見出し画像

アビガンを開発した人を知っていますか?

画像1


白木公康 氏:1977年阪大卒。2013年富山大学医学部学科長,2019年4月から現職。専門は臨床ウイルス学。新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補に挙がっている抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(商品名:アビガン)を開発

開発者の白木氏の寄稿記事です。

白木氏はアビガンの投与開始時期について次のように推奨されています。

ウイルス性肺炎では抗ウイルス薬によって新規感染細胞の形成を阻止しても,既感染細胞からはRNAによるサイトカインを放出し続けるので,その細胞の周囲の炎症は続く。さらに,その感染細胞に対する免疫応答は成熟し強くなる。COVID-19肺炎は,インフルエンザ型と水痘型の複合的炎症による間質性肺炎と考えられるので,SARS肺炎の回復後にもみられたような線維化や瘢痕化等の後遺症を生じるものと思われる。SARS肺炎は4週目には55%に早期の線維化の兆候を認めるなど,肺の画像上に変化を残している4)5)。ウイルス性肺炎では,細菌性肺炎の治療と同じように考えないことが重要と思う。
なお,中国・深圳の病院で実施した臨床試験では,アビガン群ではウイルス消失までに4日かかり(対照群のカレトラは11日),胸部CT所見の軽症化は9日の時点ではカレトラ群と変わらないが,投与後14日目の胸部CT所見の改善率は91.43%であり,カレトラ群の62.22%と比べて有意に改善し,カレトラ群ではまだ20%に悪化を認めていた。このように,ウイルスの消失に比べ,炎症の回復まで時間がかかっている6)。
以上から,COVID-19肺炎は,約6時間で既感染細胞から新たな感染細胞を作り,1日でウイルス増殖の4サイクル分のスピードで感染が肺内で広がると考えられる。肺炎の予後は予測できないので,肺炎を見つけたら発症後6日までにアビガン治療を開始して,早期のウイルス消失と,重症化や後遺症を防ぐことを考慮していただきたい。

アビガンは承認に向けて臨床研究のもとで使われているので、新型コロナ感染陽性後のいつの時点で使われているのか、ある程度使う時点や症状が決まっているのか分かりませんが、サイトカインストームが始まってからの投与では効果は期待できなさそうです。一方 催奇性があるので妊娠の可能性のある女性は使えません。また動物実験では精子形成問題が分かっているので男性も注意が必要です。初承認の薬なので市販後、ひろく使われるようになって判明する副作用も未知です。新型コロナ感染症は8割が軽症もしくは無症状で治癒するといわれる疾患に対して、アビガンが承認された場合 どのような用法になるのか注視したいです。

♡時事に絡んだ健康・くすりの記事更新していきます❕フォローよろしくお願いします♡


サポートよろしくお願いします! 頂いたサポートは次世代のクリエイター育成のために使わせて頂きたいと思います!