見出し画像

7月23日 温暖化のペース、日本は世界より早い!?

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→気温。気温によって売れ行きの変わる製品は多い。最近では商品生産や発注の精度を上げるために気象予報会社がメーカーや小売店にデータを販売するケースも増えている。天気がビジネスになるのは他にどのようなことがあるだろうか?


2018年(平成30年)7月23日に埼玉県熊谷市で41.1℃を観測し、さらに、2020年(令和2年)8月17日に静岡県浜松市でも同じく41.1℃を観測した、「日本最高気温の日」です。

今年5月に日本の歴代最高気温を記録した5都市である浜松市(静岡県)・熊谷市(埼玉県)・四万十市(高知県)・多治見市(岐阜県)・山形市(山形県)が「第9回アツいまちサミット2022」を行ったことが話題(?)になっていました。


気温。
温暖化も気になるところですが、具体的にどれくらい上昇しているのでしょうか?

気象庁によると2022年6月の世界の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.27℃(速報値)で、長期的には100年あたり0.71℃の割合で上昇しています。

これに対し、日本の平均気温の基準値からの偏差+0.61℃100年あたりでは1.28℃の割合で上昇しています。

つまり、日本は世界を上回るペースで気温が上昇しているのです。


とはいえ、危機意識のない発言で恐縮ですが、1.28℃の上昇って…とも思ってしまいます。

その影響について実感できる資料が日本気象協会の「気候変動コンサルティングレポート 平年値の変化から見た気候変動」にありましたのでご紹介します。

今回の最高気温の日でも出てき埼玉県の熊谷を例にとって、100年間の「真夏日」(日最高気温30℃以上)の日数推移を色分け表示したものです。

近年では5月のGWにはもう真夏日になる日があり、10月の上旬まで続きます。
100年前は6月に入ってから、9月中旬まで、でしたので、100年前に比べ、真夏日が出現する期間が長くなっていることがわかります。

さらに日最高気温が35℃以上である「猛暑日」と日最低気温25℃以上である「熱帯夜」の出現日数を示したのがこちら。

温暖化がより実感として認識できます。


もう1つ、近年変わったと思うことがです。しとしと降る雨、というのは少なく、「ゲリラ豪雨」という言葉ができるほどの土砂降りということが多くなった気がしますし、雨による災害が増えた気がします。

文部科学省と気象庁による「日本の気候変動2020」に、やはり日本国内の短時間強雨の発生頻度が増加している、というデータがありました。

1時間降水量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数は、1976〜1985年の10年間と2010〜2019年の10年間とでは、約1.4倍に増加しています。

一方で、雨の降る日は減少していて、100年あたり9.5日の減少率です。

なぜ、気温が上がると短時間強雨が増えるのでしょうか?同レポート内に以下のような解説がありましたのでご紹介します。

雨は、大気中の水蒸気が雲の 中で凝結し、それが地上に落ちてくる現象である。空気には、気温が高くなるほど水蒸気を多く含むこ とができるという性質がある。気温が高くなることで、雨として降るまでに水蒸気が大気中にため込ま れる時間が長くなるために降水の回数が減り、その一方、一度の大雨がもたらす降水量は一般的に多く なる。気象庁の高層気象観測(国内 13 地点16)によるデータからも、上空約 1,500 m の空気中に含まれる水蒸気量は増加傾向にあることが確認されている。これまでに観測されている大雨の頻度の増加や強 度の増大は、気温が上がるほど空気中に含むことのできる水蒸気の量も増えるという性質を反映した、 地球温暖化に伴う気候の変化の一つと考えられる。

ゲリラ豪雨も温暖化によるもの、なんですね。


最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

一昨年7月からこのような投稿を続けています。以下のマガジンにまとめてありますので、よろしければ覗いてみてください。


この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?