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パッケージリニューアルはコンセプトを見直すことから始める。

noteを1ヶ月さぼりご無沙汰になってしまいました。継続していきたいので「今日書きたい」と思ったことを書きたいと思います。
私の仕事は広告会社の立場からクライアントの商品やサービスのマーケティング設計をやっていくことなのですが、市場や人の気持ちを動かす「コンセプト」を開発するのはとても重要な仕事になります。


缶つまのパッケージリニューアルという仕事

広告会社はCMやキャンペーンのお仕事は多いのですが、商品開発やパッケージから関われることはまだまだ少ないのが実情です。
商品パッケージから関わらせていただだいた「缶つま」のリニューアル(リブランディング)はそのため、とてもよい経験になり充実した誇れる仕事となりました。

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※実際制作したリニューアルパッケージ(1番人気のかき)


リニューアルにいたった課題

2010年に発売された「缶つま」は流通でのクロスMD展開も功を奏し、高級缶詰というひとつの市場を確立し市場を拡大・牽引してきました。
しかし競合他社も対抗商品をつくってきたり、PBの高級缶詰などもでてきて徐々に市場が飽和し、売上が鈍化。ラインナップも100種類以上に増え(価格も200円台〜1万円台までと広い)SKUの整理やルールが必要な状況にいたっておりました。

リニューアルの進め方

ある打ち合わせの際に「缶つまのリニューアルを考えている」というお話をうかがい「ぜひやらせてください!」と熱量を持って自主提案させていただいたのが担当させていただけるきっかけとなりました。

①最初おこなったこと(商品開発の本音を探す)
そもそも何で缶つまってつくったんだろう?
を知りたいと思い、ネット記事や過去の書物などを探しました。
その時に”缶つま大全集”という素晴らしい雑誌をみつけることができました。そこには缶つまの当初開発のコンセプトが記載されていました。

コンセプトはつまり、”一杯やりたくなる”ってこと

正直、「あー、これだ」と思いました。ここを大切に。ここがしっかり伝わるようにコンセプトをブラッシュアップすべきだと思いました。

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※商品開発のコンセプトが記載されていた「缶つま大全集(雑誌)」

②次におこなったこと(消費者の現在の行動から発見をつくる)
当初のコンセプトがわかりましたので、次はいまの世の中において自宅呑みにおける「おつまみ」ってどんな存在なのだろうということを考えました。
その際に、消費者インタビューや自分で購入してみたりしたのですが気がついた発見がありました。それは、コンビニでおつまみを購入する場合「先にお酒を選ぶ(想起する)」ということでした。
どういうことかというとコンビニなどの小売の場合、お客様はまず店内奥のドリンク売り場に行きビールなどの飲料を選ぶのです。そしてその後、缶詰やチーカマ、かきの種、乾き物などおつまみを選ぶ。そういう動線になっています。

(宅呑みの場合)消費者の購買における一般的な順序
①ドリンクを選ぶ(今日はビール!)
②おつまみを選ぶ(今日はチーカマかな。)

でもこれって、「お店(外食)でお酒を呑む」ときと順序が違ったりするのですよね。外食の場合って例えば「今日は焼き鳥にしよう」など、先に食事や酒の肴を想起して決めたりするじゃないですか。なのに「自宅呑み」になると先にお酒を選びがち。これが大きな発見でした。


リニューアルのコンセプト

という今までの
・当初のコンセプトは”缶つまで一杯やりたくなる”
・宅呑みだと人はお酒から選ぶ(つまみから選ばない)
を受けまして、わたしの考えたコンセプトは

おつまみファースト(宅呑みは”おつまみ”に先にこだわると楽しくなる!)

でした。それをベースに弊社のスーパーコピーライターに

肴で、酒はうまくなる。

というコピーを開発してもらいました。

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※このコンセプトコピーはパッケージ上部に記載しコンビニの棚で読まれるようにデザイン設計。

パッケージデザインの話

パッケージデザインは、さまざまな工夫と整理をしているのですが、
大切にしたのは当初から踏襲している「パッケージから中身がわかること」
を踏まえつつ
・パカっとあけた缶の中身がひとめみてわかる
・「国産」などの商品のUSPがわかる
・リニューアルのポイントが端的に伝わる
・高級感が伝わる(シリーズを金や銀のラインで表現)
・コンビニの棚を意識した要素の配置
を弊社のスーパーデザイナーにリデザインしてもらいました。

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最後に

缶つまのリニューアルの流れは記載してきたような流れになります。
・この商品が何を大切にしてつくられた商品なのか
・この商品を(さらにこれから)どのように楽しんでもらうべきか
を整理し直しまして
おつまみにこだわったほうが家呑みは気持ちが楽しく豊かになるじゃん!
と私自身も心から思い、そういう価値観を世の中に広げていきたいと思っている次第です。

缶つまは種類も多いですし、本当に美味しいです。
自分の好みをみつけ、気分にあわせて缶つまを選び、それにあうお酒を選んだら家呑みは本当にハッピー。
「このnoteではじめて缶つまを知ったよ」という方も含めましてぜひぜひ一度、缶つまと美味しいお酒を楽しんでください!
(くどいですが、先に缶つまを選んでくださいね)

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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