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小川和紙を使いたい−紙木のはなし−


こんにちは

まずはお知らせをさせてください。

現在再販に向けて進めている
木と和紙の椅子シリーズ【紙木折々】(しきおりおり)の広報用製品写真を撮るため展示室をお借りして、撮影展示をしようと現在取り組んでます。

その撮影展示を『一般公開』という形式としまして木と和紙のイスを体験出来る機会としたいと思います。

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▼場所と日時は以下の通りになります。
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小江戸蔵里 川越市産業観光館
埼玉県川越市新富町1−10−1
■つどい処棟のギャラリー展示室にて

公開撮影時間
10月22日:13時〜17時
10月23日:10時〜15時

※日程の時間内にて見学、体験可能
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尚、今回は製品撮影が主な目的となっておりますので、展示位置の移動や撮影が優先となる場合がございます。

予めご了承いただきますようお願い申し上げます🙇🏻‍♂️


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では、そんな木と和紙のイスについて
紙木(しき)のお話をしていきます。

前回は木作品「紙木のスツール」のお話をさせていただきました。
今回は作品から製品、そして商品に至るまでの道中、を綴っていきます。

■作品から製品化にするために


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前回の記事で、作品展における木作品「紙木のスツール」は森を感じる作品であり装置的な役割を果たしていた、ということをお話ししました。


ここから製品として成立させていくためには機能的な面をクリアしていく必要があります。

当時1回目の新宿で行った作品展で使用していた和紙は強くて破けずらいものをネットで見つけた和紙を使っていました。
しかし、2回目は埼玉県飯能市で開催することもあり、地場産や地域に根差した素材を使ってこそ埼玉県産の独自性を持った作品にする。

そんな風に思っていました。

なので、紙木のスツールをブラッシュアップさせていくには埼玉県の和紙を使用させていく事が何よりの課題。
さらには、作品では木屑をクッション代わりにしていましたが、同時に進めていた製品化のためには椅子やソファのようなクッションにしていくことも必要。

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・埼玉県の和紙、破けずらくて厚みのある和紙。
・その和紙と座面クッションを組み合わせる。


この2点が確実にクリアしなくてはならない課題。
で、どちらも木工ではない、また別の知識と技能が必要となります。

クッションは日頃からお世話になっている椅子生地を張ってくれる職人さんと交流がありましたので、そこはなんとかクリア出来そう。

となると、課題は和紙だ。

■小川和紙にたどり着けない


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埼玉県には小川町が和紙の生産地でして、和紙の里と呼ばれています。
小川和紙と言われ、その歴史も古く江戸時代の生活にも使用されていたとされています。
ということで、和紙は小川和紙を使用することは決めていました。

ただ、当てがない、、

現存している和紙屋さんはあるにしても、こちらが望む和紙を素材として提供してくれるだろうか。
その不安と誰に聞いていいのかわからないモヤモヤ感。
とはいえ、途方に暮れていても前に進むわけでもないし、どう足掻いてもこれは自分で始めた事。
木と和紙のイスを前進させてあげられるのは前にも後ろにもいなく自分でしかありません。

そんな感じで頭の中は右往左往させながら、
気になった小川和紙を手漉き製造している工房に連絡を取ってみました。

ボク
「今、進めている家具作りで和紙を
椅子の座面生地として使いたいのですが、」


和紙屋さん
「えっ?」

ボク
「ですよね。(でもこのまま引けない!)
とりあえず、5分でも10分でも良いので
実物見て話を聞いていただけないでしょうか?」


和紙屋さん
「、、わかりました、ではお待ちしております。」

ざっくりとしたやり取りはこのような感じでしたが、電話越しでは伝えきれないと思っていたので多少強引でも実際に見てもらって話を聞いていただけるというところまでいけたので安堵感はありました。

ひとまず一歩進んだ、、

そんなまったく見ず知らずの木工所の人間を受け入れてくれたのが、

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埼玉県小川町で手漉き和紙製造・販売をしている『久保製紙』さん


現在でも紙木の椅子の和紙を製造していただいております。

実際にお会いさせていただき、こちらの意図をお伝えして、手漉き和紙について教えてもらいながら椅子に使用していくための和紙を製造していただくこととなりました。

素材は違えど同じ作り手であり、家業の仕事をしている同士です。
何か共感出来る部分もあったり、伝統というものに対しての同じような悩みを共有したりとても素敵な出会いでありました。

何より久保さんに出会わなければ紙木のスツールは成立出来なかったと言っても大袈裟ではないほどです。


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今でも変わらず感謝しかありません。

いや、この先も、、

■おわりに

そして2019年の2回目の作品展、埼玉県飯能市で開催した木作品「紙木のスツール」には小川和紙と県産材西川材を使って埼玉県の作品が成立することができました。

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それと、作品展と同時進行で製品化に向けた和紙座面クッション作りも動いていました。

次回はその辺りをお話ししていこうと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。

それではまた次回に

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