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(セミナー報告)「AI特許調査ツール」セミナーを開催しました!

昨日、ご縁があって

AIを使った先行技術調査ゼミ」(知財塾)

の講師(?)を務めさせていただきました。

今回、開催にご尽力いただいた IPTech の 湯浅COO は、元弊社メンバーであり、また、Amplified.ai の 追川COO は、国家プロジェクトの知財戦略立案でご一緒したことがある、というご縁になります。

ゼミの様子は、以下、参加者の

松本特許事務所の松本先生

の note に詳しいですので、ぜひご一読くださいませ。

ここでは、このツールが、

「どれぐらいインパクトあるツールか」

私が感じたところを、率直に紹介いたします。

● 「2日」がかりの特許調査が「1時間」になるツール

お前、特許調査の仕事してないのに何言うとるねん、というツッコミはごもっともです(笑

あまり知られておりませんが、弊社 TechnoProducer株式会社は、2008年の設立直後は

「特許調査(ほぼ)専業」

の会社でした。プロのサーチャー数名と、見習いサーチャー数名を抱え、西へ東へ走り回っておりました。私も、普通に特許調査の仕事をこなしておりました。

当時の、代表的な仕事の一つが

「(出願前)先行技術調査」

です。出願前、には

「国内出願済で、いまから国際出願する予定」

も含まれます。

この時の経験でいうと、通常のスキルのサーチャーで

「母集団作成」
「査読」(100‐150件程度に、ある程度じっくり目を通す)
「比較表作成」

で、2日-3日程度かかっていました。

現在、僕が、自身の発明の特許性を確認するために、比較表にのせる文献を選定するのに必要な時間は

「最短15分」

程度です。キーワードで絞り込んだりする機能もあるので、それを使えば

「類似する点が異なる複数の文献」

を、あっという間に選べます。

そして、選んだ時点で、比較表は頭の中で出来上がってます。

「1‐2時間」

あれば、自分たちで発明を評価するのに十分な資料は作成できます。

調査会社の方が使われたとしても、資料作成込みで最大3時間ぐらいでしょう。

● 「検索式」「母集団」という概念はない

当日、追川COO が強調されていましたが、このツールには

「検索式」
「母集団」

という概念はありません。AIが、近いと判断した順に、文献をリストアップしてくれます。

適宜、人間からも

「補正」

の指示を出しつつ、その文献にざっと目を通していけば、

見つけたい(みつかるだろう)と思っていた文献は、だいたい見つかる」

感じです。私が、自身の複数の発明で試した際は

「見つかるわけないだろう」

という文献も、見つかりました。

人間側の

「意識改革」

も必要だな、と感じました。

● 「明細書」っぽく入力することで、飛躍的に精度が向上する

上記、松本先生の note でも言及がありますが、AIが

「理解しやすい文章」

を書く必要があります。現状は

「技術者が、自身の発明を説明する文章」

よりも

「弁理士や知財部員が、明細書を書く時の文章」

に近いスタイル、言葉遣いで書く方が、欲しい文献が見つかる率は高くなるようです。
(率が高まるというよりは、スピードが速くなるという表現が正しいかもしれません)

そういう意味で、まず

「弁理士」
「特許技術者」
「知財部員」

の方が、業務フローの中に調査を取り入れる際、大いに効果を発揮するツールだと感じます。

もちろん、調査会社の方や、(僕のような)ある程度特許の知識がある技術者の方にも、かなりインパクトがあります。

● まとめ

発明塾では

「ドンズバ調査」

と言っていますが、

「これって絶対誰かやってるはず」

という文献をサクッと見つけられると、仕事はいろいろはかどります

そういう意味で、このツールのポテンシャルに、大変注目しています。

興味ある方は、以下サイトへ。


楠浦 拝


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