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私が『無肥料栽培家の岡本よりたか氏は、本当は自家採種していないのでは?』と疑っている理由

無肥料栽培家・採種農家を自称している岡本よりたか氏について、私なりに調べたところ以下のような不自然な点を見つけました。
◆どれだけ検索しても、自家採種している様子を確認できる写真や動画が見つけられない。
◆ツイッターで写真や動画が見つけられないことを指摘しても返答がない。
5月27日に直接聞いてみました】が6月9日の時点で反論はありません。直前まで頻繫に更新されていたのに、疑問点を指摘して以降はパタリと更新が止まっています。
◆種子は常温保存すると発芽力が失われるので冷蔵する必要があるが、ネットで公開さえている写真や動画では明らかに常温保存されている。
◆岡本氏の栽培方法は生産性が悪すぎて農産物の販売で生計を立てているように思えないし、実際に彼の農産物を購入したという話しも見つけられない。
◆講習会やセミナーの参加費がかなりの高額であり、おそらくそちらの売り上げが収入の大半を占めている。
◆Twitterのプロフィールに農家とは書かれていない。
などです。

今の時期(4~6月)はカブ類(蕪・チンゲンサイ・小松菜・白菜・水菜など)や大根が開花したり、実ができて種子を収穫したりと、コンテンツ的に面白い出来事が起こる時期です。しかし岡本氏のTwitterやインスタグラムにはそのような写真は一切出てきません。本当に自家採種していればですが、普通は投稿するよね。

次に【こちら】や【こちら】の背景に移り込んでいる、瓶詰になった種子をご覧ください。家庭菜園レベルですが自家採種をしたことのある私にはこれらが不自然に思えてならないのです。

野菜を収穫するのと違って、種子を収穫するのは大変に手間のかかる行為です。例えば大根であれば大きくなったら一斉に収穫するだけです。しかし自家採種する場合はそうもいきません。

根の色や形などを確認しながら種子を収穫するための親株を選抜する必要があるため、機械を使って一斉に収穫することができないのです。手作業なので時間も手間もかかります。選抜後は親株を別の場所に植え替えて、さらに6月ごろまで育てる必要があります。その間は換金用の作物を栽培できないので確実に収入が減ります。

要するに自家採種をすると『コストアップ&収入の減少』のダブルパンチになるのです。なので自家採種を前提とした場合、農家としては一度に数年分の種子を収穫して、その後は貯金を切り崩すように何年もかけて利用したいと考えるはずなのです。

しかも種子は生き物であり常温では長期保存できません。作物の種類にもよりますが、大豆の場合は常温で1年が限度です。これを踏まえたうえで先ほどの写真や動画を思い出してください。どう見ても常温保存であり、長期保存ができないんですよ。

会員同士で『タネの交換会』をやっているようなので、そのネットワークで収集した種子なのかもしれません。しかし、そうだとすると『私は自家採種農家だ』とする彼の言葉が信用できなくなってきます。

毎年、自家採種をする場合の問題点として、
①異常気象や台風の直撃で種子の収穫ができない危険がある。つまり、遺伝子を途絶えさせないためにも種子を冷蔵保存するメリットは大きい。
②自家採種を繰り返せば他品種との交雑や突然変異によって遺伝的に品種が劣化しやすい。

という問題があります。つまり必要以上に自家採種を繰り返すのは『在来品種を守る』という彼の活動目的とも矛盾しているように思います。在来品種の保全だけでなく品種改良も目的としているならば、毎年の自家採種(選抜育種など)には意味があります。

しかしその場合は「改良前と改良後で、何がどう変化したか」を記録する必要がありますから、自家採種の写真(特に母本選抜の写真)が出てこないのは尚更に不自然といえます。

さらにこちらの2018年12月の【種どり用のナスの収穫、畑で枯れるまで放置する】という動画。カラカラに枯れたナスから種採り(自家採種)用として干乾びた実をもぎ取る岡本氏の姿が映っています。←この映像も私は不自然だと感じます。

こちらは私が【19年に自家採種】をした時の写真です。

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ご覧のようにナスの実は完熟するとヘタの部分から分離して地面に落下します。その後、数日ほどで種子の周辺から組織が崩壊して液状に溶けるものなのです。したがって12月まで種子用の実がナスの木にぶら下がっていること自体が不自然なのです。私が持っている実は溶け始めており少々熟れ過ぎではありますが、それでも1枚目の写真の右奥の状態まで熟させた方が確実です。

つまり何が言いたいかというと「木が枯れるまで放置してあるような実は未熟であり、そのような未熟な実から収穫した種子では実用的な発芽力が期待できないのではないか?」ということです。

さらにネットに公開されている岡本氏の畑の様子や栽培方法を観察すると、明らかに生産性・作業効率が悪いです。無肥料や無農薬や草勢栽培(雑草と共生する栽培方法)は、かねてより生産性が低いと言われています。そのことを承知で、より高価格で農産物を購入してくれる客がいれば商売として成り立つ可能性も充分にあります。しかし岡本氏のやり方は余りにも非効率すぎますし、実際に彼の農産物を購入したという人の話も見つけられませんでした。

何より彼のTwitterアカウントのプロフィールにも農家とは書かれていません。これらの状況からして彼は農家でないと判断して差し支えないでしょう。

では、『農家でないならば彼はいったい何者なのか?生活の糧をどのようにして稼いでいるのか?』という疑問が湧いてきます。私の調べた結果からすると、彼は30万円近いセミナー(複数回分の合計)や、講演料(数万円)を主な収入としているようです。漏れや重複があるかもしれませんが【単価×募集人数】で単純計算すると数百万円はそちらで稼いでいると考えられます。【セミナー情報のリンク

勘違いしてほしくないのですが、私は講演会や高額なセミナーで稼ぐことを悪いことだとは思いません。こちら【就農希望の人へ、農業が儲からないと言われる理由を説明するよ】で書いているように人間が農業(食料生産)をやる時代は終わりだと考えています。

人類は農耕を始めて以来、何千年間も食料生産のために働いてきました。365日、一生涯のほとんどを何世代にもわたって食料生産に費やしてきました。しかし、これからは違います。テクノロジーの進化によって食料生産という苦痛から解放される時代がやってきたのです。
―中略―
これからの農業は売り物の生産は全て機械に任せる時代であり、広い畑に機械でブワァー!っと植えてガガー!っと収穫するだけです。人間が食料生産のために必死に働く必要の無い時代なんです。食料生産は機械に任せて『人間は本当に自分のやりたいこと』に専念するべきだと思います。

したがって農業をコンテンツ化して、それで稼げているなら素晴らしいことだと考えます。

ただ「あなたは自家採種農家じゃないですよね?」とツッコミを入れているだけです。彼が自家採種農家を自称して、それを信じてお金を払っている人がいる。あるいは彼の言葉の信ぴょう性の根拠として自家採種農家という言葉を真に受けている人がいるならば、それは話が別ってことです。

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