現代語俳句への旅 11
「 つづくのが旅 」
~現代語俳句集~
たましいがはるばると清む秋晴よ
バス発って落ちてきたのは桐一葉
野菊摘む天地のことば摘むように
秋遍路吹きさらいゆくさいげつよ
かかしらもともにわらえよ豊の秋
湯気たてて新米というしあわせよ
火の国のひとと雁行くそらながめ
教会へすすきのはらを行くひとか
たかだかとこころがのぼる名月よ
観月会へいわながらくつづく世で
にっぽんのおおかたは山虫のこえ
◇
鳥わたるちいさな国のおおぞらを
かぜに聴くいにしえのおと稲穂波
親のことおもいはじめる十六夜よ
にっぽんはおおきな日なた敬老日
美術展出てゆうぞらのしずかさよ
その下でこころも紅葉しているよ
運動会かたらいつつよかえりみち
どんぐりをにぎればそらが広々と
秋蜻蛉とおくに富士がみえる日よ
ながれ星死んでもつづくのが旅か
タクシーに乗ってここから先は秋
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