なら部分で分解してみてちがう意味として考える、同音異義語を考える
☑️ 調査、検索する
 そのイメージをネット等で調査、検索してみる
☑️ イメージ自らに解釈させる
 結びつかないときは、イメージを温めておく。いつかひらめくかもしれない

さきほどの「第7感」より気軽に試せそうですし、失敗しても失うものはちょっとした時間だけですので、やってみてもおもしろと思います。

より詳しい内容は、「ストーリー思考」神田昌典さん著、をご参照ください。


5、まとめ

いかがでしたでしょう?

最初は、もう課題を解決する力は差別化要因ではないこと、課題を設定するには、デザイナーは最初に「答え」まで飛んでしまって、それにあった「正しい問題」を見つけるのだ、ということを学びました。

さらに、そんな説明不可能なデザイナーのひらめきを事業化するには、経営者の「美意識」が必要であることも理解できました。

そして、本日。凡人にもひらめきを得られる思考法はないものだろうか、ということで、4つの思考法をご紹介しました。

次々と疑問が湧いて調べたいことが出てきてしまいましたが、いったんここまで。

あとは、せっかく得た知識ですので、いくつか試してみようと思います。

皆様もよろしければ、ぜひ。



最後までお読みいただきありがとうございました。

何かお役に立つことがあれば嬉しいです。


長々とシリーズみたいになってしまいましたので5回分、マガジンにしました。

ご興味ありましたらぜひご覧ください。


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