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エッセイ:走る話

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ランナー、走る事にまつわるストーリー
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記事一覧

Let's Go, FRNY!

6月はLGBTQ+ Monthというわけで、私が2016年から所属しているランニングチーム・フロントラン…

黒リス
3か月前
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ライバルは誰だ?

レースは一生懸命走るのが好きだ。 折角、必死になる時間にお金を払っているのだから、と思う…

黒リス
1年前
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自分もまた戻る

つい先日、ランニングシューズの変貌・進化の話を書いた。 ランニングシューズの変化に合わせ…

黒リス
1年前
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厚底から薄底へ、そして厚底へと時代は巡る。

「よくそんな鉄下駄みたいなシューズ履いてんな。」 2011年3月にハーフマラソンを確か1時間40…

黒リス
1年前
9

ショートストーリー:猿は振り向かない

僕は本当に平凡な子供だった。 読書が趣味だったから、勉強は得意って程でもないけど、普通程…

黒リス
1年前
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「ショートストーリー」:空の森➅

ランニングから戻ってきた無数(かずなし)は、妙にスッキリした顔をしている。無数にとって、…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(26歳・X性)#2

「で、どうだったのよ。」 アパートに戻るなり、素良(そら)が聞いてきた。素良は、一緒に生活する友達のようなパートナーのような、一言で言えば、世界で一番心地良い関係者だ。2年前に知り合い、ああ、こんな生き方が出来るんだ、と感銘を受け、生まれて初めて、素の自分を見せられるようになった相手。 そう、僕は、最近はカテゴリー分けされるようになった、アロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的感情も抱かないタイプ)ってやつらしいく、素良と知り合ってそれを自覚した。そんな素良は、

「小説」セントラルパークランナーズ(26歳・X性)#1

あれから(が気になる方は↓こちらから)一馬さんとよくセントラルパークで遭遇し、チャットラ…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(70歳・男性)

いつの間にかNYに着て45年も経っていました。正直、いつ自分がこんなに歳を取っていたのかと思…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(55歳・女性)

私の羽は折れてしまったのかしら。 5年程前までは、それこそ、”飛ぶように走る”と言われて…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(45歳・女性)

あら、4時間切っちゃった。 夫に、”運試しに申し込んでみたら”と唆され、半分冗談で申し込…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(36歳・男性)

今日の俺はイケる。気温もマラソンには丁度良い少し寒いぐらいの7度。ペースは予定のマイル8分…

黒リス
2年前
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「小説」セントラルパークランナーズ(43歳・男性)

彼のガッツポーズを喜べない自分がいた。 半年前まで俺が彼にランニングなるものを教えていた…

黒リス
2年前
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小説「走る、繋がる、生きる」第1話

【歩子@東京】 「歩子(あゆこ)、今日もマラソン?よく続くね。」 スポーツバッグを持って、いそいそと退社する歩子の背中に、同僚の麻友が声を掛けた。 “マラソンじゃなく、皇居の周りを走るだけだけどね。”、という言葉を飲み込み、笑顔で振り向き、「まあね。」と答えた。 日本人は、走る事が、全部、マラソンという言葉になるのは何でだろう? マラソンとは、42.195キロの距離のレースのことだけを指すのに。 16歳まで、親の仕事で海外と日本を行ったり来たりしていた歩子は所謂帰国子女