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【教育】ドリルの答えを子どもに渡す理由

こんばんは。
年度末が近いということで、新年度に向けてのお話もしていこうと思います。
今日は、ドリルの扱い方についてです。


ドリルの答えを子どもに渡すと、「うちの子はすぐ答えを見てやってしまうから渡さないでほしい。」という要望を時折いただくことがあります。
そうは言われても、私はドリルの答えを子どもに渡します。
なぜか。
決して「自分が楽をしたいから」というわけではありません。
その理由を2つお話しします。

1.即時フィードバックの原理

即時フィードバックの原理というのがあります。
何かアクションを起こした時に、フィードバックは早い方が効果があるということです。つまり、宿題として取り組んだものを、翌日に答え合わせをするより、やったらすぐに答え合わせをした方が効果的であるということです。だからこそ、ドリルの答えは手元にないと意味がありません。やったらすぐに答え合わせをする。その方が効果が高いのです。
(こう考えると、タブレット等での学習は画面上ですぐに答え合わせをしてくれるので、即時フィードバックの理論に基づくと、効果的であることがわかります。)

2.見たくなる自分との戦い=エージェンシーの育成

はじめに挙げた保護者の意見とつながりますが、答えがすぐそこにあれば見たくなるのが自然です。でも、ここで見てはいけない。というのは子どももわかっています。

ここで大切なのは「なぜ見てはいけないか」です。
それが「先生や親に怒られるから。」という解釈であると、大変にもったいないなと思います。ここで大切なのは「見ないでやった方が自分の成長につながる」ということを子ども自身が理解し、受け入れ、行動できるようになることです。

そう、これはエージェンシーの育成につながります。大人になってからのwell-beingのために、今、どうしておくのが良いのか。そこがわかって自分をコントロールしていく力がエージェンシーになるわけですが、この「答えを見たいけど見ない」という自分との戦いはエージェンシーを高めていくこととつながってきます。目の前だけを見て「やりたいこと」を選んでしまう人生はうまくいかないことが多いです。やはり、「やっておいた方が良いこと」を選べる人になっておきたいものです。そういう点からも「答えを子どもに渡しておく」ことは必要だと思います。

どうしても答えを見てしまう子どもの場合、それが本当に良いことなのか、むしろ時間を無駄にしていないか、子どもと対話をしながら一緒に考えていくことが大切です。「怒られるから見ない」のでなく「見ない方が自分にプラスになる」と考えられるように伴走していくようにしたいものです。

おわりに

もうすぐ今年度が終わります。新年度、ドリルの扱いをどうするのか考えるときに、答えの扱い方も、「子どもの成長のため」になる方法を決めていきたいですね。

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