見出し画像

富士の全貌が楽しめる坂の上など3連続ポイント

「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧

目黒駅周辺は「富士見坂」ラッシュ

 今回は目黒駅周辺の富士見ポイントをご紹介です。なんと三つの坂の上からそれぞれ違った富士山の様子を見ることができます。贅沢な街です。

 まず最初は目黒駅を降りてすぐ、江戸時代から有名な坂の行人坂(ぎょうにんざか)です。近年できた東急の駅ビルから地上に出ます。目の前が目黒通りで左に権之助坂がゆるっと降って行きますが、この坂は江戸時代に行人坂の急坂を避けて切り開かれた比較すると新しい坂です。
 行人坂は権之助坂のもっと左、三井住友銀行の脇へ入っていく坂です。斜面を真っ直ぐに降っていくためかなりの急坂で旅人は難儀しましたが、こちらの方が古道です。
 この行人坂の方へ入ってすぐ、杉野学園に向かうドレメ通りへの道が分かれるあたりの歩道上から坂の向こうをみてください。左右のビルの隙間が開け、真ん中に富士が見えます。右側の裾野が新しくできたマンションに切られていますが、それまでは東京から見える富士山の全体像が全て見えていました。電線などもほとんどかからず、しかも坂の線上に見えるのでなかなか印象的な姿です。

 行人坂という古くからの名前がありますが、立派な「富士見坂」です。歩道の脇には案内板があり、ここに江戸時代は「富士見茶屋」があり、「夕日の岡」と呼ばれていた、とあります。江戸時代から富士景観の美しい場所として知られていたのですね。

 さて続いては駅の方に戻り、目黒通りと交差して山手線と並行に走る道路沿いを北に歩いて行きます。すぐ左手にホテル「プリンセスガーデン」があります。その手前の坂を覗いてみましょう。

 なんと行人坂よりさらに広々と富士が見えるではありませんか。手前の丹沢の山々もかなり裾野の方まで見えています。目黒川の作る谷が深いため、そのそばの山手通り沿いに建つビルは、最上階でも今立っている場所より低くなっていて景観が確保されているのです。

 望遠でアップにしてみると富士山の神々しい感じがよく見えます。この写真では左側に少し雲がかかってしまいましたが、雲がなければ右から左まで、富士の裾野はほぼ全て見えていたでしょう。さらに写真を拡大すると、頂上に向かう登山道がジグザグに刻まれた様子もわかります。
 この坂を最近「富士見坂」と呼ぶ人もいるようです。そのうち区などで看板をつけるかもしれませんね。

 そして三つ目の坂、プリンセスガーデンの向こう側にも並行して坂があるので見てみましょう。

 うーーん。こちらはちょっと残念。手前にマンションがかかってしまっていますね。しかし頂上の火口部分は全て見えています。ここで諦めずに、駅前から続く道路を渡り、ほんの少し高い場所で見てみると・・・

 電線はかかってしまいましたが、だいぶ富士山の姿が大きくなりました。教科書で有名な光村図書出版本社の前あたりです。この間の移動距離は40メートルほど。地面の高さは1メートルくらい高くなったでしょうか。このくらいの移動や高さの変化でも、写真で見るぐらいの見え方の違いは出てきます。現場では色々動いてみることが大事です。
  ちなみに今回の「目黒3ポイント」。目黒駅近くではありますが、全て住所は品川区上大崎です。

「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?