7月20日に、第5回「本を語る会」を開催します!~今回は「小説」
こんにちは。楠浦です。
イーパテントの野崎さんのお声掛けで始まった
「本を語る会」
無事、第5回を開催する運びとなりました。
これまでは、野崎さんも私も、特許や知財の業界所属ということで、テーマは、情報分析やら発明やらということになっておりましたが、今回は
「小説」
ということになりました。
仕事直球の話ばっかりでも疲れますしね(笑
まだ絞り込めていませんが、機会があれば紹介したい、と思っている本、というか、これを機に読み返したい本を、以下にあげておきます。
これで決まり、ということではありませんが、この中から選ぶ可能性は高いです。
●「長距離走者の孤独」A.シリトー
この本の一節が、とある大学の、入試問題(英語)で使われており、読んで興味を持ちました。僕の、甲斐塾時代の英語の講義を取っていた学生さん(当時高校生)には、懐かしい本だと思います。
僕は、高校時代に陸上部に所属していたため、
「人生を、長距離走になぞらえる」
のは、割とイメージが湧きやすく、記憶に残っています。この本の中の、主人公がクロスカントリー走をやらされている(?)部分が、特に好きです。
大学入試問題で使われていたのも、ちょうどその部分(P58-P59, 新潮文庫第41刷)で、英語の授業の準備で、丸谷才一氏の翻訳を超える訳ができないかと、悪戦苦闘した思い出があります。
「決勝点(ゴール)は、決して終わりではない」
「お前自身の道を行くべきなんだ」
のあたりが、高校生へのメッセージとしては、使い勝手が良かったので、大学入試問題に取りあげられたのでしょう。大学入試の英語の問題の大半は、英語ではなく、哲学や人生に関するメッセージを伝えるために、選ばれていますからね。
このペースだと、終わらないな(笑
以降、端折ります(笑
●「動物農場」G.オーウェル
これも、甲斐塾での英語科講師時代の話になります。当時の教え子から、学校(高校)の英語の授業で、この「動物農場」をテキストに使っているという話を聞き、
「へー、どんな話なん?」
ということで、授業が終わった後にもらいました。
(今は、どこにいったかわからないのですが・・・)
ということで、この本は英語でしか読んでいないのですが、
「人間や組織に関する、皮肉がたっぷり」
で、笑えて勉強になる本です。
高校生には、ちょっと難しいのではないかという気もしましたが・・・。
●「アルケミスト」P.コエーリョ
たぶん、初めて読んだのは、30歳ぐらいの時だったかと思います。
先日、支援先スタートアップのCEOであり、ほぼ同じ時期に、非常に苦労しつつ、互いに意見交換しながら事業を軌道に乗せてきたという、
「戦友」
的な方が、この本の一節を引用されたので、先日あらためて読みなおしました。
●「禅とオートバイ修理技術」R.パーシグ
これは、発明塾のBlogで、一度取り上げています。
「オートバイ設計者」
として、これは読んでおかねばと購入た本でした(笑
哲学入門的な位置づけで読まれることが多いようですが、発明塾的には
「何かに習熟するとは、どういうことなのか」
を、丁寧に説明した本になると思います。
上・下あって、読むのは割と大変ですので、ご注意ください。
●「人間の土地(人間の大地)」S.テグジュペリ
この本は、前職の初代社長が、一節を引用していて、興味を持った本です。
僕の手元の本は、人間の土地、ですが、最新刊では、人間の大地、になっているようです。
僕が好きなのは、前書きの部分です。
(他は、あまり記憶にありません)
「努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野の間に、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じ合うことだ」(P8, 新潮文庫第70刷)
あと、P63 にも、ほんとそうだなと感じる一節があります。
「発達の極致に達したら、機械は目立たなくなってくるだろう。発明の完成は、かくして、発明の忘却と境を接するのだ」
ゴテゴテして存在感を主張してくる発明は、まだまだ、未完成なんですよね。
●「ナボコフの文学講義」V.ナボコフ
これは、僕の推薦ではなく、すごく頑張ってくれた塾生さんの推薦です。
彼は、一度挫折して復帰したツワモノです。
発明塾で教えていることと、通じるものがあるそうです。
僕もまだ途中ですが、彼が言わんとすることはわかります。
企業内発明塾で、僕が教えていることの一部は、教わる側からすれば、たぶんこういうことであり、こういう風なんだろう、という気がします。
●「フェルマーの最終定理」S.シン
数学好き以外の人にもお勧めしたい、数学上の難問を見事解決した、A.ワイルズのドキュメンタリー小説(で、よいのかな)です。
「粘り強く、真実(核心)に迫る、とは、どういうことか」
について書かれた本だと、僕は捉えています。
誰も解けると考えてない問題について、
「解けそうだ」
という感触を得ること、そして、解けるという確信を得てそれを、幾重にも確認しつつ、完璧に
「証明する」
まで。とにかくスリリングで、あっという間に読めてしまいました。
発明と全く同じで、
「発明は証明問題」
ということを、僕が改めて強く主張するきっかけになった本です。
楠浦 拝
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