現代語俳句への旅 21 ~白鳥座〜
「 白鳥座 」
~現代語俳句集~
しんねんをおおきくひらく朝刊よ
かがみ餅さかのぼること神代まで
初富士と一つになったこころこそ
初みくじ大ひだまりのなかにいま
つながっているのはこころ初電話
パスポートひとりのこらず初空へ
しずかさのはてのしずけさ三が日
去年今年へだてて暖簾いちまいよ
たき火して変らないもの変るもの
ホットティー戦争へいわそして今
◇
ロボットがひょこひょこ歩く春隣
一人生きて身にまとうのは冬の霧
都会さえすぐ草のなか冬あたたか
じんせいがとまったままの待春よ
飛び立ったいち羽そのまま白鳥座
あれからの旅これからの置き炬燵
あなたとのけんかもいずれ春炬燵
逢いにゆくいっぽんのみち雪化粧
灯の家にだけふりつづく夜の雪よ
顔あげて地きゅうもろとも冬銀河
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