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いくつになったって

この春から小学一年生になった娘が本日で四日目の登校という偉業を果たした。まさに前人未到である。スーパー小学生と言っても過言ではないだろう。
僕や嫁の心配もよそに当の本人はあっけらかんとした様子で新生活を楽しんでいる。肝が据わっているというかなんというか。大したもんだ。

この四日間、僕は娘に
「学校はどう?楽しい?」
と毎日同じ質問を繰り返してしまっている。
その度に今日あった出来事や給食の内容を楽しそうに話してくれて、僕はそれを聞いて「そうかそうか」と笑顔で頷く。こないだは学校でちゃんとトイレに行って、無事にうんちをした報告を受けた。実にたくましい。
「二個出た」らしい。実にたくましい。

ふと、自分の小学生時代を思い出した。そういえば僕の父親も「学校は楽しいか?」と事あるごとに聞いていたように思える。当時の僕は
「何度も何度もしつこいな、こないだも話したばっかじゃん……」
とうんざりしていたものだが、今になってようやく父親の気持ちが理解できたような気がする。気になって仕方がないのだ。だって親なんだもん。

うちの娘は意地っ張りで、怒りんぼで泣き虫で、ひょうきん者で内弁慶だけど、とても心の優しい子に育ってくれた。
その優しさ故に、これから生きていく上で数々の不条理を味わうだろうし、理不尽な目にも合うだろう。僕だって常に一緒に居られるワケじゃあない。この子を常時万全の態勢で世界の残酷さから守ってあげることは現実的に考えて難しい。

それでも僕はいつだって娘の味方になり、盾とならないといけない。
何も諍いがあった相手の家に怒鳴り込むだとか、学校にクレームを投げつけて都合の良い方向に話を持っていこうとか、そういうことじゃあない。

今、この瞬間。
目の前で
「それでね、それでね」
と一生懸命話す娘の、その笑顔を守るのだ。

当たり前だけど。
いくつになったって、僕はこの子のパパなのだから。



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