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読書メモ『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる』尾原和啓

Kindle Unlimitedになっていたので、読んでみました。Audible 聴き放題にも入っていました。Kindleで読んで、Audible で聴く、新しい本の読み方だなぁと思います。

さて、「プロセスエコノミー」とは、プロセスで課金する新しい商売のことだそうです。従来の商売は完成した商品を売っていたので、「アウトプットエコノミー」と呼びます。それに対してプロセスエコノミーは商品ができるまでの過程を商売にしてしまうやり方です。

製品・サービスの性能が上がって、差別化が難しくなり、ソーシャルメディアが普及して、あらゆる情報がネットによってものすごい勢いでシェアされるようになりました。「役に立つ」より「意味がある」のほうが価値が高い世の中になったといいます。

商品のそのものの品質だけで差別化することは難しくなった今、プロセスを開示して、ファンを作り、そのプロセスを消費者と共有し、その「意味」を伝えていくプロセスエコノミーが、重要な役割を果たすというのです。

プロセスに価値を乗せるには、なぜやるかという哲学(Why)を明文化して、示すことがもっとも大切になります。

哲学に基づいたストーリーをファンと共に作っていくことが必要です。

ファンベースマーケティングですね。

ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)/佐藤尚之

「What」「How」「Why」は、日本で言う「心技体」と似ていると私は思います。体(What)と技(How)があり、一番大事なのは心(Why)です。心技体が一致しているからこそ、時代を超えて人を感動させる力をもっているのだと思います。
プロセスエコノミー

これはわかりやすいと思いました。そしてサイモン・シネックのTEDプレゼンテーションの「ゴールデンサークル」を紹介しています。これは私も商品企画の研修で紹介してきました。

People don’t buy what you do, 
people buy why you do it.


https://digitalcast.jp/v/13255/

「Why」は、企業理念とか、ミッション・ビジョンとか、パーパスなどで記述されるものでしょう。

非営利団体のファンドレイジングでも、まず重要なのは団体のミッション・ビジョンを明文化することだと学びました。

「Why」を社員だけでなく、顧客をはじめとするさまざまな関係者が理解し、共感できるように作っていくことはとても大切だとであると同時にとても難しいです。

その「Why」があってはじめて、プロセスを開示して、ファンを作り、コミュニティにして、プロセスエコノミーを進められるわけです。

この本に限らず、「ストーリーを伝えよう」「ファンを育てよう」「コミュニティを作っていこう」というのはあちこちで指摘されています。

納得感があり、今までも自ら挑戦したり、提案したりしてきました。しかしながら時間もお金もかかるので、なかなかうまくできるものではありません。

この本にもさまざまな事例が掲載されていますが、私は山口絵理子社長のマザーハウスこそがプロセスエコノミーを実践していると思いました。

https://www.mother-house.jp

プロセスエコノミーはこれからの
商売の常識になっていくと思います。

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