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「パッション」 拙著 詩集・暗き淵より 激しい轟音と共に俺の意識は上昇し、発光に包まれ、失神した。 俺の全細胞は霊光に焼かれた。名状し難い至福と苦痛によって俺の意識は変 容した――― 狂おしい覚醒が灼熱した・・・・・・ 心身はのたうち、俺は苦痛の極限状態の甘美に痺れた。 地上を超えた絆が俺を捕らえては引きずり、粉々にした・・・・・・ 俺の眼前に殉教者の亡霊共が嵐の如く容赦無くまとわりついた。 俺は両極の拷問を熾烈に味わった。避けがたい運命に俺は呪縛された
「殉教 」 生も死も変容にすぎぬ。これを言い切る者は この世では死者となる。 意識自体は不可知なる実体であり、一切は意識である。 変容する意識の意識化、これが我々の生である。 一切の現象は比喩にすぎぬ。 全てを相対化して惰眠を貪り眠る者よ。 電光に打たれよ。雷鳴に怯えよ。 さては無の恐怖を味わえ、底無しの絶望を、孤独を、絶する悲哀を・・・・・・。 愛を知らぬ者共よ、自虐を存分に楽しめ。 地獄などは序の口だ、無明などとは笑止! 狂気とは眠りの夢、夢の眠り、自
いろ(イ) ひといろいろありいろいろありひといろにまみれいろにまじれどいろをしらずひといろをみずいろをきらいきらいひたるをしらずいろをきらうひとのいろいろひたりてひたるをしらずいろくるいていろきらうかなしみていろをきらえどはなるることなしはなるるはいろをしらずいろをしらずいろをしらずねなしうきたるひとひとびといろいろありていろのいろしらずひいろのひいろのかなしみのいろひかんらくかんのいろいろ ひといろいろいれどまさにいろいろいれどいろのなかひいろのなかおのずからはいるひと
「いろは歌」47文字に込められた世界観 いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせすん 「色は匂えど散りぬるを我が世誰ぞ常ならむ有為の奥山今日越えて浅き夢見じ酔ひもせず」 「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」 (涅槃経第十四聖行品の偈)の意を和訳伝承。(広辞苑より) この内容は「色即是空空即是色」と同じ意識状態である。 世の推移するあらゆる感覚的現象から解脱し、またこの感覚界に於いて敢えて生存
「ふみくるひ」 ふみくるひたるひとひにひびにされどこれいかむともいしがたきものあり されどこれさだめとしるひとやむことなしやなすやこれいかむともしがた きものなれば よよのながれにうきつしづみつつらつらつれづれしつようにふみくるひにひ たひたりいりいるほかなしやとふみくるひひとやむことなしやむることなし やをひをふみをくるひかきかきまくるひなり
「奇妙なる光景」 おれの眼前に繰り広げられる奇妙な光景が奇異に感じたのを今では薄れた記憶のなかにしか見いだせぬのはこれこそ奇異なことではないかとも思うのだがそれすらも自分の記憶なのか現実に見たものであるのかの境界が曖昧模糊とした状態であるのは今のおれには確かめるための基準すらあやふやなのでただ眼前にあいもかわらず定かならぬ形やら動きやら色いろなるものらの様々な音調とも軋みと
私の妊娠経過は、10カ月間通して概ね順調なものでした。ただ一つの出来事を除いては…。タイトルにもある通り、妊娠初期(14週)で子宮筋腫が見つかったのです。子宮筋腫自体は、それほど珍しいものではありません。(気になる方は自分で調べてみてね)ただ、その発覚の仕方が、私史上最大にヤバかったのです…! 今回はゴールデンウィークに私を襲った悪夢のような出来事を振り返りながら、時系列を追って皆様にお届けしたいと思います。 《注意》私が見聞きしたことを記憶を頼りに書いていますので、医療
「親殺し」オイディプス的体験(「自叙伝」より抜粋。) これは私が24歳の時に体験した現実の事件である。前後の詳細は省くが此の事件の意味を私は2年後に強烈な内的神秘体験を通して理解した。 併せて個人史と人類史が密に連動しているのも、である。 私は言葉を必要とした。此の時から他者との交流の為に言葉の世界に踏み込んだ。 私は言葉を用いるにあたり骨格は哲学、肉付けは心理学、様々な状況での人間との処し方は文学と。極限状態の意識状態で片っぱし読み漁った。 如何なる著作もタイト
2018年10月15日。 友人とともに株式会社アカイノロシを設立した。 現在の事業内容は、「タイコーヒーの輸入・卸売・小売販売」である。 さて、アカイノロシ設立からちょうど二周年を迎える2020年10月15日。 ついに、アカイノロシ初の実店舗「Laughter」をオープンする運びとなった。 振り返れば、「実店舗を持ちたい」という思いは1年以上前から密かに抱いていたものだ。 今年の春にはあと一歩で契約までこぎつけたテナントがあったのだが、新型コロナウイルスの感染拡大という予
青年 炎に包まれ身悶ええする奇妙な動きは甘美なリズムにも見えた。 未成熟な魂にとってこの世界は自分の為にあると思えた。 何もかもが未知であり、自分には無限の可能性が開かれていると。 あらゆるものに貪欲で不屈の意志と強靭な体力を備えた青年に恐れというものは無かった。 彼は野望と理想に燃えていた。 ある日、彼の眼前で子供が死んだ。 瞬時の、誰にも救えない轢死であった。 遮断機は降り、金属音が鳴り響いていた。 彼の反対側から転がるようにふいに子供はくぐって
「黒衣の女」 地獄の業火は全てを焼き尽くすと不気味な笑みを浮かべた。 荒涼とした焦土に黒い人影が立っている。 黒ずくめの衣を着た女である。 女は焦点の無い虚ろな眼差しを虚空に向け、微動だにしない。 やがて、闇の帳が全てを包んだ。 漆黒の闇に幽かな調べが流れた。形容し難いもの悲しい音色である。一時の、瞬きほどの時間に…… 錯覚かもしれない。無音と闇の中ではよくあることだ。 時間すら定かでないこの空間では何もかもが曖昧模糊たる夢幻の出来事である…… 闇に