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ドラマ『知らなくていいコト』野中の闇落ちを考察してみた。

今期のドラマは『知らなくていいコト』にいちばんハマっている。

ネタバレになってしまうけど、第8話は主人公・ケイト(吉高由里子さん)の元恋人・野中(重岡大毅さん)が闇落ちする回だった。

野中くんのクズっぷりに、横で見ていた夫が声を荒げていたのが意外だった。確かにクズだとは思うけど。夫は、こういう奴がいちばん嫌いだと言っていた。

確かに、ケイトの父親が犯罪者だと週刊誌にリークしたのは良くない。絶対にダメだと思う。でも、そうやって、闇落ちしていく野中の気持ちがわからなくもないのだ。

 

ケイトに「父親が犯罪者かもしれない」と打ち明けられた野中。最初は受け入れるものの、よくよく考えた結果、「犯罪者の子どもとは結婚できない」とケイトに別れを告げる。

野中最低って思ったよ。私だって。
でも、それはテレビの向こうの出来事だから言えることだ。

リアルだったら私は、ケイトの元元恋人・尾高さん(柄本佑)さんのように真っ直ぐ受け入れられるだろうか? 野中最低って思えるのはフィクションだからで、そんなの綺麗事だって思う。

この時点で私は、野中はストーリーが進むにつれ改心するに違いないと思っていた。

加害者家族に対する差別のようなものは社会的にも問題になっているし、加害者とその家族は切り離して考えるべきだという声も少なくない。

自分の中にある差別心に気付き、葛藤し、最終的にはケイトと共に生きていくことになるはずだ。だって尾高さんは既婚者だもの。尾高さんとヨリを戻すことはない。

重岡くん、ずいぶん難しい役どころなのね。
頑張って。

 

………と思っていたのに!!

おい野中!!!
なんで闇落ちしてんだよ!!!

 
 

でも、話を戻すけれど、野中が闇落ちしていく気持ちがわからなくないのだ、私には。

「父親が犯罪者だから」という理由だけで、プロポーズしたにも関わらずケイトを振った。野中だって本当はこんな自分最低だって思っているでしょう。

罪に問われるような悪いことを何もしていないケイトに対して差別心を抱いてしまう自分。
あんなに好きだったのにたったそれだけで別れてしまう自分。
しかも母親を喪ったばかりの彼女に対してなんたる仕打ちをしてしまったんだろう……。

罪悪感に苛まれて、苛まれて、だからこそ、誰かに肯定してほしくて。
そう、野中は、自分がケイトと別れたことを誰かに肯定してほしい気持ちでいっぱいなのだ。

でもこんなこと誰にも言えない。
そうだ、元カレの尾高さんなら知ってるかも!
きっと、尾高さんもそれが原因で別れたんだ!!

なんて、尾高さんに肯定を求めるも、「お前最低だな」とバッサリ切られてしまう。

最低………
やっぱり俺、最低なんだ………
と思う気持ちはなきにしもあらずでしょう。

だけど、責められることでまた、「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!!」と自分で自分を肯定する気持ちが一層強くなる。だって誰も受け入れてくれないから。自分で肯定するしかない。

 

そのままケイトとは「ただの職場の同僚」くらいの関係に留めておけばいいものの、仕事でガンガン活躍し、依然として尾高と親しげなケイトへ、だんだん憎しみの念を抱き始める。

親が犯罪者なのに、なんであんなにうまく行ってるの??
自分はこんなに苦しめられてるのに??
おもしろくない!!!

(しかも、ケイトから仕事の協力要請があったりするから余計感じるのかもしれない)
(しかも、自分は大して仕事で成果をあげているわけではない
(しかも、新しい彼女がめちゃめちゃ仕事ができて、みんなに頼りにされている。しかもケイト関連の仕事で笑)

全ての引き金は「親が犯罪者」なんだとは思う。
それさえなければケイトと上手く行ってたから。
自分の醜いところにも気が付かなくて済んだから
そう、全ては「親が犯罪者」のせい!!!

面白くない気持ち、ケイトへの憎しみもあって、とうとう週刊誌にケイトの秘密をリーク。

会社のみんなも、これで自分と同じ反応(ケイトへの差別心)をするはず!!!

………と思ったのに、違った!!!!

 
 

岩谷編集長の華麗な手さばきで、今後の対応を支持。それに従う社員。ケイトを差別する人は誰もいなかった。

そらそうですよ。ケイト、仕事もできるし、文章を書く才能もある。何事にも一生懸命だし、真実を求めることに貪欲。まじで記者オブ記者。みんなケイトの仕事ぶりや中身を理解し、尊敬していたからこその反応。

ここで野中はまたさらに絶望するわけですよ。
自分はなんて器の小さい人間なんだと。
しかもこんなに大事になっちゃって。
ちょっとケイトに痛い目を見せたいだけだったのに。

そら床這いつくばるわ。
だってもう後戻りできないし。
それに罪悪感でいっぱいですもん。

でも、尾高さんに殴られて、罪悪感とか全て吹っ飛んじゃう。だって尾高さんは圧倒的に正しい。自分の至らなさも全て見透かしていることでしょう。
だったらもう、言うしかない。

「尾高さんと真壁さんの不倫がバレたら、もっと大変なことになりますから!!!」

捨て台詞です。
これにて闇落ち完了。

 

野中にとって、尾高さんの正しさは苦しいだろうなと思う。本当は自分がそうあるべきだったわけだから。自分にはできなかったその正義を目の前にしたら、もう辛くて苦しくてたまんないだろうな。

 

 

………というのは全部私の考察なので、あっているかどうかはわかりませんが。

どうですか?この考察。
正解は来週の野中くんが教えてくれるのかな笑?

ケイトの出生の秘密とか、父親の犯した罪とか、少しずつ謎が明らかになっていくストーリー展開もすごく面白いし、と、同時に倫理観を問う社会的な話でもある。
(さらに同時に、週刊誌の記者というお仕事にもクローズアップされている)

今期注目のドラマだな〜〜と個人的には思っています。もちろん、私自身もライターという仕事をしているので、ケイトのネタに対する執着心や、出来事をどういう切り口で記事にするかといった所も注目しています。

ただひとつ、難点をあげるとすれば、尾高さんとケイトの不倫かな笑

不倫についての倫理観を問うというテーマもあるのかもしれないけど、尾高さんがめちゃめちゃケイトを好きすぎるから、何で別の人と結婚したの?って思ってしまう。不自然

ケイトのお母さんから父親の秘密を直々に打ち明けられた時点で、ケイトを守ると決めた尾高さんが、そうやすやすと他の人と結婚するわけなくない?笑

不倫はケイトを追い詰めるための装置、というか、罪ではないけど世間的な罪を追わせるための装置なんだろうとは思うけど………。

尾高さんのキャラ的には納得いかない笑

 
 

そんなわけで、野中くんの闇落ちの考察でした。
来週も楽しみにしています。
全然違ったらすみませんw

おやすみなさい。

なつみ

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