黒リス

ニューヨーク生息中の人間の皮を被った黒リスと名乗る生き物。好きなことは、食べること、寝…

黒リス

ニューヨーク生息中の人間の皮を被った黒リスと名乗る生き物。好きなことは、食べること、寝ること、たまに走ること。動物大好き。2021年2月末にシニアの保護犬コーディが旅立ち、現在、犬のフォスター(里親)ボランティアを経て出会った、おてんば娘のくるみと暮らしています。

マガジン

  • 乳がんサバイバーのつぶやき

    2014年大晦日に乳がん告知を受け、2015年元旦から、がんと向き合う人生に。 全摘・再建・抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン治療とフルコース治療を経験し、生き延びている自分の気づきをご紹介。

  • エッセイ:ぜんぶ

    愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。

  • エッセイ:わんこの話

    先住犬ミルキー、そして、シニアの保護犬コーディにまつわるストーリー。 わんこの不思議な力をたくさん感じます。

  • 保護犬くるみと私の物語

    フォスターボランティアで出会った生後2ヶ月らしい仔犬のくるみ。犬を飼うのは3匹目だというのに、くるみのお転婆ぶりに翻弄され、悩みながらも、一緒に成長していく(はず)の物語です。

  • エッセイ:走る話

    ランナー、走る事にまつわるストーリー

最近の記事

健康と天気の話題ばかりなんですが

中学生ぐらいの頃、(多分)50歳過ぎの大人たちの立ち話の内容が、健康か天気の話ばかりだと気づいた。 「どこどこが最近痛い」「これが効くらしいよ。」か「今日も一日中雨だって。」「今年は梅雨が長そうだな。」と言った会話だ。 なんて中身のない会話を繰り返してるのだ。 もっと、有意義な話題があるだろう。世界情勢や政治、仕事、そして、恋愛を含む人間関係の悩みなどなど、いくらでもあるだろうに。 歳を取ると、経験や知識が増え、人間として深みが増し、話題ももっと興味深い、面白いものになる

    • パーフェクトドッグ・理想の犬

      30代になり、初めて、自分だけの犬を飼った。 ずっと不定期なスケジュールの仕事から、土日休みの会社員となり1年が過ぎ、この会社に長く勤めそうだと思い、飼う決心がついた。 子供の頃から動物が大好きで、いつも、犬、猫、鳥などを飼っていたが、大学から一人暮らしになり、ジプシーの如く、引越し、転職、それも、社会人になってからは、海外でそれを繰り返すような生活をしていた自分がペットを飼うなど言語道断だと自覚していた。だけど、ようやく、落ち着きそうな自分の人生となり、犬を飼う勇気が湧いた

      • Tree Society@Central Park

        ほぼ毎日、セントラルパークに行っている。 愛犬くるみの朝の散歩は、大体、同じ時間帯。そうすると、同じ顔ぶれが出来て、いつしか、挨拶をし合うようになり、時には、立ち止まりおしゃべりをする間柄になったりする。 その中には、セントラルパークのガーデナーやグランドキーパー等、草木の管理やメインテナンスをする人もいる。 先日、そのグランドキーパーから、とても興味深い話を聞いた。 彼に、何気なく、どうしてこの職を選んだのかを聞いたら、「自分は、大学で植物関連の勉強をしていた。」との事。

        • 理想の旅、現実の旅

          家族旅行に行った。 「キャラバン、キャラバン、目指すはコロラドだ。」 と、大はしゃぎの相方。そう、相方はNYCからコロラドまで1800マイル(= 2880キロ)を、車酔いをする愛犬くるみも連れて、レンタカーで往復の旅をするつもりなのである。Googleマップでは、ノンストップで片道26時間予想である。ちなみに、休暇は6日間。片道2日掛けても、コロラドに1泊出来るから、そこでくるみを連れて、山に登る。なーんて、夢の計画を立てていた。 まぁ、面白そうな計画ではある。 という

