コラム7 ネットで作品を公開するなら読者の反応を求めちゃダメだった

 「読んでくれる人のために書く」のと「読んだ人に褒めてもらいたいから書く」というのは似ているようでまったく違います。

 あけましておめでとうございます。九灯兄妹の妹のほう、小膳です。
noteでMANHUNTというBL小説を書いています。

 今回のコラムはわたしが承認要求を満たすために小説を書いていたのだという話です。


自分でも出来そう感

 以前、わたしは「小説家になろう」というサイトで自作品を公開していました。
というのもそちらのデイリーランキングにある「異世界行ったらどうたら」みたいな小説は数千人にブクマされており、感想もレビューもいっぱいついていたからです。

「ここならわたしの小説も簡単に人気が取れるんじゃないの?」

 ……という今にして思うと恥ずかしすぎる理由だったんですけど、当然ながら結果は散々なものでした。
ブクマはつかず感想もなし、PV(アクセス数)もまったく伸びません。

 その後も数話投稿しましたが、反応のなさに嫌気が差して消し、ペンネームを変えては別の作品を投稿するということを繰り返していました。
こういう事してる人、結構多いんじゃないでしょうか?

 要するにこのときのわたしは「簡単にみんなに褒めてもらえそうだから」書いていたんです。
ちょっと書いて公開すればすぐに山のようなPVとブクマがついて、みんなが感想欄でわたしのことを褒めてくれるだろうって。
そして非情な現実を思い知らされたわけです。

褒められるために書くのはロクデナシ男と同じ

 上記の経緯を経て今のわたしが学んだのは「PV数やブクマや感想のために創作をするのはやめよう」ということ。

 「読んでくれる人のために書く」のと「読んだ人に褒めてもらいたいから書く」というのは似ているようでまったく違います。
前者が本当に相手のことを思っている誠実な男性ならば、後者はセックス出来そうな若い女性にだけ優しくするロクデナシ男です。

 ロクデナシは要求が受け入れられないとわかると手の平返して彼女を罵倒し、自分がこれまでどれだけ尽くしたか、何を捧げてきたかをくどくどと並べ立てます。
「誰も褒めてくれないから書くのを止める」「いくら書いても褒めてくれないから『小説家になろう』の読者はバカだと思う」なんていうのは、それとまったく同じことなんです。

(偉そうなこと言ってますが、実際に以前のわたしがそう思っていたからわかることなんです。ごめんなさい……)

 見返りを求めればそれは愛ではなくエゴなのです。
本当に創作が好きならばまず自分の作品に対して、そして読者に対して誠実でなければなりません。

 ……本心では褒めて欲しくて仕方ないんですけどね!
だからMANHUNTを読んだみんな、気が向いたらちょっとでいいから褒めてね!

(小膳)

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