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富士に登って富士を見る

「東京、びっくり富士見ポイント」記事一覧

裾野まですっかり見える練馬の富士塚

 今回は初めての練馬区です。練馬区は郊外なのでビルが少なく、富士見ポイントがたくさんありそうですがそうでもないです。やはり住宅が立ち並ぶと視界は利きません。よほど富士山方向に真っ直ぐな道路などがないと難しいようです。そんな中で「練馬区」「富士山」などの語で検索すると、だいたい引っかかってくるのが「風の丘公園展望台」です。
 んーー、ロマンを感じる名前ですね。しかし遠いです。最寄駅は東武東上線の成増駅(メトロも)、和光市駅、西武池袋線の石神井公園駅、大泉学園駅などですが、いずれの駅からも歩いては遠く、バスに10分から15分程度乗り、さらに徒歩5、6分かかります。しかも最後は急な階段を数十段登らないといけません。

 しかし登って目に飛び込んでくる富士の姿で全て報われます。思わず「おおおおー」です。
 練馬区は東京の西北端なので、これまでの富士見ポイントとはかなり見え方が違い、インパクト大です。23区内のたいていの場所では、富士山の前に神奈川県の丹沢山系が立ち塞がり、その上から富士が頭を出す構図ですが、練馬までくると丹沢が間に入らず、見事に裾野が広がります。
 左側は宝永山のとんがりはもちろん、その下の裾野まで長く見えます。富士山の前の三角の山は丹沢の端の大室山でしょう。その右の富士の裾野は樹林帯まで見えるので白くないです。右の裾野の前の山は山梨県の御正体山で、その左で裾野の傾斜が緩くなっている辺りが小御岳と思われます。ちょっとこの日は空気の状態が悪く、鮮明さにかけますが、登山道などは十分見えます。

 こんな裾野まで見える場所は23区内では初めてです。しかし残念なのがこの高圧線ですね。実にもったいない。撤去してほしいです。この場所がこんなによく見えるのは、この左手、南側にある白子川が削る崖の端っこに公園と展望台があるからですね。

展望台と富士
奥の三角屋根が展望台

 そして実はこの付近は古くから富士の展望地だったのです。公園のすぐ隣に神社があります。どういうわけか公園と神社が柵で仕切られているので住宅街をぐるっと回ってその境内に向かいます。するとどうでしょう、立派な富士塚があるではないですか! 高さ12メートル、裾野の直径30メートルという都内でも最大規模の富士塚、中里富士です。江戸時代の末期から築かれ、明治にはこの高さになったようです。

中里富士

 そして頂上からの富士がこちら。

 展望台とほとんど変わらず、木も少しかかっていますが、何より現役富士塚から見える富士というのはなかなか貴重です。都内には今も多くの富士塚が残りますが、きちんと富士が見えるところは少なくなってしまいました。境内を見下ろすとこんな感じです。神社は八坂神社と言います。富士塚は結構急ななので、特に降りる時は転落しないようお気をつけください。

 さて今シーズンの富士見ポイント紹介は今回で終了です。もう春になってしまい、あまり良い状態の写真も撮れないので。まだ多少気になる23区内の富士見ポイントが残っていますので、来シーズンもチャレンジする予定です。ご期待ください!

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