        健康と天気の話題ばかりなんですが

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          24本
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          208本
        • 保護犬くるみと私の物語
          37本
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          115本
        • エッセイ:走る話
          52本
        • 本の話
          8本

        記事

          あれこれ考えず、とにかく、遊べ

          6月といえば、くるみ(愛犬)が生まれた月。 でも、くるみは保護犬なので、いつ、どこで生まれたかは謎。 私と出会った8月24日の方が、記念日としてしっくりくる。 ※3年前のくるみと私の成長期はこちらから↓ それはさておき、くるみは今月3歳になる。人間の年齢では28歳ぐらいだそうだ。あの、からだは超小粒なのに、怪獣の子供か?!ってぐらいお転婆で怖いもの知らずの仔犬だったのに、すっかり、お姉さんって年齢じゃないか。確かに、最近は、誰彼かわまず、飛びついたり、犬同士で、はしゃぎまく

          あれこれ考えず、とにかく、遊べ

          Let's Go, FRNY!

          6月はLGBTQ+ Monthというわけで、私が2016年から所属しているランニングチーム・フロントランナーNY=FRNY、について書いてみよう。 このフロントランナーNYというランニングチームだが、LGBTQ+のランナーが中心のランニングクラブ。しかし、自分たちが差別されてきた側として、差別をしないことがモットーなので、シスジェンダー(=ストレート)のランナーは勿論のこと、全ての年齢、全てのランニングレベルのランナーがWelcomeなのである。 ちなみに、私は、シスジェ

          Let's Go, FRNY!

          その曲に救われる

          背筋が冷んやりとした。 一昨日は、年に1度受けるマモグラムとウルトラサウンドの日。2015年に乳がんのフルコース治療後は、それこそ、結果が出るまで不安な時間を過ごす。だが、治療から5年が過ぎ、9年目となる今まで、特に問題なく過ぎてきたので、少し気を抜いていたかもしれない。 「去年11月に受けた両胸のMRIの結果から、インプラントを入れた右胸に何かが写っているので、ウルトラサウンドをするように指示があったわ。今回は右胸もウルトラサウンドをしますね。」 ウルトラサウンドのあ

          その曲に救われる

          時代の曲

          最近、令和時代の曲ばかり聴いている。 え?それって当たり前のことじゃない? って、思うかもしれない。でも、私にとってはそうじゃない。 平成になってすぐにカナダ・アメリカに渡ってきた私は、平成の音楽をほぼ知らない。だって、当時はネット配信なんて存在しなかったし、日本のTVもNHKを契約しないと観れなかったし、そもそも、アメリカに興味が向いていて、日本の曲をわざわざ聴こうなんて気がなかった。 だけど、YouTubeやiTuneが私を変えた。 期待せず、”どれどれ最近の日本の流行

          時代の曲

          後悔が自分を作る

          最近、”後悔”も悪くないな、と思うようになった。 昔は、この↓心理カウンセラーさんが言うように、「後悔する暇があれば、反省して、前に進め」と思っていた。 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/faa25ce9b425a171be401376cca59651d1339e41 (記事抜粋) 「反省」は、「改善点を探るため、過去の行いを振り返り、もう一度考えてみること」という意味です。これに対し「後悔」は、過去の失敗から改善点を探ろ

          後悔が自分を作る

          必要な時にある出会い:2冊の本のご紹介

          本が、今、自分に必要だった答えのようなものを与えてくれることがある。 今、感じているモヤモヤとした何かが心に燻いていた時など、”ああ、そうか、そうなんだ。”と思わせてくれる一文があったりする。 そんな時に思うのだ。 本とも出会いだな、と。 最近、2冊の出会いがあった。 多くの出会いがあったとしても、その多くは、読んでいるときは、ワクワク、ハラハラ、ドキドキしたりするが、さっと私の心を通り過ぎる。 だけど、偶に、じっくり一文、一文を噛みしめるように、なぞるように、読ま

