櫛/ MOTHER / Pharmacist

母 兼 薬剤師 櫛野です。科学とケアをつなぐ札幌の薬屋を目指します。音楽 アート 育児…

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母 兼 薬剤師 櫛野です。科学とケアをつなぐ札幌の薬屋を目指します。音楽 アート 育児 教育に関心があります。 "日本の子供たちの未来が希望に満ちていきますように"

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新型コロナ感染症と肺炎、川崎病、脳梗塞の関係

新型コロナ感染症の重症化では間質性肺炎が問題になりますが、症例報告が増えるにつれ新型コロナ感染に伴って、川崎病 脳梗塞 血栓症なども合併症として報告されてきています。 これらの一見関係ないような病気もウィルス感染を介してサイトカインストーム現象で関連する疾患として説明できます。 新型コロナも含めウィルス感染の危険に晒されたとき体の免疫が働きます。 免疫システムは、基本的に2つの仕組みから成り立っています。1つは「自然免疫」。常に体内を監視し、侵入者に対していち早く攻撃態

    • 睡眠薬 安定剤で認知症になるのだろうか?

      睡眠薬や安定剤といった類いの薬は、時世のせいか未成年から高齢者に至るまで多用されています。そしてその類いの薬を使っている高齢者の一定割合の方々は「この薬を続けていけばいつか認知症になるんじゃないか」という不安を感じながら薬を飲んでいます。 この話題になりうる睡眠薬や安定剤はベンゾジアゼピン系というタイプに分類されるものですが、果たして本当に認知症になってしまうのか、薬学的に考察してみました。 認知症の分類まず認知症とは原因によって大きく3つに分類されます。 1.アルツハ

      • アンサングシンデレラでお母さんへの"頑張れ"という言葉。身体的、精神的、生活弱者に向けてのその言葉は傲慢な言葉であり、安易に使ってはならない言葉かもしれない。。。

        • 疑義照会 (アンサングシンデレラより)

          アンサングシンデレラのテーマでもある"疑義照会"。薬剤師の仕事の中で、患者さんの安全にも係る重要な仕事なのですが、患者さんにも医療従事者にもあまり理解されていません。 外来患者さんにお薬渡すとき時間がかかる要因の一つにもなっていますが欠かせない仕事です。多くの方は薬剤師は処方箋をそのまま薬を揃えて渡すだけの仕事と思われてるのではないでしょうか?処方箋の内容のまま、患者さんに何の聞き取り、説明なく患者さんが問題なく服薬でき治癒していけるのが一番よいことです。しかし実際は全てが

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        新型コロナ感染症と肺炎、川崎病、脳梗塞の関係

          アンサングシンデレラ始まります!薬剤師の仕事の"疑義照会"が大きなテーマのようです。患者さんの治療において薬剤師の重要な仕事の割にはみなさんには知られていません、、

          アンサングシンデレラ始まります!薬剤師の仕事の"疑義照会"が大きなテーマのようです。患者さんの治療において薬剤師の重要な仕事の割にはみなさんには知られていません、、

          3歳女児ネグレクト死亡事件、2010年大阪で同じように幼い姉弟餓死事件がありました。この事件をモチーフにした小説があります。山田詠美「つみびと」読後感は紙一重で罪を犯した母になってしまうかも、、でした。https://book.asahi.com/article/12571980

          3歳女児ネグレクト死亡事件、2010年大阪で同じように幼い姉弟餓死事件がありました。この事件をモチーフにした小説があります。山田詠美「つみびと」読後感は紙一重で罪を犯した母になってしまうかも、、でした。https://book.asahi.com/article/12571980

          新型コロナウィルス感染が空気感染の可能性 https://news.yahoo.co.jp/articles/522744abbcf31b07dec523faa6fcfbd796eec559 空気感染だったらマスクで予防はできないですね^^;

          新型コロナウィルス感染が空気感染の可能性 https://news.yahoo.co.jp/articles/522744abbcf31b07dec523faa6fcfbd796eec559 空気感染だったらマスクで予防はできないですね^^;

          市販のかぜ薬の危惧すべきこと

          昨今、市販のかぜ薬 鎮咳薬の濫用・依存がクローズアップされています。以前より咳止め薬の目的外服用による濫用が問題になってはいましたが、最近は市販薬乱用による精神疾患が増加傾向にあるようです。この背景には規制緩和によりインターネットで簡単に市販薬が入手できるようになったことも大きな一因と思います。 問題になる薬の成分市販のかぜ薬・鎮咳薬は殆どの商品が配合剤です。配合薬の成分で問題になる薬が、ジヒドロコデインとメチルエフェドリンです。この2つとも咳を抑える作用があり、ほとんどの

