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トヨタシエンタのデザイン解析#3〜あの歌舞伎顔にはとんでもない計算がある!?〜

目次
はじめに
後ろ姿はデザインの総まとめ!?
後ろにもあるあのガーニッシュ
車の構造が発信する“強さ”とは?
シエンタデザインの技③:あの隈取りメイクの驚くべき効果!?
シエンタのデザインの技④:前後ガーニッシュのスーパーコンボ
お疲れ様でした。あなたは偉大です。

はじめに
 トヨタシエンタについてのデザイン。前回からだいぶ時間が経ってしまいましたが今回が最終章。今回もシエンタの魅力をデザインから解いていきます。愛を込めて。ややこしいことに、シリーズ記事の途中でシエンタは旧型になりました。現行2022年夏に最新型の3世代目に切り替わったのです。うかうかしているうちに時は流れて旧型になってしまいました。その旧型も最後まで販売台数は衰えることなく有終の美を飾りました。2代目シエンタのデザイン解析記事もこれで最後です。それでも相当の個体がこれからも残っていきます。街を彩る2代目シエンタの印象に、少しでも彩が与えられたらと思って書き上げます。

後ろ姿はデザインの総まとめ!?

前回に続いて、例の歌舞伎顔と呼ばれる根源である樹脂パーツをガーニッシュと表現します

 こうも大量にシエンタが街を走ると、1回はシエンタの後続に着いたことはあると思います。
実は自動車の中で最もじっくり見られるのは後ろ姿だったりします。車間とった状態ならば遠巻きに一つの焦点でその全体を抑えることができます。信号待ちで止まれば、至近距離で要素それぞれに焦点を当てて観察ができます。
 過去のMazda3の記事の中で展開した、衝突回避を想定した危機管理としての車の観察は後ろ姿を観察するうえで必要はなくなります。車としては、フロントのデザインには目撃者にそれ相当の推進力がある事を瞬時に理解してもらうための表現が必要です。けれど既に衝突の危険が無い後ろ姿は、車の印象が『総合してどうだった』のかまとめを補助するような役割を担っていると思われます。従って注意を引く必要が無い分、目撃者にしっかりと、この車のデザインの要は何か語りかけるような手堅い装いを備えている気がします。
 シエンタ、リアにもあのガーニッシュがいます。フロントでマスカラ涙の様なライトから流れる黒い縦長のパーツ。見る人には口説い印象だったのかもしれませんね。自動車の理屈では意味不明なパーツが前後にくっ付いているのですから。それでもシエンタにとってはそれだけ大切なデザインメッセージを込められているのでしょう。前後のガーニッシュの存在の根底にある理屈は何か、丁寧に紐解いていきましょう。

後ろにもあるあのガーニッシュ
 現行シエンタの前後のガーニッシュはマイナーチェンジで廃止されるだろうと噂されていました。車の機能として必要ないし、ややコンサバなトヨタのデザイン傾向から解釈が難しかった。それでもきっちり現行モデルと共に完走を果たせました。
 フロントのガーニッシュと同様に、ライトの際から輪郭をなぞりながら下ってタイヤ付近で、習字のとめの様な、墨汁の溜まりの様な状態になってからそのまま底で一本に繋がるー。
 外装に用いられる黒い無塗装の樹脂の多くは、擦り傷が付いても目立たない様にするためで、特別見栄えを優先しない営業車などに用いることが多いです。キツキツな隙間にぶつけながら縦列駐車をする欧州では小型車にまだ必要な機能としてデザインされている場合もあります。でもシエンタの場合は、これもフロントと同様にそんな機能を果たせなさそうな位置に垂直に伸びています。縁石に擦ってしまった場合には、無慈悲にガッツリ水平に塗装が削がれていくでしょう。
 じっくりシエンタを真後ろから見ると、車の骨格構造(鉄板)が後ろ姿の輪郭にほぼまったく現れていません。構成物であるウインドー、ライト、そして例のガーニッシュがボデーの輪郭を隠しています。人間で言えばコートやダウンを着ている状態。おおよその体系体格はわかるけれど、おなかが出ているか、筋肉質かやせ型は計り知れない。唯一リアライト上に、サイドから流れてきたショルダーラインの絞りがうかがえます。

