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自転車操業の末路とは?

やぁ、いらっしゃい。いつも来てくれて嬉しいよ。

記事を書き始める時、ある程度時間をまとまって準備する。
速攻書き上げれば20分、ずるずるいけば1時間。

私の知っている領域から外れると途端に時間を食ったりする。
とはいえ、知らない領域って伸び代多いから手を出しちゃうんだよ。

今日はそんな製造業のお話だよ。

製造業とは。


製造業と言えば範囲が広いよね。

素材を加工して、一つの商品として造り上げるものは基本的に製造に分類される。

家の中を見れば、机もあれば、棚。テレビやエアコン、カーテンや布団。
モノって沢山あるよね。

テクノロジーの進化によって、多くのモノが生産され人々の生活に貢献するようになり、人の生活は豊かになる。使用者としてはどんどん新しく、便利でかつ安いものが手に入ればこんなありがたいことはない。

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この製造業、日本の市場規模の約20%を占めるほど経済の根幹を支えている。約113兆4000億円。桁違い過ぎて想像付きづらいよね。

モノづくり大国として、戦後の日本を大きく押し上げてきたこの産業。一部では衰退を囁かれることもある。

考えれば分かる部分もあるけど、それでも新商品が沢山登場する。
過去の栄光か、未来の寵児か。

中小企業の人材あるある。


Y氏はとある金属加工業で働く男性。

会社としてはそこそこの規模で、大手とは言えないが零細とも言えない。
自社工場も複数持ち、相応の機械を保有することで専門性の高い仕事も請け負うことが出来る。

特にやっている部門は、というと結構多岐に渡る。
というよりは人手が足りていないところに適宜配置されている印象を持つ。

基本的には営業職として、客先を回ることもあるが、忙しい時期は検品にも回るし出荷配送にも回る。社内何でも屋だ。

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中堅の会社になると、社内にオールラウンダー的なポジションであれこれと仕事を任される立場の人間が結構いる。

その作業量は想像を絶するが、他に出来る人材がいないという点で変わらない状況を強いられいている印象がある。

Y氏に限らずの話だが、ある程度出来てしまうというのは業界柄稀有な存在だ。人材管理、プログラムまでできれば上位層にまで入る。

エリートに見せかけたブラック労働。
ただ、会社全体としてはホワイトな体質ではある。ややこしい部分が一箇所に集中しているだけの話だ。

製造の工程。


業歴も古く、会社の実績もちゃんとある。

固定の売上見込として、ある程度大きな受注を定期で発注してくる大きな企業だって複数いる訳だ。

日本のビジネスモデルだと大体がコレに当てはまると思われるが、受注を受けたら作業分担が入る。自社で行うタスクもあれば、ある程度下請けに回すタスクも計画する。

この下請けに回す際、複数の企業がついている場合は更にどの企業にどの分量。いつまでにどれほどのクオリティで行うのか。

といった指示書の制作を行い、滞りなく手配する。

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この下請け側にも色々と社会的事情が交錯するのが、日本の製造業衰退を揶揄される闇の部分かもしれない。

工業地域という工場が沢山立ち並ぶ区画が存在する。
その一帯では、新旧問わず金属加工業などの小規模工場が沢山ある訳。

工場の中に足を踏み入れると、独特な金属臭が漂っている。
コレ、どの工場でも似たような匂いがするので興味があったら行ってみてくれ。まぁ、ないと思うけど。

作るものは決まっている。


工場によって、設置している機械に違いがある。

あの工場なら、これだけの金属を板に出来る。サイズも精密に製造が出来る。
あの工場なら、定形であれば速やかに量産が出来る。
あの工場なら、前の依頼が数日で終わるので、その後これだけ依頼出来る。

工程管理は大事で、金属加工をお願いする場合だと、素材となる金属の塊などはY氏の会社が用意し運び込む。完成品を回収するという流れ。

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完成したパーツはまた次の工程で使われたり、それ自体が依頼品ということもある。

流れ作業が円滑であればあるほど、経済が回る。

とは言え、人が動き、機械が制作するという業界。
人も老化には耐えられず、機械が劣化に耐えられない事も多々ある訳で。

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10年単位でこの仕事に携わっていると、今の発注で閉めるという工場だって結構あるそう。

後継者不在や資金の目処が経たないことが理由ということも多い。いつまで続けるか分からないのに高価な機械の入れ替えも難しい。

担当との関係で成り立っていた業務も、なり手のいない業界だとよくある話。引き継げる下請け先も視野にいれて活動する必要だってある。

ここが多かったら多かったで、振り先の競争が発生して価格による争いになる。一層衰退へ道が開かれる。悪循環。

大衆は求めている。


製造業全体が衰退しているのかと言えば、決してそうではない。
率先してイノベーションを起こしていく企業は投資と売上向上を実現する。

『製造能力の低下』
『職場の安全確保』
『変化対応力の強化』

の三点が課題として大別できるそう。

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まぁ、上から振ってくる仕事を処理していることを当然の業務にしていると、いきなり状況が変わった時に対応出来ないし普通にありえるよね。

AIの進化で工場の管理工程が人の手によることなく進められることで、企業は大きくコストカットを実現。納期の短縮などにも期待がかかる。

逆にそこの余波で仕事を失う人たちも多くいるのだろう。
いつだろう、昨今現実味が帯びてきた未来予想図。もう遠くない。

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少子高齢化と人口減少から、売れる母数は今後減る。
それでも、より便利で快適な商品を大衆は求める。

人としての労働力は多くを求めない将来。
製造業として労働力になりたがらない若手。
真面目で労働を探し充てがわれる外国人技能実習生。

矛盾も抱えながら、不安定な将来。大丈夫なのかこれ、と傍目からそう思う。

これから。


Y氏はドライな考え方を持っている。

どうあれ、日本は動きが遅く徐々に首がしまっていく業界の事も理解している。
それと同時に会社規模、取引先件数、下請け寿命、新規獲得状況。

データをしっかり集計する。
既に逆算で自身の引退まで、生き残れるかを計算しているそう。

誰よりも一生懸命頑張っているが、そこに愛はない。

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あなたの業界の未来はどうだろう、私も人のことは言えないが業界自体が失速することはまだないとは思う。

失速するとすれば業界ではなく、個々の会社単位だ。頑張らねば。

暗い話題が中心になる話だけど、新製品などは常に我々を感動させる。
製造業が終わることはない、ただ不必要に広げてしまった風呂敷を畳む時期に来ているのかもしれない。

今はただ、静観するばかりだ。

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ここまで見てくれてありがとう。

楽しんでもらえたら最高です。
いつも来てくれることの感謝を禁じえない今日この頃。

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それでは、また。

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