          市販のかぜ薬の危惧すべきこと

          大人の風邪の考え方(セルフメディケーション)

          かぜひいたかな?と思うきっかけは、のどが痛い 熱っぽいなどの症状があります。そしてそんな症状が出てすぐ病院へ受診する人は、きっと少数派ではないでしょうか。発熱があって受診する場合も、かぜの治療というよりインフルエンザにかかったかも?!という心配から受診することも多いと思います。 かぜはくすりで治るの?そもそもかぜは薬で治りません。(かぜに限らず高血圧などその他多くの疾患も薬を服用すれば完治するというわけではないのですが・・) かぜ症状の根本的な原因はさまざまなウイルスに感

          大人の風邪の考え方(セルフメディケーション)

          フオイパンが新型コロナ治療薬としての治験が始まったようです。ちなみにこの薬の販売会社の小野薬品工業はオプジーボも販売しています。 https://news.yahoo.co.jp/articles/3260e7d44bd2a5c6eab88ef0e7e8d095fd208e4f https://note.com/kusi/n/n4d81f4220d25

          フオイパンが新型コロナ治療薬としての治験が始まったようです。ちなみにこの薬の販売会社の小野薬品工業はオプジーボも販売しています。 https://news.yahoo.co.jp/articles/3260e7d44bd2a5c6eab88ef0e7e8d095fd208e4f https://note.com/kusi/n/n4d81f4220d25

          オプジーボと間質性肺炎

          先日 オプジーボに原発不明がんに対する有効性が確認されたとのトピックがありました。 オプジーボの重篤な副作用に間質性肺炎があります。そして、まだ感染終息の見込みがみられない新型コロナ感染症の症状の一つに間質性肺炎があります。どちらにも共通するキーワードに”免疫”があります。 がんと免疫 がんは体の中の正常な細胞の遺伝子が変化を起こして異常な細胞(がん細胞)となり、異常に増えてある程度の大きさになったとき”がん”として発見されます。そしてがん細胞は私たちにとって、細菌・ウイ

          オプジーボと間質性肺炎

          今後マスクはファッションの一部になると想像します。

          今後マスクはファッションの一部になると想像します。

          ウィルス性肺炎の治療を困難にしている理由

          一般的な肺炎は細菌性によるものが多いですが、今回の新型コロナ感染症状の一つの肺炎はウィルス性のものです。そしてその抗ウィルス薬で承認されたものはレムデシビル(注射剤)だけです。 ウィルス性肺炎の治療が難しいのは特効的な抗ウィルス薬がないだけではなく ウィルスの特性もあるのではないかと思います。 ウィルスが細菌と異なる最も大きな特徴は、ウィルス単独では増殖できないということです。すなわち 人や動物の体内に入り、細胞に侵入して(感染)細胞の機能を利用して(寄生)自分の複製を作

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          麒麟がくる のある場面。兄・信長が弟・信勝を殺すシーンがあります。親が特定の子を偏愛して起きる悲劇は歴史が教えてくれます。

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          哲学者の國分功一郎さんが番組で、新型コロナ感染症で亡くなられた方に親族が触れることも最期のお別れも葬儀もできない。このことが致し方ないことだとしても、社会がそのことに関して何の疑問を持たなくなったらおかしなことになるのではないかと強く問いかけられていました。

          哲学者の國分功一郎さんが番組で、新型コロナ感染症で亡くなられた方に親族が触れることも最期のお別れも葬儀もできない。このことが致し方ないことだとしても、社会がそのことに関して何の疑問を持たなくなったらおかしなことになるのではないかと強く問いかけられていました。

          アビガンを開発した人を知っていますか?

          白木公康 氏:1977年阪大卒。2013年富山大学医学部学科長,2019年4月から現職。専門は臨床ウイルス学。新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補に挙がっている抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(商品名:アビガン)を開発 開発者の白木氏の寄稿記事です。 白木氏はアビガンの投与開始時期について次のように推奨されています。 ウイルス性肺炎では抗ウイルス薬によって新規感染細胞の形成を阻止しても,既感染細胞からはRNAによるサイトカインを放出し続けるので,その細胞の

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