車の構造が発信する“強さ”とは?
 いずれの車の場合でも、後ろ姿は後続に着けば遠巻きにも、近くにもじっくり観察できます。衝突回避の観察が必要ない分、じっくりその車を考えることができます。『実のところこの車はどうなんだ?』。ブランドマークと車種名も目に入ります。単なるワゴンやミニバンのカテゴリーとしての認識から踏み込んで、個の車としての魅力を評価する絶好のタイミングになります。
 シエンタは前述のとおり、車の構造であるボデーの鉄板をバックショットの輪郭に触れさせていません。ボデーの構造が隠されている。もしかして、車としての“強さ”が図り知る事が難しい車なのではないでしょうか。
―スポーツカーでもないのに、強さなんて関係あるのかー。そもそも強さって?―
 人がモノを見つけたとき、それの境目やつなぎ目を観察して正体を判断します。ただの白い紙に見えたとしても、その切り離された端部によってその重さや大きさを判断できます。紙が貼られた厚紙、鉄板もしくはベニヤ板かもしれません。端部の切り離された材質の切り口の模様によって、材質の他にそのモノの性質や役割もわかるでしょう。
 車の場合は、例えば、側面からどのように後ろの平面まで連続して繋がっているのか。外装と骨格を透かせば、長方形の空間に整然と並べられた機械の集合です。それを覆う骨格の鉄板の角がゆったりとカーブを描いていれば、塊感のあるデザインと言われたり。凝縮した力を持った印象を与えます。それだけで構造として強い印象を与えることができるのです。
 わかりやすい例として、ティッシュボックスを想像したとき、6面をつなぐそれぞれの辺は鋭利な直角ではないでしょうか。薄い厚紙がなせる張りのある綺麗な折り目。簡単につぶせることは想像できます。一見するだけで決して剛性のあるものではないことは伺えます。一方で、高級なお菓子などが入っている箱は、角がカーブを描くように、もしくは厚みがある様に構成されていたりします。処分するとき簡単には壊せない。『そんなの高級だから手の込んだ装飾が施されているのは当たり前』だと切り捨てられる?。いや、その判断だって、高価だからそれだけ大切に扱われなくてはいけない事は潜在的には認識していることになります。それに価値のあるものを守る箱はそれ相当の頑丈な性能を備える必要があることを暗に示しています。裏腹に見かけだけの装飾の域を出なくても、その装飾の手段として“頑丈そう”な印象を与える方法をとっている事は多くあります。この一連の認知は、自動車の鉄板の曲げ、つまりボデーの構造にもあてはめて考える事ができるのです。
身を任せてもいいのか。乗用車の機能として、乗員を快適に安全に運ぶ強い構造になっているのか。この理論はドイツ車の骨太な質実剛健デザインも説明が付きます。小型車であれ、アウトバーンの高速域でも余裕を持った性能を期待させるデザイン。車が基本的に持つ走行能力がボデーにきちんと反映されているのか、これら“強さ”をデザイン上で探る作業が、面と面が交わるバックショットの観察で実現するという事です。
エンジンルームが無いバックショットは、車という構造体と乗員の関係を素直に写します。どの様に高速で走る危険な構造物を乗用車として表現しているのか窺い知るチャンスなのです。
 ではシエンタ。その構造物のシルエットはウインドーとライトの間を残してほとんど構成物(ウインドーとライトと例のガーニッシュ)に置き換わっている。じゃあ、例の強さとは感じられず、乗用車として不完全な仕上がりかといえば、別に普通に見られる仕上がりです。実は構造物が与えるはずの印象を構成物で補うだけでなく、見せたい様に操作している巧みな技をあのガーニッシュが担っています。

