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東証1部上場基準厳格化とESG

東京証券取引所は2018年11月より上場市場構造の見直しを始め、同12月にパブリックコメント募集を実施、募集は2019年1月末で締め切られています。以下の記事のとおり、東証1部上場基準の見直しが最大の焦点となっています。

記事内にもある通り、最上位市場に2,000社超が上場していることは他の先進国とは異なり、東証1部上場企業を絞る、もしくは東証1部の中でもさらに厳しい基準をクリアした企業のみの新たな最上位市場を創設するとの案が出ています。

現在のコーポレートガバナンス・コードは全上場企業向けに作成されたものですが、最上位市場上場企業であれば、人的・金銭的な資源がその他市場上場企業に比べて豊富にあることを前提として、より高い水準を求められる可能性があります。またESGについては東京証券取引所が2017年12月にSSEイニシアティブに参加するとともに、2018年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂において、第3章にESG情報の開示について表現が追加されたことから、統合報告書の開示についても踏み込んだ基準が設けられる可能性も想定できます。

企業価値レポーティングラボによると統合報告書公表企業は2019年2月現在で414社まで増加し、その傾向は継続しています。記事にある通り、仮に最上位市場を時価総額1,000億円以上とすると、約620社まで絞られ、さらに統合報告書公表も要件とすると、ロンドンプレミアム市場の500社程度に近い上場企業数となります。

パブリックコメントを受けたさらなる検討を経て、懇談会による提言が早晩公表されるものと思われます。どのような内容となるか見守りたいと考えています。


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