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紅乃翠がオススメするガロ系コミックベスト3&実写化して良かった映画紹介

今回も軽く自分自身の好きな作品について語らせてください。というのも、以前、ニコ生放送内で『月刊ガロ』の話題がちらりと出まして、まずは私が個人的にお勧めしたい青林堂ガロ系コミックベスト3を紹介していきたいと思います! 

まず、第三位はQ.B.B.の『ヨーチA』

Q.B.B. とは『孤独のグルメ』で有名な久住昌之さんとその弟さんとのユニット名で、小中学生男子あるあるネタを得意とした作品を多く出ていますね。この作品の主人公は漫画家の既婚男性。あまり内容を書いてしまうとネタバレになってしまうので、作品紹介はここまでとさせてください! 現代社会に疲れた大人にこそ読んでもらいたいですね。

そして、第二位は大越孝太郎さんの『月喰ウ蟲』

失礼を承知で知らないかたにざっくり説明するならば、丸尾末広先生の作品をお洒落にして、かつSF風味も盛り込んだ感じとでも言いましょうか。若干のグロ描写もございますが、絵のタッチが緻密かつハイセンスなこともあり、物語の要素のひとつとして自然と受け入れながら読むことができ、読了後にもいろいろと考えさせられる、良い意味で後を引くコミックでございますよ! 長編シリーズではなく短編集なので、この一冊だけでもじゅうぶんに楽しめます。

堂々の第一位はみうらじゅんさん『アイデン&ティティ』! 

これは映画にもなりましてね、原作と映画両方で号泣してしまいましたよ。氷の心と鋼の心臓を持つ私ですから、そうそうドラマや映画で泣くことはないのですが、イカ天バンドブームと共に青春を送っていた私としては心にくるものがありましたね。あのみうらじゅんさんのヘタウマタッチのイラストでも、いや、それだからこそ胸に迫るシリアスな感動を描き切ったのではないかなと思えるくらいです。まさかみうらじゅんさんの絵柄で泣くことになろうとは、POPEYE 等で気の抜けたカエルのようなイラストを見ていた頃には思いもよりませんでした。

以上、三作を選ばせていただきました! たぶん、他のかたでしたら、ガロ系で三作選べと言われたら、もっと違う作家さんや作品を選ぶんじゃないかなぁ、と思います。ここに挙げていなくても毎月楽しみにしていた作品ばかりありましたし、世代によってそのとき掲載されていた作品が違うため、好きな作品のチョイスも人によって大きく変わるかと思います。そんな懐の深さが『月刊ガロ』の良さなのかもしれません。


さて、お次もニコ生中に出た話題から、私が独断で選ぶ実写化して良かったコミック原作映画を紹介していきたいと思います。こちらは順位がつけられませんでしたので、公開された順番に紹介していきたいと思います。

『アイデン&ティティ』2003年

『プロジェクト X』のナレーションでおなじみの俳優・田口トモロヲさんの初監督作品。監督自身『ばちかぶり』というバンド経験もあり、また原作者のみうらじゅんさんとの深い友情から生まれた映画です。上でも書きましたが、映画やドラマでまず泣くことがない私が唯一映画館で号泣したくらいに私にとっては良作でした。休日、歩行者天国になった代々木公園沿いの道路にズラッとアマチュアバンドが所狭しと連なって演奏していた時代、私自身もバンド活動をしていたことから、当時の若さゆえに持っていた衝動や表現欲求といったものをまるでタイムマシーンで戻ったかのように思いださせ、あの時代にあった独特の熱気を感じましたね。ストーリーも心に刺さる名言の数々が飛び出してきますので、私と似たような時代を過ごし、経験をされてらっしゃるかたには、ぜひともオススメしたい! この映画が好きというかたとは、たぶん一生仲良くなれそうなそんな気持ちでいっぱいです。

『真夜中の弥次さん喜多さん』2005年

『木更津キャッツアイ』等で有名な脚本家・宮藤官九郎さんの映画監督デビュー作品。原作のしりあがり寿さんの作品はいくつか読んでおりまして、あのシュールな世界を映像化できるの!? と気になって観てみたところ、ドハマりした作品です。先に挙げた『アイデン&ティティ』もキャストに違和感なかったのですが、こちらはその上を行くほどの違和感のなさ! 宮藤官九郎さんの携わった作品って本当にキャストがドンピシャなんですよね。だからこそ、ミュージカル仕立てにしたりして遊び要素やアレンジが多分に入っていても、原作の持つ雰囲気を決して壊してないんです。エンターテイメントの実写映像化という意味で、私のなかでは最高傑作と言っても過言ではないかと思っています。

『リバース・エッジ』2018年

私の大大大好きな岡崎京子先生原作コミックをよくぞ一切の雰囲気を壊さずに丁寧に忠実に実写化してくれた素晴らしき作品! 岡崎京子先生の『へルタースケルター』が映画化されたのを観たときは、キャストやちょっとしたディテールにかなりの違和感を感じてしまっていて、肝心の岡崎京子先生の描くコミックが持つ特有の匂いが消えてしまっているように見えて、残念だなって思っていたのですよね。本作の『リバース・エッジ』に関しては監督がしっかりと原作の持つ独特の匂いというものまでをも忠実に再現していて、まるで原作で描かれた世界のなかに自分の目があるように錯覚するほどでした。エンディングテーマも岡崎京子先生と親しい友人である小沢健二さんの曲を使ってくれたことにも作品の世界観を守ってくれたように感じて感激した作品でしたね。

そんな思い入れたっぷりの岡崎京子先生の作品については下記の記事に!

以上、紅乃が好きな作品のまだまだ一部ではありますが紹介させていただきました! 今回、自分の好きな作品について、ひとつひとつ好きなところを語ることの気持ちよさを知ってしまったので、今後も『月刊クレノスイ』にて How To 記事だけでなく、こういった作品紹介記事も増やしていきたいところですね。今回の記事を読んでくださったかたに、ひとつでも興味を持っていただけて、読んだり観たりしていただける作品があれば幸いです。

こういったお話が好きなかたは、ぜひ紅乃のニコ生放送に遊びに来ていただければ、きっと一緒に楽しめるかと思いまーす! ご興味がございます方はコミュニティのフォローよろしくお願いいたします。


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