9月5日(火)第一回高専マテリアルコンテスト キックオフイベント が終了しました
2023年9月5日9時30分より久留米工業高等専門学校 材料評価実験室に集合し、第一回高専マテリアルコンテストのキックオフイベント2日目を開始しました.まずコンテストのレギュレーション、評価点を学生にも相談しながら、確認と修正しました。
10時より自由鍛造実習体験を行いました。
鉄の硬さや加工の大変さ、色で温度がわかることを味わってもらうため、佐世保高専と鈴鹿高専、久留米高専の学生ともタガネを作成しました。近年人気アニメの影響からか皆さん、鍛造体験を大変興味深く行っていました。
まず、コークス炉で鉄が光るまで丸棒をあたため、火箸で取り出します。その後、鉄の表面についている酸化膜をアンビルに擦り付けて落とします。火箸で支えながらハンマーで叩いていきます。
当日その場でまずエアハンマーで丸棒を四角柱に加工してもらいました。
この鍛造体験では、NIMSの津崎先生や佐世保高専の西口先生、佐々木も参加しました。(見ていたら、自分も叩きたくなったので叩かせてもらいました)熱いうちの鉄を叩いても、反動はハンマーにきませんが、鉄が冷えると、叩いた反動がハンマーに返ってきます。今回のイベントの狙いである、鉄による衝撃吸収を感じることができました。
850度程度まであったまった鉄を叩くと、叩くたびに表面の新しい酸化膜がとれていきます。冷めとだんだん色が暗くなります。そして叩く音も冷めるとどんどん高くなります。
叩き始めると、どんどんこんな形にしたい、あんな形にしたいと感じるようになります。ただ、鉄を20回も叩くと、握力を使うようで手が痛くなります。ボーリングの次の日みたいです。
水分補給や適宜休みをとりながら行いました。鍛造室の中はサウナのように熱く汗を流しながら作業しました。(←ぶっちぎり世界で一番物理的に熱い夏、はここからきています)
当日特別ゲストで、久留米工業高等専門学校の機械工学科の学生さんが自由鍛造で鉄フライパンを作りたい、と言うことで、フライパン造りをしていました。技術職員の先生は、エアハンマーを使うこともおすすめしたそうですが、本人の希望でハンマーを使った自由鍛造をしているそうです。
汗びっしょりで作業していましたが、とても充実した様子でした。
午後は13時半から佐々木助教より衝撃試験の説明があり、その後、高圧機器分析室にて計装化シャルピーを使った衝撃試験体験を行いました。
衝撃試験は鉄(S25C)、アルミニウム(多分6000系)、木をそれぞれ試験片形状に加工して行いました。実は、佐々木もアルミニウムと木材の衝撃試験は初めてでした。
鉄は液体窒素で冷やすと音が高く変わって、衝撃を吸収しなくなります。アルミニウムは冷やしても全然音が変わりません。木はどれだけ頑張るんだ?!と思ったら割り箸おったみたいな音がしました(そりゃそうだ)
津崎先生もアルミニウムが壊れる音は初めて聞いたと感動されていました。学生に破面の面白さ、不思議さを教えてくれました。
またこの体験では他高専のみならず久留米高専から参加していた学生も行い、初めて見る機械や聞く音に驚いており、大変興味深くいろんな角度から観察していました。
14時30分からはシャルピー衝撃試験で、鉄はどんだけ頑張っているのかを体感すべく、一キロから五キロまで重量可変の砂袋を使った衝撃体験をしました。株式会社 東京測器研究所 福岡営業所の方も見学にこられました。
久留米工業高等専門学校の材料システム工学科が大変お世話になっている吉利用之先生に相談したら作ってくれました。
砂袋が5キロともなると衝撃もかなりあります。これの5倍の衝撃を鉄はあの小さい試験片で請け負ってくれるんだな、と思いました。(衝撃試験のハンマーの重さは26キロです)
最後に閉会式で佐々木より閉会宣言。大盛況のうちにこのキックオフイベントは終了しました。
様々な人の協力があり、キックオフイベントは大きな怪我もなく終了しました。学生さんのアンケート結果を確認しましたが、1日目2日目ともに大変好評でした。
次回は、10月頭に各高専に丸棒を支給したら11月2日大分県の別府コンベンションセンターにて開催されるKOSEN水素フォーラムで中間発表です!
こちらは昨年の水素フォーラムの動画
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?