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#515 本当のスペシャリストは、ゼネラリストでもある!?

15年以上同じ業務をしてきた「スペシャリスト」。異動先で活躍できなかった姿を見て思ったことを、メモ。


1、日本版ジョブ型の会社のあるある。

あまり最近聞きませんが、ちょっと前までは「ジョブ型」という言葉が頻出していました。
私の勤務先は外資系でジョブ型です。とはいえ、例外的に異動もあります(拒否権あり)し、ジョブポス制度で自ら手を挙げて別の部署へ移ることもあります。

が、あくまで例外で、基本的に何もなければズーーと同じ仕事をすることになります。

なので、10年以上同じ仕事をしているよ、という人も割といます。

とはいえ、例えば、一気に拡大した部署では、同じ時期に採用したこともあって、同じような年齢の方が多かったりして、事業の継続性の観点からは、若手の育成も急務だったりします。となると、人員を増やせない中では、長くいらっしゃる方に希望していないけれども異動していただく、ということが、最近起こっています。

脱線ですが、日本の雇用制度や判例(従業員の解雇が非常に難しい)のもとでは、こういうひづみが「ジョブ型」では発生する、ということ、理解して制度導入しているのか、本当に疑問です。。


2、「スペシャリスト」は「ゼネラリスト」??

で、特定の業務経験が長い方、つまり「スペシャリスト」が他部門に異動となった場合、引き続き活躍できる方と、残念ながら活躍できない方とに分かれるようです。

元々の業務では皆さん、活躍されている方です。

何がこのような違いを生むのか、興味が湧いて周りの人や一部本人に聞いてみました。

結果得た私の仮説は、「スペシャリストも極めればゼネラリストでもある」、ということです。

どういうことか?

スペシャリストはある業務に精通した方です。
長年やればかなりのパターンを経験し、何か問題が起こっても、原因や解決策について様々なパターンを考えることができ、その中からいち早く正しい原因と解決策を選び、実行することができるようになります。

異動先で活躍できる人とそうでない人との違いは、上記を汎用性を持つレベルまで構造化して身につけていた人と、あくまで、その特定業務に対しての具体例の集積として身につけていた人との違い、という仮説です。

例えば、契約の処理をする場合、間違いがあると、どう修正するのが一番、顧客、担当者にとって負担が軽くすみ、時間も早いのか、ということは経験さえ長ければ過去の似たようなケースを思い出して実行できます。
違いは、その間違いがなぜ起こるのか考え、単なる担当者個人の間違いなのか、申し込みフロー、例えば申込書のフォーマットが間違いやすいものなのか、そもそも必要な項目なのか、等を申込時から後続の事務処理フローまで俯瞰して考えて、改善策の提案、実行までできるのか、ということです。

こうした、自分の仕事の前後まで含めて俯瞰して把握することができ、かつ、ボトルネックとなっているところを見つけて、さらには、その改善策を立案し、部署を超え得て効果を説明、納得してもらい、実行できるチカラというのは、かなり汎用性の高いものでしょう。

つまり、スペシャリストは突き詰めればゼネラリストでもある、ということです。

3、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

一つのことを極めれば、他のことにも応用が効くレベルまで到達しているのでは、というメモでした。

このようなケースはジョブ型の外資系だけでなく、多くの金融機関、特に日系の銀行では、55歳、早いと50歳くらいから、事実上のポストオフが始まり、処遇も下がり、業務責任も下がる、という慣例(?)がありました。ところが人口構成が変わったことや銀行や過去のような人気を集める業種でも無くなったことから、50歳以上を活用しようという動きが出てきています(以下日経新聞記事)。


こうした時に、希望した先で活躍できるか、それとも、思う通りにいかないか、は、先ほど述べたような、自らのチカラをどれだけ汎用性高い水準まで整理できているか、という点が分かれ目になるのではないでしょうか?

これは、何も異動しなくとも、今の業務の改善にも役立つチカラかと思います。そうしたことを意識的に行うか、単なる膨大なケーススタディを蓄積するか(これはこれですごいのですが)、の違いは、特に違う業務や違う責任(昇進とかですね)を担うことになった時に大きな差となるでしょう。


最後までお読み頂きありがとうございます。
例によって個人の経験に基づくメモですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。

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