          必要な時にある出会い:2冊の本のご紹介

          誰にも奪われないもの

          これはうちの教育方針だったのか分からないけど、中学生ぐらいから、お小遣いは、新しい学年に進級するタイミングで親と交渉する慣わしであった。例えば、週に何回購買部で100円のパンを2個買うから、月にはいくらになる。本代は年間どれぐらい(去年の実績を踏まえ)になるから、月割だといくら、洋服代は年間いくらぐらい等の予測を明記し、よって、今年から月額のお小遣いはこれぐらい必要なる、と予算を提出し、親からもあれこれ質問を受け、承認されたら、その額になるという具合だ。 ”欲しい時におねだり

          誰にも奪われないもの

          月子とケイタ・それでいいのだ。

          「彼女とは終わりにしました。彼女は、普通に結婚して、子供を産む人生を生きるべきだと思ったし、いや、これは詭弁ですね。自分が逃げた、怖くて逃げたんです。酷い奴でしょう?だから、ずっと独身。誰とも深い付き合いが出来ずにいる。自分は親がいなくて自由に生きられると言いながら、ずっと、親が分からないことに縛られているんです。」 そう言って、ケイタ君は、顔を伏せた。涙を堪えているのかもしれない。 子供を産めなくなった女と子供をどうしても作れない男か・・・。 月子さんは、妙な可笑しみを

          月子とケイタ・それでいいのだ。

          月子とケイタ・親という存在

          月子さんのアパート近くの商店街の一本裏に入った小道にあるカジュアルなイタリアンのお店。混んでもなく、ガラガラでもなく、いつも1、2テーブルが空いているお店は居心地が良い。 「もっとちゃんとしたお店にお連れしたかったんですけど、すみません、ソラと暮らしてから、食べ歩きとかめっきりしなくなって・・・。」 「分かります、分かります。犬を飼うと、生活がガラッと変わりますよね。」 そう、価値観も。 月子さんは、この15年で、自分の価値観がまるっきり変わったことを実感する。時間とお

          月子とケイタ・親という存在

          月子とケイタ・そんな始まりもある

          ケイタ君と電話で話してひと月後、月子さんは犬に触りたくて、触りたくて、たまらない禁断症状に襲われ始めた。 ああ、あの温もりが恋しい。 いてもたってもいられなくなり、ケイタ君に電話して、週末ボランティアに登録した。最初は、犬舎の掃除、そして、餌やり。慣れてきたら、散歩も任されるようになった。暴れん坊女将軍のソラを手懐けただけあっって、月子さんは、どの犬にも冷静に、そして、辛抱強く、温かく接し、気がつけば、どの犬達も月子さんが大好きになっていった。 月子さんも、次の週末が待ち

          月子とケイタ・そんな始まりもある

          スカイとマルコからの”月子とケイタ”

          ソラがお空の星になってしまってから、気がつけば3週間が経っていた。 添い寝をしていたら、その時が来たら絶対、気づくはずだと思っていたのに、月子さんは、自分がぐーぐー寝ている間に、ソラが旅立ったことに、ショックを受け、最初、自分を責めまくった。 遺灰となって、部屋に戻ってきたソラを、自分もソラを真似て食べようとしたが、なんとなく、ソラに止められている気がして止めた。その代り、遺灰をソラの目の色と同じ真っ青な小瓶に入れ、写真と共に、ベッドサイドテーブルの上に置いた。ずっと、添い

          スカイとマルコからの”月子とケイタ”

          スカイとマルコ(33)・いっしょに

          あたしはすぐに分かった。 あの車に乗っているのはケイタ君。空気に漂う一瞬の気配で気づく。 あ、車のドアが開いた。ほらね、やっぱり、ケイタ君。あのホカホカの太陽みたいな膜、ずっと、変わりない。 人間はルックスが変わることに一喜一憂するけど、もっと大事なことがあることに気づいていないみたい。 ケイタ君の陽だまりの膜があたしは大好き。 月子さんの透明な膜は、あたしと出会った頃は、ひんやり寂しそうだった。 でも、今はキラキラと輝く膜に変わっている。 そして、その膜に変わったのは

          スカイとマルコ(33)・いっしょに