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疑義照会 (アンサングシンデレラより)

アンサングシンデレラのテーマでもある"疑義照会"。薬剤師の仕事の中で、患者さんの安全にも係る重要な仕事なのですが、患者さんにも医療従事者にもあまり理解されていません。

外来患者さんにお薬渡すとき時間がかかる要因の一つにもなっていますが欠かせない仕事です。多くの方は薬剤師は処方箋をそのまま薬を揃えて渡すだけの仕事と思われてるのではないでしょうか?処方箋の内容のまま、患者さんに何の聞き取り、説明なく患者さんが問題なく服薬でき治癒していけるのが一番よいことです。しかし実際は全てがそのようにはいきません。適切でない処方の修正 あるいはよりよい服薬治療へ貢献できることに"疑義照会"があります。

発行される処方箋のうち約3%の処方箋が疑義照会され、そのうち7割が処方変更されるというデータがあります。これは平均値であり実際の現場の感覚としてはもう少し多いと思います。少しでも医学的根拠に基づいて疑わしい点があれば、患者さんの安全に係ることもあるので確認の疑義照会することも多いからです。

そして日々薬剤師はその3%強の疑義照会すべき事項を見落とさないよう神経を尖らせてるともいえます。

どんなことで疑義照会しているのか みなさんにも知ってもらいたく実際の例を紹介したいと思います。


①薬の用量 用法が違う

どの薬にも決められた用量 用法があります。処方箋の内容がその患者さんの年齢 疾患を考慮しても適切でないときは疑義照会の対象になります。例としては、

・1日の用量が超えている

・用法が違う(3錠 毎食後に服用 のところを 3錠 朝食後 →1回服用量がオーバーしてしまう)

・粉薬の単位が適切でない(gかmgか→1000倍の違いがある)

・食前 あるいは空腹時服用の用法のところを食後の用法(薬によっては効果に食事の影響を受けるものがある)

②薬の重複処方

最近はお薬手帳が浸透されてきています。そのお陰で他の病院から出ている薬との重複処方を未然に止めることできるようになりました。

病院でお薬手帳を提示しても薬が重複処方されることがあります。最近はジェネリック薬品も多く薬品も多くなってきています。また疾患がいくつか抱えていると薬の量も多くなりがちです。診療科をまたいで使われる薬もあるため重複処方も起こりえます。

③患者さんの記録(薬歴管理)上、適切でない薬が処方されている

調剤薬局では患者さん一人一人の記録(薬歴)を残しています。その薬歴には薬の副作用の記載、そこの診療科、他の診療科を含めた服用している薬の記載、毎回薬を渡す際に関する記載(例えば服薬するのに困ったことはなかったか、服薬して状態の変化はあったかなど)など残しています。そして薬を患者さんにお渡しするときはその薬歴に基づいて処方のチェック 調剤 服薬指導をしてよりよい治療につなげます。

薬歴上適切でない薬が処方になっていたとき疑義照会の対象です。例えば、

・副作用、合わなかった薬が処方されている

・別の疾患があり使ってはいけない薬が処方されている

・服薬上問題があり特別な調剤指示が必要なとき(薬を服用毎に1袋にまとめる 粉状にする)

④服薬指導のとき、聞き取った内容から処方の再検討が必要と思われるとき

患者さんに薬を渡すとき服薬指導といって薬の説明をしながら処方薬の確認もしてもらいます。そのとき、聞き取り内容 あるいは相談内容によっては処方の再検討を依頼することがあります。例えば、

・希望した薬と違うものが出ている

・指示された用法では実際、服薬続けるには困難がある

・受診のときは話せなかったが薬を飲むと体調悪くなり副作用を疑っている


以上は疑義照会の一例にすぎませんが、お薬を渡すのに時間がかかってしまう理由の一つを知って頂けたらと思います。そして多くの薬剤師は患者さんが体調が芳しくない中、病院で時間と労力を費やした後薬局にきてお待ちになってることを知っています。できるだけお待たせしないよう奮闘していることも知って頂きたいなと思います。


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