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楠見、noteはじめます。

こんにちは、楠見 雄規(くすみ ゆうき)と申します。2021年6月24日、株主総会とその後の取締役会を経て、パナソニック株式会社 代表取締役 社長執行役員の大任を仰せつかりました。

私は1989年4月に松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)へ入社し、今年で32年目になります。noteの読者の方の中には、「自分が生まれる前から働いてんのか…!」と驚かれる方も多いかもしれません。

中学時代からのオーディオマニアで、「好きなことを仕事にしたい!」と思い、当時の松下電器産業に入社をしました。その後、R&D(技術本部)に配属され、若いころは様々な研究、開発に関わってきた、生粋の技術者です。その後、様々な事業を国内・海外で経験してきましたが、それはまた追々。

なぜいま、noteなのか

さて、そんな私が、いま、どうしてnoteをはじめようと思ったのか、その理由を少しお話させてください。

パナソニックは過去30年間成長することができていません。

パナソニックは、いま変わらなければならない。

モノを書く時間があったら、本当に社会に役立つ会社になるために時間を費やせと思われるかもしれません。私自身、この難局を乗り越えるために何をするべきかを考え、行動することに最優先で時間を費やすべきと考えています。

そして、その舵取りを精一杯努める覚悟です。

これから様々な変革が起こる、いや、起こしていかなければならない。そんなタイミングだからこそ、私の思いを、自分の言葉で皆さんに届けていきたいと考えました。

自分の言葉で「なぜ」を伝えたい

パナソニックに関する情報は、メディアやネットからたくさん拾えます。一方、掲載されている情報は、パナソニックが「やったこと」「やろうとしていること」がほとんどで、その背景が語られることはありません。

しかし、その背景には、筆舌に尽くしがたい紆余曲折や葛藤、そして断腸の思いがあります。何よりパナソニックの仲間たち(社員や一緒に働く方々)の熱い思いがあります。

「なぜ、それをやったのか」「なぜ、それをやろうとしているのか」――?

パナソニックは100年の歴史を持ち、グローバルで約24万人の社員がいる大きな会社です。ただ、今のパナソニックが、誰にも負けない立派な仕事をして、理想的なくらしやより良い社会の実現に大きな貢献ができているのか、といえば、残念ながら、本来のポテンシャルを十分発揮できていない、だから隆々とした成長を果たせていないのではないか、というのが私の感覚です。

私は、いまこそパナソニック創業の原点に立ち返るべきだと考えています。

社会を豊かにしていく「高い理想」を持ち、そこに向けて真に役立つ良い製品をつくり多くのお客様にお届けする。そして、モノだけでなく、お客さまの心も満たしていく。

これを今、覚悟をもって、本気でやりきる。 その活動が「お客さまにお選びいただくこと」につながり、結果として、 パナソニックという会社の成長につながるのだと思います。

パナソニックの経営理念に「社会生活の改善と向上」「世界文化の進展に寄与する」という言葉があります。

小難しく聞こえるかもしれませんが、言いたいことは、「誰よりもよい商材をより早く、より多くのお客様にお届けして、理想的なくらし、社会を実現 していきたい」というシンプルなものです。そして、現在はもちろん、私たちの子どもや孫たち、そしてその先にいたるまで、将来に対する不安を抱えることなく、安心して日々の生活を営むことのできる世界を実現していきたいと考えています。

その道のりは決して楽なものではないでしょう。これから、平坦ではない道のりを歩む中で、「なぜ、それをやるのか」について、自分の言葉で綴っていきたいと思っています。

開かれた社長でありたい

実際に調査したわけではないので、あくまで想像ですが、「楠見ってどんな人?」とパナソニック社員にアンケートをとったら、きっと「超コワイ」「話しかけにくい」というような回答がダントツなんじゃないかと思います。

私は過去、部下への対応が厳しい時期があったので、無理もありません。

でも、いまはそのときのことを深く(✕100)反省しています。我ながら、「そら誰もついて来んわな…」と...この場を借りて、当時の皆さんには心からお詫びいたします。

その反省を経て、社員一人ひとりがイキイキと仕事をし、毎日、成長ややりがいを感じることができるようになるためにはどうすべきか、実は、この数年、改めてリーダーシップトレーニングを受け、悩み、考えました。

良いチームというのは、高い目標に向かい、全員がそれぞれの持ち場でベストを尽くす、一人ひとりが自分ごととして考え、改善してもまた改善を繰り返していく、そういった主体的に動く雰囲気があると思うんです。

どうしたらそんなチームが創れるのか、とにかく現場に寄り添い、そこでがんばる社員と同じ目線を私は大切にしたい。そして何よりもその先にいるお客様のことを思いうかべながら仕事ができているのか、それがもっとも大事なことだと思います。

私は ”社長室“ を出ました。

社員がいる同じ部屋で机を並べ、対等に意見交換をする。部屋の皆さんは、「早くあっち行ってくれへんかな…」などと思うこともあるかもしれませんが、ここは慣れていただくしかありません(笑)

現場で同じものを見て、共に考え、一緒にこのパナソニックの難局を乗り越えていきたい。このnoteではそんな仲間のがんばる姿にも触れていければと思っています。

これから、パナソニック社長として、そして、皆さんと同じひとりの人間として、「楠見雄規のリアル」をお届けしていきます。

お付き合いいただけたら、うれしく思います。

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