シエンタデザインの技③:あの隈取りメイクの驚くべき効果!?
  やっと本題。あの隈取り。リアガーニッシュの機能ですが、前振りが長かったので本章ではどどんと箇条書きに出して見ます。
・どっしりタイヤアピール
・リアガーニッシュはフォトショップ効果?
・2つの箱の重なりで重量感をコントロール

一般的なミニバンが抱えるデザインにおける難しさです
下半分が痩せてしまう、広範囲に広がる構造構成が、”走行性=タイヤ”から遠ざけて、そのマスが重さを意識させます
ガーニッシュがタイヤ位置への視線と意識を誘導します。またフォトショップの様に違う要素を移植しています。お見事!
視覚的に訴えてくる重さの積み重ねも、それよりも目立つガーニッシュが強力に作用して印象のコントロールをしてきます!!

・どっしりタイヤアピール
 例のガーニッシュは本来箱の側面と、ハッチドアで蓋をされる後面の交わる辺と置き換わる様に縦に流れています。横長のリアライト際から流れる様に降りて、一部墨汁の溜まりの様に厚みを持ったあと、ボデー底で連結します。まるでUの字で囲う様にデザインされています。
ここで注目して欲しいのは下部の溜まりの部分です。そのすぐ裏のボデー構造内側にはリアタイヤが収まっています。縦横ほぼ正方形のシエンタ、成人女性ほどの高さのある箱にタイヤを付けたバックショットでは、乗用車としての魅力を訴求しにくいのです。
過去の記事で書きましたが、車が魅力的に映る一つに、タイヤの内側に低い位置に重心が据えられている事です。ボデー構造を変形できないミニバン、シエンタは相対的にタイヤの存在を意識付ける事で車の基本性能が十分あることを表現させています。それを裏付ける様に反射板がその溜まりの上に構成されています。後ろから観察する人の視線を奪って、タイヤ付近に印象的な構成があることを積極的に印象付けています。
 思い出してください。スポーツカーは薄っぺらくて、タイヤの周りにしか構造物と構成物がありません。当たり前にタイヤ周りにしか視線が動かないことになります。シエンタの様に高さがある車なら、見せたい所に視線を集める様な構成を取れば、結局のところ、スポーツカーと同じ様に、機動力に直結するタイヤとその周りの印象を強くさせることになります。
 リヤライトから連続させたガーニッシュも効果を示します。自動車にとって最重要な構成であるライトとタイヤを結ぶことで、文字通りその関係を強く意識させます。スポーツカーの場合、物理的に必要な機能が近くに配置されていることでライトに視点を当てていてもタイヤの存在も認知できます。シエンタの場合は距離があって一目では認識する事は難しいです。それでもライトに視点があっても、ガーニッシュの連携によって常にタイヤの存在を意識させることに成功しているのです。その逆で、タイヤ付近に意識が入っていても常に接続されたライトの存在が介入していきます。ミニバンはその容積と表面積ゆえに構成物が散漫していて、車としての基本的な走行性が訴求しにくいデザイン上の不利があります。けれどもシエンタは、対面した際の人間の認知機能を逆手に取って、うまく乗用車としての走行能力を持っていることを自然に刷り込んでいます。
・リアガーニッシュはフォトショップ効果?
シエンタの左右のリアガーニッシュによって囲われたリアハッチのプレスラインを見て見ましょう。ナンバーを保持する中央付近をゆったりと凹ませて、緩やかなくびれをみせています。これはリアガーニッシュがないと実現できなかったデザインです。本来ならばこれだけの大らかなくびれを自然に箱の表面に表現するためには2回りくらい大きな骨格構造がないとできません。左右の側面との関係に無理が生じてしまうところを、リアガーニッシュで文字通り断絶させてから、その間にフォトショップさながら別のデザイン要素をはめこんでいます。斜め後ろから見た場合、側面のタイヤフェンダー周りの膨らみをガーニッシュによって切り落として、リアデザインとの関係を阻止しています。よくよくすれば相当不自然な一部分ではありますが、その前にガーニッシュ自体の存在が独特で注目してしまい、骨格構造としての不整合さを問うことまで思考が及ばないのです。それに斜め後ろという視点自体が、街で車を見る際にかなり限定的です。
