弁理士 松本文彦

松本特許事務所代表/知財部のない中小企業・個人事業主専門の特許事務所/弁理士としては珍…

弁理士 松本文彦

松本特許事務所代表/知財部のない中小企業・個人事業主専門の特許事務所/弁理士としては珍しいですが顧問業務に力を入れています/広島/事務所HP:https://matpat.jp/YouTube:https://www.youtube.com/c/fmatsumoto

最近の記事

特許事務所の仕事内容

はじめに特許事務所ではどのような仕事をやっているのか、業界未経験者にとっては謎だらけのようです。 また、何も知らずにいきなり特許事務所に飛び込んできて、ミスマッチからすぐに他の業界に転職するというのも不幸な話です。 そこで、特許事務所の仕事内容について簡単にまとめてみることにしました。 しかし、特許事務所の業務といっても千差万別です。 あくまでも弊所ではどのような業務をやっているのかを列挙したいと思います。 なお、弊所は零細事務所であり、知財部が無い中小企業をクライアン

    • 製造業グループと弁理士

      世の中には製造業が連携しグループを作っているケースがいくつかある。 例えば、東京は大田区のI-OTA、大阪の大阪ケイオス、京都の京都試作ネット、熊本のMIKI-500、山形のおきたまものづくりネットワーク、そして広島のヤマトプロジェクト。 このようなグループにはいろいろと目的はあるだろうけど「わしらのところに依頼すればグループ内で作れない物は無いよ」が一番大きいと思う。 また、これらのグループ間の交流もある。災害によるサプライチェーンリスクの発生を考慮して、離れた地域に

      • 顧客ポートフォリオ

        顧客ポートフォリオというものは重要です。 つまり、特許事務所が大企業をメイン顧客とするのか、中小企業をメイン顧客とするのか、はたまたそれらをバランスよく持つのか。 それぞれのメリット・デメリットを考えていきましょう。 1.大企業が顧客の場合 皆さんご存知の通り、大企業からは毎月たくさんの特許が出願されます。 したがって、大企業の顧客を持つと日々の仕事には困らなくなります。 つまり、営業活動を行わなくてもよくなり、明細書の作成等の弁理士本来の業務に集中することができます。

        • 故郷に戻って特許事務所を開業するハードル

          現在、東京の特許事務所に勤務している弁理士が、故郷で開業する上でのハードルを考えてみます。 故郷だろうが縁もゆかりも無い土地だろうが、その土地で社会人として過ごしていないなら、ビジネス的には縁もゆかりも無いと言えます。 私自身、故郷は香川ですが大学から広島に出てきており、したがって開業地としてビジネス的に縁がある広島を選びました。 ■地元の中高時代の友達は当てにならない美容院や飲食店だと「試しに1回行ってみるかな」という地元の友達からのご祝儀的な来店はあると思います。

        特許事務所の仕事内容

          Twitterで見る知財クラスターの違和感

          大層なタイトルを付けましたが、重い話ではありません。気軽に読んでください。 Twitterにおける知財クラスターでは知財部員や大事務所勤務の弁理士が多いようで、知財部があるような大企業や大事務所を経験したことがない私としては皆さんのツイートを見ても(良い悪いではなく純粋に)世界が違うなと感じる場合も少なくないです。 ここで、会員の分布状況によると事務所の70.9%は弁理士がその事務所に1人だけいる1人事務所です。 これを見てもわかるように、大企業や大事務所だけが知財業界

          Twitterで見る知財クラスターの違和感

          知財業界での夢と希望

          本noteはドクガクさんの弁理士の日記念ブログ企画2021への参加エントリです。 たぶんドクガクさん的には貴方の夢や希望を語ってくれ、ということだったのでしょうが、私自身は特に夢を持っているわけではなく、淡々と、でも楽しんで仕事をしているだけなので、題意把握ミスを敢えてして、特許事務所の仕事はたくさんあって、夢も希望もある業界だよーという話をしたいと思います。 この業界の未来を悲観している人を見ることがあるのですが、私は全くそうは思いません。 私がおいしい思いをしていな

