【ショート・ショート】Y君
北村さんには”目に入れても痛くない”孫、Y君がいる。
Y君は今年から幼稚園に通うそうだ。
入園式から帰ってきたY君。北村さんは心配気に、
「どうだ、楽しかったか?」と尋ねる。
「うん」
「友達はできそうか?」
「うん。ケンちゃんとサキちゃんと友達になった」
「ほう、もうできたのか。偉いなあ」
北村さんはY君の頭を撫でる。
「先生は、女の先生か?」
「ううん」
「じゃあ、男の先生だ」
「ううん」
えっ?
嫁を見ると必死に笑いを堪えている。
「じゃあ、誰?」
「おばさん!」
どうもこの愛すべきY君には、『男』と『女』の他に『おばさん』という第三の分類があるようだ。
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