 そしてその効果ですが、シエンタ本体よりも大きな車両の面構成を得ることで、真後ろから見た際の車の重量感の補正が行われます。本来のシエンタの物理よりもどっしり、背丈の割に重心が低く構えている様に見えるのです。
 それだけでないシエンタのデザインのすごいところは、そのフォトショップで押し込んだ面が不自然に見えない様に、真後ろから見たガーニッシュの幅で調整しているところです。5ナンバー車両の絶壁に、本当はもっと大きな車両のグラマラスなバックショットの一部を切って貼り付けています。縦に流れるガーニッシュの上流を細く、下端のタイヤに近づくほど幅を太くしています。切り取り元の車が持つ重心が低い状態を補完する様に、面が持つくびれに合わせて、あたかもシエンタ自体が凹凸のはっきりした車両の様に錯覚させています。下端が太く強調することで、前述のタイヤを意識させる役割とシナジー効果を発揮させていることも見事です。
ボデー上部、リアウインドーが骨格を覆う様にサイドまで回り込んでいる点もその効果を補完しています。もしウインドーがリアの骨格構造の中に収まって、本当のシエンタの構造がリアショットに露出してしまうと、一気に実寸法を意識させることになります。せっかく外寸の大小に頼らずイメージでシエンタの機動力を表現している下半分のデザインに水を差すことになります。
 小型の箱ミニバンのはずなのに、後ろから見るとタイヤ周りが豊かに迫り出した、がっしりとした体格に見える様な錯覚を起こしています。実際は絶壁にもかかわらず、です。
・2つの箱の重なりで重量感をコントロール
リアガーニッシュの効果はこれで最後です。これまで比較的近くで見た場合の効果でしたが、これは遠巻きに、一つの焦点でシエンタのバックショット全体を捉えられた際の印象の操作になります。このシエンタのデザイン論の初期、シエンタは既存のミニバンらしくないことに触れました。ミニバンなのにフロントウインド脇に三角窓を持たない点です。バックショットからも、ただのミニバンではなく、一つの小型乗用車としての意思を感じさせるポイントがあります。
 シエンタの後ろ姿を遠巻きに捉えると、大小2つの長方形の箱が重なっている様に見えます。黒いガーニッシュとライトが表現する大きな長方形の上に、やや小ぶりの長方形の黒いスモークの掛かったウインドーの長方形が乗っています。この関係は通常ミニバンでは見られない装いです。
 あの有名な初代トヨタヴィッツ、欧州的と言われるスズキスイフト、そしてあのVWゴルフのバックショットは2つの大小の箱が積み上がった様な装いを持っています。絞り込まれたショルダーラインによって上下に分つスタイリングは、魅力的なハッチバックデザインの基本です。下半分の長方形が比較して分厚く幅が広い方がよりスポーティで、機動力の高さをデザインから醸し出します。
そういえば、シエンタのバックショットの中で、骨格構造が露出しているのはショルダーラインだけです。結構キュッと緊張感のあるボデーの絞り込みを表現しています。絶対寸法で見れば背の高いリアハッチですが、結果ガーニッシュによって区切られた箇所は分厚く、そこに収められたグラマラスな凹凸のあるパネルはなんだか幅広く見せます。スポーティなハッチバック車に求められる要素を満たしているのは偶然でしょうか。

