ほぼ完璧な全景富士、駒場のピンポイントから
これも目黒川崖線。まるで展望台
今回の場所も一連の目黒川崖線上のポイントです。前回の西郷山公園から歩いて20分はかからないと思います。西郷山公園から歩く場合、国道246号にかかる目黒天空庭園そばの歩道橋を渡ってください。グーグルで検索するとひどい遠回りな道を表示します。ちなみに目黒天空庭園も有名な富士見ポイントですが、ここは庭園と言いながら大橋ジャンクションの高層建築物屋上にありますので、私の紹介からははずしています。
最寄り駅は池尻大橋駅です。駅を出て、国道246号沿いの渋谷方面左側を進みます。目黒川緑道を過ぎて、大橋病院入口の交差点を左に登ります。すぐ左に行き坂を登って、最近建て替えられた東邦大学大橋病院の大きな建物を見ながら左に入っていきます。
崖ぎわのようなところにまっすぐな道が通っています。右側は警視庁の庁舎や宿舎、駒場東邦中高などがありますが、この一帯は戦前は陸軍の駐屯地で、騎兵連隊などが駐屯していました。
さて東邦大学病院側には立派な歩道があるのですが、これがその敷地の境で途切れてなくなってしまいます。その端は崖地の斜面の上に突き出しており、まるで展望台のようです。そこからちょうどあつらえたように富士山が見えます。
今回は夕景で。
まあなんと見事な富士の景色でしょう。右側の裾野に針のようにアンテナがわずかにかかっていますが、電線などはかかっていません。また手前に広がる丹沢の山並みも広々と見え、これまで紹介してきた中では最高の富士ではないでしょうか。左側遠くの煙突は砧公園脇にある世田谷清掃工場です。
しかし驚くことに、この大パノラマはこの展望台風歩道のほんの2、3メートル程度の範囲でしか見えないのです。と言いますのは、歩道の脇には木が植えられており、ちょっと後ろに下がるともう富士山は木に隠されてしまいます。
また歩道から外れると、前方のマンションの影になり、見えなくなります。
さらに先の道路沿いは全てマンションなどの建物が道路ぎわにあり、景色は見えません。また高台の方に移動すると、今度は電線などが多数引っかかり、ちっとも美しくありません。まさにこの歩道の橋だけが、富士山の展望台として用意されたような場所なのです。設計者は気づいていたのでしょうか?
この場所は、別の候補地を調べに行って見つけました。候補地はこの近くにある「世田谷区立池尻見晴らし広場」です。先ほど書いたようにこの辺りは騎兵連隊などの駐屯地だったのですが、目黒川の崖線が急で、駐屯地西の端は「騎兵山」と呼ばれた景勝地でした。
今は「坂の上の雲」で有名な秋山好古の名がある慰霊碑などが置かれており、そこから見えるかと期待していったのですが・・・太子堂あたりの巨大マンションに見事に遮られて見えませんでした。そこから帰る途中にこの崖上の道を通り、「展望台」を発見したのです。
数年前にはこのようなポイントはなかったわけで、東邦大学病院の建て替えでできた場所です。再開発も一概に悪くないのですね。