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西郷さんが見たかも知れなかった富士

「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧

隆盛の弟、従道の邸宅跡、目黒川崖線ポイントの一つ

 今回の場所は前回の目黒元富士ポイントから歩いても行くことができます。こちらは駅から遠いので、もし探索する場合は元富士からここ、さらに次回のポイントまで行って池尻大橋駅から帰るのが効率がいいです。

 最寄り駅は渋谷駅ですが、歩くと20分ぐらいかかります。今回のポイントは西郷山公園。その高台の部分ですので、距離的には池尻大橋駅も同じくらいの距離ですが、そちらからですと最後に急坂を登らないといけません。
 旧山手通りに面した入口から入り、芝生の広場を抜けていきます。すると奥に大きな石碑があります。「西郷山公園の由来」という解説が書かれています。

西郷山公園の由来碑

 この碑の下側に石畳の遊歩道があり、その崖側の柵の外に「冬の富士の眺め」という案内板が立っています。その先を見ると、天気が良ければビル群の上に富士山頂上付近が浮かんで見えます。

 近年建ったと思われるマンションで、手前の丹沢山系部分はほとんど隠れて見えませんが、見ている場所が崖地の上なので、うるさい電線などが一切ないのがいいです。この崖地は目黒川が作る谷の斜面で、実は北沢八幡、目黒駅そば、目黒元富士と紹介してきた富士見ポイントも皆この崖の上です。次回紹介する場所もそうです。目黒川はちょうど南東に向けて流れており、富士山の方向が見晴らしの良くなる地形なのです。

 さてこの西郷山公園という名が気になりますが、これは明治の大物政治家、西郷従道の邸宅があったためです。この邸宅は大変広く、西郷山公園だけでなく、崖下にある菅刈公園やさらに周辺も含んでいました。元は江戸時代の岡藩中川家の下屋敷だったところです。
 この邸宅は政争で下野していた従道の兄、西郷隆盛が中央政界に復帰した時のためにと用意したと言われています。もし西郷が西南戦争で亡くならず、東京に戻ってきて先の富士を眺めていたかも知れません。

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