■読書感想 モビリティX 22-1-4

モビリティX シリコンバレーで見えた2030年の自動車産業 DX、SXの誤解と本質:著 木村 将之、森 俊彦、下田 裕和
https://amzn.asia/d/7DLaKgX

先月、2022.12月発行で、最新の自動車情報、特にコネクティッドや自動運転などの情報をを入手するために読みました。
  
■内容紹介
 
簡単に紹介します。テスラ、アマゾン、ウーバー、google参加のweymoなど、アメリカのテック企業の取り組み事例紹介が主です。
 
DX(デジタルトランスフォーメーション)と、SX(サスティナビリティトランスフォーメーション)の誤解と本質ありますが、それほど誤解について語られているわけではなかったと私は思いました。一方本質については、事例を踏まえて何が本質、すべてに共通している重要なことなのか?がどの事例も一貫して書かれており、分かりやすかったです。
 
自動運転、コネクティッド、SDGsと自動車業界の関わりについて、全体像と最新情報を入手するのにとても良いと思います。
 
 
■読んだきっかけ、目的
 
先月、2022.12月発行で、最新の自動車情報、特にコネクティッドや自動運転などの情報をを入手するために読みました。


■印象的だったこと

  • 首尾一貫

  • 異業種連携

  • 超有名企業は沢山失敗している

大変多くの事例に富んで、各々大変に勉強になりました。それもご紹介したいところですが、この本は「本質」と打ち出しているので、それらの事例から私が感じた本質3つについて書こうと思います。

「首尾一貫」
ウーバー、アマゾン、テスラ、いずれにしても首尾一貫して、自社のビジョン・ミッションが貫かれている。それに従って、実現方法を考え、実行している。それだからこそ、ユーザー・顧客は共感してサービス・商品を購入していく。異業種も連携される。新しい事業も展開される。そして、それらは大きなビジョンで繋がっている。もし失敗しても別に生かされる。
  

これらから学んだのは、ビジョンはやっぱり原点だと思った。常に何のために?が重要で、何を達成するか?ゼロから考えたときに、何が第一優先と考えるか。常に原点、それを中心に考える。そういうこと。だから、ビジョンが明確であれば、迷わない。逸れない。発散しない。目的を見失わない。失敗だけで終わらない。仮説検証ができる。PDCAが回る。全てビジョンに収束する気がした。
  

「異業種連携」
おもしろかったのは、世界最大の石油会社の一つであるシェル(イギリス)は、電力事業に大きく注力していること。その方法はドンドン電力会社を買収して行っている。

特に欧州ではCO2削減にやっきになっており、化石燃料は目の敵にされ、投資家からも敬遠され始めている。このままでは投資家から資金もあつめられず、事業として成り立たない。
  

そこで今のうちに新規事業、特につながりもあるエネルギー、電力に注力し始めた。日本では自社で再生エネルギーなどに開発しだしそうだが、欧米企業はそのアプローチが違う。ドンドン買収していく。企業価値、資金に体力があるうちに、企業を買収して力をつける。そして、CO2削減に積極的である姿勢を世間に打ち出す。どうせこのまま何もしなければ、株価は下がり資金も減ってしまうので、どうせ減る資金ならば狙った企業を買って新規事業を展開して新しい収益の基盤を築き、イメージも回復させ投資家の興味を引き、株価も安定させる。とても合理的だと思った。

日本企業は不得意分野も自分でやってしまって、中途半端な結果と、無駄な時間がかかっているイメージがある。そこは割り切って、餅は餅屋に任せるべきだと思う。おそらく、買収など慣れてないからできない。全く違う企業・事業なので、買ってもどう扱っていいかわからない。などが、買収に積極的でない理由の一つかと思う。

そこで大事だと思ったのがビジョン。常に強くビジョンを掲げておくと、たとえ異なる事業者と一緒に仕事をしても、何をすべきか?が明確になっていれば、自ずとやるべきことは決まってくる。どんな人が何人集まっても、一つのゴール、方向が定められていれば、ばらばらになってどこに行けばいいのかわからない、停滞して動けない。ということはないと思う。

けれど、それが弱いのが日本企業。どうしてもメッセージを打ち出せない。だから買収しても相手を上手く動かせない。生かせない。そう思いました。

「超有名企業は沢山失敗している」
例えばまず、google。スマートシティ構想で、カナダのトロントを丸ごとスマートシティとして新しい都市を作ろうとしました。けれども、コロナをきっかけに計画は中止してしまいました。政府も巻き込んで、おそらくとんでもない資金もつぎ込んで、人も時間も投資したのでしょうが、失敗してやめてしまいました。しかし私はこの規模のプロジェクトでよくやめる決断ができたなと思って感心しました。

他にもAmazon、ウーバーも沢山新たらしいサービスを展開して失敗して学び、また新しいサービスを打ち出す。そして成功しています。

これらか思ったのは、失敗の見切りが早い。失敗から学ぶことも早い。それらが出来たのはなぜか?と思うと、やっぱりビジョンがあるからだと思いました。要は何のためにやっている、そのために効果的なのか、何がだめなのか?常に目的が明確です。だから、ダメな時は明確にダメ。ビジョンを達成できない。判断基準が明確なのだと思います。特に大きいプロジェクトこそそうなのだと思います。まずは何を優先すべきなのか?だからこそ、ダメだとわかったらすぐにやめる。止められる。

以上より、私が感じた3つの本質をご紹介しましたが、結局最初の1つ目のビジョンが重要だと私は理解しました。

■これからどうするか?
常に自分はどうしたいか?を打ち出していこうと思います。それが人を巻き込むときに、味方になってくれるし、動いてくれる時に同じ方向を向いて動いてくれる。間違っても軌道修正が早い。PDCAが効率的に回る。仮説の精度が良くなる。

■3か月後にどうなっていたいか?
部下にも何がしたいか?打ち出してもらえるようになる。
倉澤が常に何のためにどうするべきか?を打ち出し続け、部下にも習慣化してもらう。そしてチーム全体の効率を上げたいと思います。


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