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感動はアイデアのカケラ#2

こんにちは

前回は感動した記憶がアイデアの片鱗となって
発想を広げてくれる。
そのようなお話をさせていただきました。

それと同時に今回のお話しをしたいがための
前置きのつもりだったのですが、
ついつい書き込んでしまい2回に分ける形にしました。

ということで今回は前回からの続き、
奈良にある唐招提寺での体験を綴っていきます。


引き続きお付き合いくださると嬉しいです。


それではさっそく

仕事の冬季休暇を利用して訪れた京都と奈良、
行った先の一つが「唐招提寺」

唐招提寺を訪ねたのは中学校の修学旅行以来、
その当時の記憶は、、、ほとんどなく、
そういえば行ったなぁくらい。

なのでもう一度訪ねてみたかったのと、
あの頃から時間が経った今の自分がどんな風に
感じるのかにも興味がありました。


■唐招提寺という名のキャンパス

唐招提寺の伽藍の中に入ると
金堂、講堂、鼓堂などがあります。

創建から1200年以上も前に建てられた寺院群、
建築も当時の中国(唐)の影響を受けた建築様式に
感じつつ、それらを現代の自分が見れることに
ありがたさと嬉しさが湧いてきます。

▼唐招提寺とは

唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。

多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上は、東大寺で5年を過ごした後、新田部親王の旧宅地(現在の奈良市五条町)を下賜されて、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった当初は、講堂や新田部親王の旧宅を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。
金堂は8世紀後半、鑑真和上の弟子の一人であった如宝の尽力により、完成したといわれます。

現在では、奈良時代建立の金堂、講堂が天平の息吹を伝える、貴重な伽藍となっています。
唐招提寺HPより抜粋

ボクは概要をサラっと見た程度なので、
詳しい概要は唐招提寺のホームページもしくは
ウェキペディアなどをご覧いただけたら幸いです。

唐招提寺 金堂

では続けます。

参拝を済ませてから敷地内をフラフラと。

中学以来だけにそのほとんどが記憶にないのが
かえって新鮮な気持ちにさせてくれます。
木々に囲まれた中に建築が点在し坂や階段の上り下り、
砂利、石、土と変化する道を歩くのも楽しいものです。

そばに森がある寺院というのが視覚だけでなく
感触からでも感じられます。
唐招提寺という場所の用途から見ていくと
修練の場という名の学び舎であり、今でいうところの
大学のキャンパス的なところだと思います。


■そこに広がる光景

唐招提寺の伽藍内で鑑真和上の御廟が
敷地の奥にありました。

一見ただの道のようで静まり返った土の道
講堂があった開けた場所と異なり、
切り離された「別の場所」を認識させ、
くたびれた塀がさらに御廟という場所を
際立たせているように思えます。

この「奥の方」というのがポイントで、
御廟へ向かっていく道のりが、前回のお話でも触れた
目的の場所へ行くための心の準備をさせてくれます。

御廟の入口とくたびれた土塀

周囲はすでに木々に覆われた森の中のようなところ。
御廟を囲う土壁の塀は長年の経年でボロッとした状態、
しかし、くたびれ枯れた佇まいが返って
わびさび的な渋さを感じます。

そうして現れた御廟の木造の門は
周囲と合わせるかのように時間の流れを
感じさせる深味のある姿。

その門を潜った先に飛び込んできた光景は、
辺りに木々が立ち並び、地面には
苔が一面に広がっている空間。

まるで緑のジュータンかのような。

苔のジュータン

さらに木々の間から差し込む日の光が
苔のジュータンを光らせ、さらに風が吹くと
揺れる葉がその光を揺らしキラめいた幻想的な空間。

そうした空間が目の前に現れ、そして
門から中央に一本の道がまっすぐ
鑑真和上の御廟まで突き抜けています。

この光景を見た瞬間、
ぅわぁ~と声にもならないような、なんだここは!
という驚きが胸の内をグルグルしていて、
言葉にならないってこのことだなと思うほど。

ここまで衝撃的な感動したのはいつ以来だろうか。


■圧倒的な「美」

奥にたたずむ御廟へ進む道はくたびれた壁(塀)に
囲まれ中が見えないところに現れた門を潜る、

とそこには

静けさの中に、木々の揺れる音、雲の動きによって
日差しが苔に映り込む時と消える時が行ったり来たり、
そこで目にするのは自然が織り成す優美な空間

御廟空間で見た光景は先日ご紹介した
インスタレーション「紙木の庭」がまさに
このような空間を目指していたという再確認
と同時に今の自分では足元にも及ばないと痛感

自然が作り出す圧倒的な「美」に白旗です。

御廟空間のスケッチ


とはいえ、この御廟空間を作ったのは人の発想から。
自然の力に敬意を表した空間を維持していくために、
人が手入れ、積み重ねてきた長い時間の先に、
現代で見れることが出来ています。

そう考えるだけでも、
この場所を残してくれてきた方々に感謝したいですし、
身を置いた感動体験はずっと残ります。

いつかこの感動を何かしらの形にして
少しでも「圧倒的な美」に近づきたい
そう思わせてくれる学びの時間でした。

■おわりに

今回もだいぶ長くなってしまい
#3に、とも考えました。

けれど熱量があるうちにドドッと書くことで
このタイミングだからこそ出てくる言葉が
あると思い、綴ってみました。

何かを見て、触れて、学んで、心が動いた感動を
集めて、ものづくりに活かしていく
これからも自分の変わらない
ルーティーンワークにしていきたいと思います。


唐招提寺の伽藍は自然に囲まれ
落ち着いた雰囲気ですので、細かいところ抜きにして
フラーッと歩くだけでも気持ちが休まります。

ボク的におススメな場所です。


というところで今回の結びとさせていただきます。

ここまで拙い文章をご覧くださり
ありがとうございました。

それではまた次回に😊



▼インスタレーション[紙木(しき)の庭]

木と和紙の椅子のプロモーション一環で
自然の作る美しさからインスピレーションを
受けた展示空間。

▼KURAMOCO SHOP

プロフィールのストアからもご覧いただけます。

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