現代語俳句への旅 18
「 降る雪 」
~現代語俳句集~
あるものはストーブひとつ始発駅
ゆめかたれそれからさきは雪の道
ふるさとがおおきくひとつ冬月よ
十二月とおくあゆんできたことよ
焼き芋屋この世のひとはすべて客
雪の空じんせいとおくとおくまで
雪だるまことしも庭によみがえれ
目つむってこたつは心羽ばたかす
餅つきは日本のこころこめてこそ
母たちのさいふにも鈴クリスマス
◇
凍てながら白いしぶきを那智の滝
ひともゆめもちって鳴門の波の花
壇ノ浦ふゆなみだけがきらきらと
もてなしの酒のあつさも火の国か
さくら島しずめるために降る雪か
行く年を笑いながらよもんじゃ焼
クリスマスツリーととおい父母と
聖なる夜祈るこころのビッグバン
じんせいのさいごは涙日なたぼこ
あかん坊の這い這いの旅春まぢか
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