#531 やるなら、やる。
流れを変えるには今の延長線上にないことをやらないと、しかも、徹底的に、と思ったので、メモ。
1、組織の慣性はものすごく強い
先週、日鉄のUSスチール買収に関連した以下のような投稿をしました。
一言でいえば、組織や人の印象に働く慣性の力(現状維持の力)はとっても大きいですよ、という内容です。
で、最近それを実感する出来事が身近にありました。
当社のある部門の売上はここ半年目標に届かず、大変厳しい状況に追い込まれています。こういった状況ですと、「何かしろ」という圧力がマネジメントからかなり強くかかってきますし、現場としても何か手を打たないと、ということであれやこれや考えて手を打ちます。
個人の評価を変更したり報告する会議体の運営を変えたりといろいろやっています。結果、現場の担当者一人一人の行動は結構(まだまだですが)変えることができたようですが、意外と中間のリーダークラスが変わらないのです。
2、なぜ変わらないのか?
その報告をマネジメントが受ける場に同席しました。
マネジメントは中間層が変わっていないことをすぐに見抜き、なぜ変わらないのか?と質問しました。
考えてみれば、個人は結構踏み込んで評価を変えた、かつ、定量で明示的、上司の裁量があまり働かないというふうに変えたことで行動が変わったのですが、管理職クラスの評価はどうしても定性面の割合が大きくなるため、結局はその上司の裁量が残っている、その上司は急速な変更や変革に批判的(口には出さないものの、個別に話すと不満があったり納得していなかったり)という状況ですから、部下も敏感にそれを感じているのです。
このままでは元に戻って(というか、変わってないので戻るも何もないのですが)しまうことを指摘し、ある提案をしました。
3、やるなら、やる。
その提案とは、「中抜き」してしまえ、というものです。
つまり、一定の人数を現場から抜き、役員直轄の特別班を編成することにしたのです。新しいやり方に懐疑的な中間層を飛ばして、特別班でやってみる。そこでうまくいけば、その実績を持って横展開する、という狙いです。
当然、人を抜かれる中間層からは反発が予想されます。でもやる。
そもそも変えるべきか、という議論もありますが、確かに変えればマイナス面もあるかもしれませんが、変えなければジリ貧、という状況です。
しかも現場は頑張ってくれています。
中間が変わらなければなりません。時間もありません。
やるなら、やる。ということです。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
数字ができないと恐ろしいことが起こるなぁ、と改めて震える思いをした、というのが第一印象なのですが、その後、慣性を打ち破るにはそれくらいの手が必要なんだ、ということに改めて驚く、というか、慣性の強さとそれを止めて新しい動きに変えることの困難さを実感しました。
そして、どうしても合意形成して進めたがる私のスタイルでは到底思いつかない、納得しないなら納得してもらうようにする、ではなく、納得しないのなら、中抜けしてしまう、という発想に驚きました。
でも、考えてみれば、現場は評価を変えられて動きを変えようとしているのに、中間がその邪魔をしているのでは、現場の担当者がかわいそうです。
もちろん、中間層の評価をもっと変える、という方法もあるでしょうが、私の合意形成を重視するスタイルでは、時間もかかるし中身も中途半端になるでしょう。
時にはこうしたトップダウンによる変革も必要、と実感した出来事でした。
加えていえば、これがうまくいかなければ、逆に中間層から「それみたことか」という反応が予想されますので、かなりのリスクをとることになります。
それでも、やるときは、やる。ということなのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
外資系とはいえ比較的日本社みたい、と思っていましたが、久しぶりに外資系のシビアな面を実感してしまいました、という、例によって個人的なメモでしたが、どこか参考になるところがあれば幸いです。
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