シエンタのデザインの技④:前後ガーニッシュのスーパーコンボ

同じ寸法でも、輪郭をはっきりさせるだけで全然違いますね。前後どちらからも感じられる効果です。

 これで本当の最後です。ああ長かった。これまで前後のガーニッシュによるデザイン上の機能を別々に説明してきました。記事のフィナーレにふさわしく、この前後に離れたガーニッシュが連動して見せるデザイン上の技を記して終わりにしたいと思います。
 簡単に言えば、『とびだせ!シエンタ!』です。ふざけてません。まじめです。シエンタは3列ミニバンの機能を最大活用するには小さく非力です、一方でコンパクトカーとするには鈍重で大きすぎます。ただ、その特徴をうまくデザイン上で昇華させている優れた点があります。あの例のガーニッシュです。ただ今回はガーニッシュが見えない時にその効果が発揮されている点を挙げます。ポイントは斜め前後からシエンタを見た時です。前から見た時は後ろのガーニッシュ。後ろからは見た時はその逆。実際の寸法よりも“凝縮”させてみせています。小さく見せているのではないのが味噌です。
 ガーニッシュは大胆にボデーの構造を切り取った端部に組み込まれています。一般的な車ならば箱4面を結ぶ辺が、大らかなカーブでなめされているはずで、その流れがスムーズなほど塊感のある現代的な滑らかな車になるはずです。シエンタはミニバンの性質上容積を犠牲にできない範囲で丸みをもたすことができて、初代シエンタの場合はそれは箱とも、機動力のある乗用車とも言えないほんわかデザインになりました。今俎上に上がっている2代目シエンタはその4辺のつながりを、骨格構造上デザインでどう表現することもなく。代わりにガーニッシュをぶち込んでいるわけで、斜め前後から見るとその切り立った端部がくっきり輪郭を残しています。そう、このくっきりした輪郭が、シエンタの奥行きを削り、凝縮感を与えています。
 物が遠くにあるほどその輪郭がぼやけていきます。逆も然り、輪郭がボケていればそのものは遠く、もしくは奥行きのある広大なものと判断されます。もしガーニッシュがなくて滑らかなカーブで表現されていたら、ぼやっとした輪郭になります。それが特別悪いわけではないのですが、シエンタの場合は前述の通り寸法バランスによる不利が大きい。そのものの大きさは変えられないのならば、斜めから見た時にタイヤの外の輪郭を引き締めて、重心がタイヤの内側にあることを表現することを選んだのです。極め付けは、凝縮した佇まいを印象付けた後に側面を見せることで、ボデーの長さを爆発力を持って印象付けることができます。事実、シエンタのルーフラインは、弓形に大胆で伸びやかで美しいです。ショルダーラインもグラマラスなラインを、グッと抑え込んだフロントから力強く跳ね上げてます。それがシエンタの自動車としての機動力、躍動感につなげているのです。

お疲れ様でした。あなたは偉大です。
 過去の記事にまとめた様に、自動車は人間よりも絶対的に大きく、それを捉えるにはあらゆる角度で観察して、頭の中でつなげる必要があります。雑誌では1つの焦点で捉えられていた物が、実際はそれだけの工程を必要とするのです。同じであっても実物が与える印象は全く違うと言えます。シエンタは、確かに紙面や広告で見た時はその隈取りの様なガーニッシュにびっくりさせられました。けれど街で実物を見ると、なんだかこれはこれでいいんじゃないか、という思いにさせられた人は多いと思います。人の見え方の仕組みを使って、印象を組み立てていくデザインの力を見た気がします。
 2代目シエンタは先日7年の量産を終えました。3代目シエンタはなんとなく初代を感じさせる装い。キャンプブームを背景にしたツール的側面を打ち出すのに、初代のデザインテイストの方が親和性が高かったとも言えます。これまでのデザイン解析からすれば、乗用車としての新しい形を提案していたシャープな2代目のデザインはその役目を十分果たしたとも言えます。7年前を思えば、純粋に車の利便性や役割を求める、サブスクやちょいノリ制度が今の様に普及するとは想像できませんでした。車を所有することはまだステータスシンボルとしての側面が強く、シエンタのカテゴリーに対する“傍流感”“中途半端感”はその実力を蓋をする様に存在していた気がします。ホンダフリードと共に小型ミニバンの市場を盤石にした功績は素晴らしく、その7年があったからこそ、新しいデザインに思い切って振ることができたのだと思います。次の7年はどうなるのでしょうね。楽しみです。ひとまず2代目シエンタ。お疲れ様でした。あなたは偉大です。

次回予告:まだ決まっていない。なにがいいかな〜?

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