現代語俳句への旅 46 〜なにかある空〜
「 なにかある空 」
~現代俳句集~
あたらしいさいげつをまた耕すか
いままさに春日大社であることよ
ただ愛の歴史よバレンタインの日
終わっても終わらず今日の卒業式
草ばなは摘まれるままにはるの旅
町じゅうをなつかしむのが雪解よ
熊本は阿蘇をはじめののどかさよ
自動車が飛ぶというそら春めくか
卒業歌せんそうというおろかさよ
ふるさとの山ふるさとの山ざくら
あおあおと島あおあおと瀬戸よ春
父子草ゆうぐれどきがあかるいぞ
◇
うたう子のうたわない子の卒業よ
万国旗おおぞらじゅうが春めくか
せんせいにせんせいがいて梅の花
釣りびとも大きな海ののどかさよ
一人静しんとなにかをものがたり
すずめの子すずめの親の順で跳ぶ
ふるさとにふるさとが咲く白梅よ
総本山に喝がひびいてのどかさよ
ほしぞらよちきゅうひとつが遠蛙
そして灯のちきゅうとなった遠蛙
うめの香よにしにひがしに本願寺
くちびるにうた朝ざくら夕ざくら
ぼうぜんと漁夫こつぜんと蜃気楼
◇
ひばり野に一見なにもないそらよ
なにかある空ともみえず雲雀の巣
球児らの春まわりだすせんたく機
蜂の巣よ街にぎやかに灯がともり
さんじゅうは咲きでてくるか庭椿
伊予柑も山もそだてているひとよ
さえずりにはじまりおわる週末か
蟻穴を出てあおあおと安達太良山
はるの海初心がしんとあるだけよ
坂みちよ傘のしんまではるのあめ
古書店よ混みはじめたらはるの雨
突張よ負けても負けても大阪場所
明けはじめ暮れのこるまで嶺よ春
2月13日〜2月27日
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