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現代語俳句投句会 2020年 〜上半期の1句・秀作〜


現代語俳句投句会と題して、
2020年1月〜6月まで、
みなさまから作品を募集していました。


「上半期の1句」と「秀作」を
選ばせていだだきました。

以下その発表です。



現代語俳句投句会
〜2020年〜

◇ 上半期の1句 ◇

雲の峰副都心から生まれたか
悠凜


上半期の1句は、悠凜さんのこの作品に。超高層ビルがたちならぶ東京の新宿副都心。遠くから眺めてもよく目立ちます。とても現代らしい句で印象明瞭、なおかつ雄大です。「副都心」の語の選択も抜群でした。



◇ 秀作から5句 ◇

凍て蝶か病衣をさする手の無力
矢口れんと

女こそおしくらまんじゅう押し返せ
吉田翠

房総の海鳥がよぶ明日の春
吉田翠

叶わない恋ならいっそ蝶となれ
笹塚心琴

春雷ぞ身にほとばしる志
矢口れんと


◇ 秀作 ◇

凍て蝶か病衣をさする手の無力
矢口れんと

女こそおしくらまんじゅう押し返せ
吉田翠

酌み交わす 憧れの人 風花に
岸あい

凍てついた空気とかして萌える芽ぞ
悠凜

電話した南天の実がなってると
ユッキー

房総の海鳥がよぶ明日の春
吉田翠

厳しさは優しさだった春一番
笹塚心琴

百千鳥展示あらたな上野の日
矢口れんと

叶わない恋ならいっそ蝶となれ
笹塚心琴

花吹雪すべて忘れてしまおうか
笹塚心琴

花として歩いてゆけと祖母のふみ
笹塚心琴

ふるさとも涅槃も遠い西行忌
矢口れんと

ただ歩き眺めることよ花の門
吉田翠

小包をほどく笑顔に春が来る
笹塚心琴

花さそう「今の私を見ておゆき」
悠凜

鐘霞千の祈りのおりづるよ
吉田翠

春雷ぞ身にほとばしる志
矢口れんと

蜘蛛の巣も宝石になれ垂れ滴
笹塚心琴

涼あおく水鳥が舞う逆さ富士
吉田翠

なにもかもアルバムに閉じ夜の秋
吉田翠

紫陽花の国にアリスの見え隠れ
矢口れんと

青田凪ぐ千の瑞穂が向く空よ
矢口れんと

敬称略
失礼いたします

上半期投句会への
ご投句ありがとうございました

下半期の1句・秀作は明日発表いたします

Kusabue



動画製作:吉田翠さん



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