          知財業界での夢と希望

          顧問先獲得のための口説き文句

          私は以前から、弁理士はスポット案件だけではなく顧問先を獲得しましょうと言っていて、noteの記事にもしています。 さて、ここでは顧問契約を取るときに私が実際に言ったことのある口説き文句をご紹介します。 この話は知財実務オンラインに登壇したときにも喋ったものでして、知財実務オンラインの全体の原稿をまとめたものがこれ ↓ です。 最初は上記noteに口説き文句も入れようとしていたのですが、登壇時の口説き文句コーナー(?)では、横で聞いていたファシリテーターのお二人が爆笑してい

          顧問先獲得のための口説き文句

          地方弁理士の独立開業の一例として

          地方の特許事務所って仕事はあるの?どうやって仕事を取っているの?という疑問に答えるため、私の事例を赤裸々に紹介します。 このnoteは知財実務オンライン登壇用にせっかく書いた下書きを成仏させるべく、それに加筆修正したものです。 ■自己紹介・事務所紹介2014年弁理士登録、2017年10月開業に独立したペーペー弁理士の松本文彦と申します。 広島市中区の原爆ドームの向かいに事務所を構え、私とパート事務員さんの2人でやっています。 ■このnoteの目的近年独立者の独立開業のリア

          地方弁理士の独立開業の一例として

          語り尽くされているけど情報発信の大切さについて

          その業界では当たり前のことであっても、また自分としては当たり前のことであっても、自分がやっていることを外に向けて発信することは大切。 発信した結果、多くの同業者に「それ、普通だけど?」と思われても何もデメリットは無い。 一方で、他の業界の人の一部からは、それが凄いことのように思われることもある。 また、もしかしたら自分にとっては当たり前でもその業界では当たり前ではないかもしれないし。 そして発信すると同じような考えの人が寄って来て仲間ができる。当たり前のことを書いていて

          語り尽くされているけど情報発信の大切さについて

          弁理士も顧問契約のススメ

          このnoteを読んでほしい人: 特許事務所勤務の弁理士、社内に弁理士試験合格者がいない企業 特許事務所はクライアント企業から特許事務所へはスポットで依頼するものと思われており、継続的に依頼がある場合であっても、その実態はスポット案件が継続的にあるいうパターンが特許事務所の業務としては通常だと思います。 この認識は企業と特許事務所の共通のものであると思いますが、それでは両者が損をしていることが多そうです。顧問契約は弁護士、税理士、社労士だけのものではなく、特許事務所の弁理士

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          AI特許技術調査ツールを使ってみた

          昨日AIを使った先行技術調査ゼミを受講し、このセミナーでAmplifiedを初めて触りました。私はAmplifiedだけでなく、AI特許技術調査ツールを触るのが初めてです。 ※当初このnoteでは具体的な題材で検索をしてスクショを撮り、それを使いながらレビューしようと考えてたけど、手間が掛かり過ぎたので挫折しました。テキストだけのレビューですみません。 以下、順にAIでの調査の手順を書いていきます。 1.入力発明者からヒアリングしたものをベタ書きしていき、ある程度の分量

          AI特許技術調査ツールを使ってみた

          2019年の振り返りと2020年の抱負

          あけましておめでとうございます。 元日ですので去年の振り返りと今年の抱負について書きたいと思います。 1 2019年の振り返り1.1 事務員さんを雇ったそれまでは自分1人でオンラインアシストを利用していましたが、リアル人員が増えました。事務員さんには植木に水をやってもらえたり、妻には流されるような話も聞いてもらえるのは大きかったです。 1.2 アニポスのCIPOになった積極的にそのような立場になろうと思ってなったわけではありませんが、中からスタートアップを見ることができ

          2019年の振り返りと2020年の抱負