見出し画像

「本が読みたいのに読めない」を考察してみた。

2020年の始まりに際し、次のようなコラムを書きました。

「年間250冊の読書を目指します」と綴ってありました。誰が書いたんだ?私が書いたのです…ええ、書いたことは覚えています…。覚えているのですが、ぶっちゃけ読書ができていません。4月から現在まで、読破した本は全部で9冊。きゅうさつ…。

250冊への道はかなり険しくなっております。ここのところ、読みたいけど、なかなか読書に気が向かない…という状況が続いていました。

忙しくて本が読めなかったのか?…確かに昨年より忙しくなっているけれど、休日はなるべく自分の時間を持つようにしているし、読めないほどでもない。

読みたくないのか?…いや、むしろ読みたい、浴びるように本の世界に身を投じたい。

画像2

ではなぜ読めないんだろう。なぜだ、なんで読まないんだ!と自分を責めたくなり、余計にストレスを感じてしまう日々…。そこでちょっと冷静になり、自分なりにこの状況について考察をしてみました。
(くまちゃんは友情出演です→シマシマしまねネットショップ売り切れ中ですみません)


1.そもそも本屋さんに行けなかった

4月はじめからの2か月間、いわゆる「不要不急」を避けて暮らしてきたため、「生きるための食糧を買う」以外のお店にはほぼ、出かけていませんでした。必然的に本と出合う機会が激減。ネットではいろいろな本が紹介されていて、興味がないわけではないけれど、なんとなく遠ざかってしまう…そんな日々でした。

なぜ遠ざかってしまうのか?その理由は…。


2.忙しさの中にいるほうが、読書ははかどる説

「自粛期間」「ステイホーム」というキーワードのもと、私たちは「おうちにいなさいね」という生活を真面目に実践してきました。これは誰しもが人生初めてのことで、「ステイホーム期間をどう過ごす?」という命題を突き付けられました。そんな中で「今だからこそ読書!」というキャンペーンがあちこちで起こり、さあ読め、たくさん読め、という空気がたちこめ始めます。くらしアトリエもおすすめ本を紹介したりして、皆さまに本の魅力を発信していました。

ここで、「宿題やろうと思ってたタイミングで親から”勉強しなさい!”と声をかけられやる気が失せる」みたいな心理が自分に働いたような気がします。読書は自ら読みたい!という欲を持って読むもので、読め読め、と人から言われるとやる気が削がれ、冷めてしまう。「いま読もうと思ってたのにい~!」みたいな感じでしょうか。「オンライン読書会」「バーチャル書店」「こんな時だからこそ読書を」のスローガン…目にするたびに圧力を感じ、「読みたいけど、読めない…」とため息をつく日々でした。

自分でおすすめ本を紹介していたのにこんなことを言うのもアレですが、やはり自ら興味を持ち、自ら手を伸ばして本を手に取る、というその行動が大切なんですよね。

むしろ、あわただしく日々を過ごす中で、「すき間の時間」でどう自分の読みたい本の世界に現実逃避するか、あるいはどう学ぶか、というところに「読みがい」を感じている部分もあるのかな、という気がしています。忙しいほうが読書がはかどる、という人、いらっしゃるのではないでしょうか。


3.ウイルスのことが頭の大部分を占めている説

どんなに日々を豊かに、静かに過ごそうとしていても、やっぱり「ウイルス」「感染」という見えない不安が世の中を覆っていて、それは自分自身の周りにおいても同じでした。

例えばテレビで過去のVTRが流れていても「あ、密い…」「あ、飛沫…」みたいに、いちいち反応してしまう自分がいるのですが、同じように小説を読んでいても、現実の世界のことが頭から離れず、没頭できない。「自分は自分、できることを淡々とするだけ」と分かってはいても、細かなことが気になって本の世界に完全にダイブできない、というのも読書に集中できない理由のように思います。


4.本は読まなかったけど、記事はめちゃめちゃ読んだ

緊急事態宣言が解除となり、自分の住む土地では新規感染者がゼロの日が続き、少しずつウイルスが「自分ごと」ではなくなってくる…地方に住んでいる人たちの思考はこんな感じではないでしょうか。自分自身はウイルスが少し遠のく(気がする)のと同時に「本が読みたいな」という読書欲が少しずつ再燃していたのですが、ここのところのアメリカを発端としたデモや暴動のニュースを観て、また少し気持ちが落ち込み、気づいたら黒人差別の歴史やアメリカ警察の歴史の記事をネットで調べる…という日々が続いています。

そう、3月くらいから今日までずっと、「読書」ではないけれど、ネットの記事はずっと読んでいたのです。ウイルス感染についての専門家の解説を読みふけり、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の世界について書かれた記事を読み漁り、自分なりに正しい方向はどこだ、と模索していた数か月。「文字」に対する渇望が満たされ、読書にまで心が向かなかった、というのも理由のひとつかもしれません。

画像3


そういう意味では、自分の中にまた違う角度からの「学び」はあったわけで、私が読書に見出すメリットは、別の方向で十分に満たされている、とも言えます。例えば、ウイルスとは違うけれど、今回の感染のことがなければ知らなかった「チフスのメアリー」に関する記事。

Twitterでこの女性の存在を知り、この本は絶対に読もう、と思い、注文したところです。今までとはまた違う思考で読書に気持ちが向かう、ということも、新たな発見でした。


…以上、私が本を読めなかった理由を考察してみました。今日は2020年の6月12日、もうすぐ1年の半分が過ぎようとしています。250冊は、たぶん無理…無理だけど、代わりに約2か月の間でいろんな学びがあったはず!気を取り直して、また少しずつ、読み進めてみようと思います。

また、オンラインサークル「くらしの学校オンライン」でメンバーの皆さんからおすすめしていただいた本も、まだあまり読めていない!これもチャレンジしてみなければ…。


こうして「読みたい」欲が再燃してきたということは、暮らしが、そして精神状態が、少しずつ正常に近づいている、ということなのかもしれませんね。

画像1

「おすすめ本」のマガジン、しばらく更新していませんが、読んで面白かった本、考えさせられる本、読みやすい本などを紹介しています。「こんな時だからこそ、読書を」と気安く言うことの圧力を感じており、心苦しさもありますが、もし「読書してみようかな…」という方がいらっしゃいましたら、ちらりとご覧いただき、自らの意志で「読みたい!」と思っていただけたら幸いです。

また、6月のネットショップ企画では「雨の日と読書のセット」の中に、「シマシマしまね」にある蔵書の中からセレクトしたものを1冊、セットさせていただいています。

エッセイ、小説、ルポルタージュ…何が入るかはお楽しみ。こちらも良かったら、ご覧くださいね。

* * *

…いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。おもしろいな、とか、なるほど、と感じて頂けた方は、♡マークの「スキ」を押していただければ、スタッフの励みになります。(スキは非会員でも押すことができます)。「スキ」のリアクションで画像が出てくるようにしてみましたので、押してみてくださいね~。

スクリーンショット 2020-06-12 17.33.36

↑こんな感じで、くまちゃんの画像もランダムで出てきます!

また、フォローやシェアも、同じようにスタッフの明日への活力となります(フォロワー520人超えました!ありがとうございます)ので、良かったらクリックしてくださいね。

* * *



サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。