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映画レッドドラゴンの感想とすすきの首切り事件など最近の殺人事件に思う事
レッドドラゴンの感想。やっぱりただのホラー映画とは一線を画すこのシリーズおもしろかった。羊たちの沈黙、ハンニバルは以前に見てたんだけど、大体人気作の続編ってどっかで駄作が生まれたりするもんだけど、全部おもしろいのはすごい。この映画を見てて、最近ニュースを騒がせてるショッキングな事件の世間の反応について思うことがあったので書いていく。
1.猟奇的殺人事件を精神面から紐解く
このシリーズのおもしろさは主人公と殺人鬼よりも天才レクター博士の視点だ。シリーズを通して、猟奇的な事件を刑事が状況証拠や物的証拠で追うけども捉えらない。
そこで刑務所に入れられている、シリアルキラーでありながら精神科医であり高いIQと様々な教養を持ち合わせた、ハンニバルレクター博士に助言を求め、そのヒントから事件解決へ向かうというもの。
2.犯人を一人の人間として心理を探る
レクター博士は、犯人の心理を巧みに紐解いていく。一見なんの関係もなさそうに見える犯人の行動原理をひとつひとつ観察し、犯人像を正確に浮かび上がらせる。
この視点ってすごく大事なんじゃないかと最近のニュースやそれに対してのSNS等での反応を見ていてすごく感じる。
3.最近の残酷なニュースと世間の反応
ここ最近、旭川の17歳女子高生の殺人事件や那須の経営者夫婦の殺人事件、すすきのの首切り事件などかなりショッキングな殺人事件がニュースで報道されてる。
このニュースに限らずセンセーショナルでパッと見で興味関心を引きやすい事件は、その断片だけが面白おかしく騒がれて、「頭おかしい」「サイコパスだ」「死刑にしろ」というような反応がよく目につく。もちろん被害者の無念は筆舌に尽くし難いだろう。
たしかにニュースだけ見ると犯人がどういう人間で、被害者とどういう関係でとかわからないし背景も見えないので、不安で目の前から消えてほしいという意味で、切り離す反応になるのもわかる。ただそれは一番簡単で一番愚かな行為だと感じてしまう。
4.犯行の陰に隠れた心理
羊たちの沈黙、レッドドラゴンで描かれるのは、目を背けたくなる犯行の裏に隠された、犯人の生い立ちやトラウマだ。あらかじめ断っておくが殺人とか犯罪を僕は肯定する意図はないし、犯罪は悪だと思う。しかし犯人の心理や声を聴くことでしか見えてこないものがある。レッドドラゴンも幼少時代の虐待がトラウマとして描かれる。
羊たちの沈黙もハンニバルも犯人には、悲しい過去があり、どんどん人間性が歪んでいく。犯人にもちゃんとモデルがいて、そういうのを調べても、犯罪と家庭環境、社会背景、様々な外的要因で歪んでいったパーソナリティには関係がないとは思えない。
漫画やアニメのように悪はただ単純に異端であって、生まれたときから悪で排除するべき存在なのではない。彼らが背負った傷や痛み、トラウマを誰も理解しようとしない。レクター博士の視点というのは、そんな彼らへの理解をもたらしてくれる。
5.理解者の存在
レッドドラゴンの中で盲目の女性が出てくる。彼女は唯一の犯人の理解者として描かれる。これは現実社会でもとても重要な事だと思う。少しでも理解してくれる人がいること、寄り添ってくれる誰かや制度が存在したなら起こり得なかった事件もたくさんあるんだろうと思うことがよくある。
レクター博士のシリーズはホラー映画だし、残酷な描写やグロテスクな表現が結構出てきますが、それ以上に人間というものの本質を映し出す素晴らしい映画だと思うので、見たことなければぜひ見てみてほしい。
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