![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13903039/rectangle_large_type_2_093eb9f304767fd24b6f1655268fa5db.jpeg?width=800)
Photo by
sorasagano
現代語俳句への旅 9
「 とおざかる香 」
~現代語俳句集~
スカイツリー空新涼ということか
街にいてこころは風のすすきはら
鳥わたる国さかえてもほろびても
かお上げて香につつまれる金木犀
靴のおとどのじんせいも霧のなか
ほんとうのかおはひとつよ鏡の秋
生きること死ぬこと天の河のした
かわらない村にかわらず小鳥来る
◇
目つむって天上を聴くひぐらしよ
あらいあげた墓のかなたの終戦日
死者たちも見ているみらい終戦日
どのひともいつか火となる流灯よ
ひゃくねんののちは我らが大文字
客のこえひぐらしのこえ主のこえ
バスに乗りとおざかる香よ金木犀
大ぞらがあっけらかんと台風あと
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?