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現代語俳句への旅 11


「 つづくのが旅 」
~現代語俳句集~

たましいがはるばると清む秋晴よ

バス発って落ちてきたのは桐一葉

野菊摘む天地のことば摘むように

秋遍路吹きさらいゆくさいげつよ

かかしらもともにわらえよ豊の秋

湯気たてて新米というしあわせよ

火の国のひとと雁行くそらながめ

教会へすすきのはらを行くひとか

たかだかとこころがのぼる名月よ

観月会へいわながらくつづく世で

にっぽんのおおかたは山虫のこえ

鳥わたるちいさな国のおおぞらを

かぜに聴くいにしえのおと稲穂波

親のことおもいはじめる十六夜よ

にっぽんはおおきな日なた敬老日

美術展出てゆうぞらのしずかさよ

その下でこころも紅葉しているよ

運動会かたらいつつよかえりみち

どんぐりをにぎればそらが広々と

秋蜻蛉とおくに富士がみえる日よ

ながれ星死んでもつづくのが旅か

タクシーに乗ってここから先は秋





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