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黒龍家、私の代で途絶えるってよ

この家の存命は私にかかっているらしい。
これは謝ることなのだろうか。


昼下がりの午後。

数少ない親類同士がめずらしく集まって何をしゃべっているのかというと、”お墓”に関して。


関係ねえやとぼーっとしていたら
いきなり名前を呼ばれた。

「お墓をよろしく」とのこと。

我が黒龍家、
親世代まではなんとか墓守できるんだけど、
子ども世代(私)で途絶えるんじゃないか問題があるらしい。

そして眷族の中では私が一番若い。
今後、お墓を引き継ぐのは自然と私になる。

つまり、私が子孫繁栄に加担しなかったら
この家は終わるのだ。

「私と同世代っていったら、いとこもいるよ。」
「ソッチは子供あきらめてるみたいだから。」


どうやらいとこ達、バリバリの独身貴族。

マンションも買って老後のための資産を積み立てているらしい。


だからよろしくね、最後の頼みの綱だから。
みたいなこと言ってた。

みんな冗談っぽかったけれど(そう思いたい)
結構深刻な問題だ。
なんだか身近な社会問題に直面した感じ。


親たちも不安なんだろう。
彼らは、老いた。いつどうなるかわからない。

我々子どものこともそうだけど、自分たちの終の棲家がどうなっていくのか心配なんだろう。


名がある家でも、代々引き継いできた目ぼしい伝統もない家。

それでも私の代で後継者がいなくなり、
無縁仏とかになったら、後悔するんだろうか。
罪悪感を感じるんだろうか。

背負っていくのは歴史なのか、墓なのか、先祖代々のタマシイなのか。


よくわからないけど、
今は墓終いとか、永代供養とか
時代に合わせたお墓の在り方が昔よりもある。

幸か不幸か、私自身は「お墓を残す」とか「受け継ぐ」
といった事柄に関してのこだわりは何もない。


お墓に関しては今後何かしらの進展があるかもしれないし、まだ先の話。
結婚や子供も、どうなるかわからない。

だから、私の人生。
これからも自分第一に生きていく。

最後まで読んで頂きありがとうございました!