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現代俳句 〜あたらしい美意識と境地へ〜


日本古来の美意識・心の境地というものは数多いです。

雅・無常・もののあわれ・をかし・幽玄・風流・わび・さび・軽み・粋・自然美・めでたさ、等々。

時代ごとに細かくみていけば、さらに増えると思います。

和歌・能・茶・画・書・俳諧などから直に生まれたものもあれば、それらに取り入れられたもの、洗練されたものなど様々のようです。

芸道では、こうした美意識・心の境地を見出すこと・取り入れることと、それらを実際の芸や作品として具現化することが本来一対だったようです。

現代の俳句でいうと「俳句理念とその作品」にあたるでしょうか。

現在でも、俳句結社の多くが様々な俳句理念を掲げていて、その理念に基づいて日々作品が詠みつづけられています。

noteで個人的な俳句活動をしていくなかで、下記のことを作品にあらわす取り組みを少しずつ進めてみようと考えています。


「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

【ものごとの花】を詠む

「花」は、能楽の世阿弥が説いた「花」の概念を俳句に取り入れ、活かしていこうという試みです。

1つ1つのものごとの「花」を詠むといったことです。

「花」とは、人が心で観じる花、春夏秋冬すべてのものごとの花、花と咲いた姿、まことの花、めずらしさ、おもしろさ、新鮮さ、もっとも大切な見せ所・勘所など。


【沈黙の美】を詠む

「沈黙の美」は、作品内であれこれ語らず、むしろ黙ることによって生まれる美を探っていこうという試みです。

もの言わない文芸である俳句本来の「沈黙」を活かしきるといったことです。

「沈黙の美」とは、作者が一歩引いて黙すこと、作品内でものを言わずにもので示すこと、言わずに伝え、語らずに伝えること、そこからにじみ出てくる美、など。


【内的宇宙】を詠む

「内的宇宙」は、外的な宇宙空間だけでなく、人間とその暮らしや山川草木の内にふと感じる宇宙を探っていこうという試みです。

心が大宇宙とひとつになる瞬間、また万物のなかに感じる宇宙を詠むといったことです。

「内的宇宙」を詠むとは、この世界との直覚の対話、言葉にはできない言外の感覚・世界を作品の内に込めること、など。

3つとも目新しいものではありませんが、現代語を基本にした現代俳句で、まずはこれらから順々に探っていきたいと考えています。

俳句において「美意識・心の境地」と「作品」は車の両輪だということ、また現代でもそれらの探求に真剣に取り組まれている方々が少なくないということに、遅まきながら気づけたことは個人的に大きなことでした。



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