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リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #1:1984
どこかで見たことのある明るい髪色と黒髪の少女のバディキャラクター、不殺主義の天真爛漫奔放な明るいレッドに頑ななエリート主義のブルーが心を開いていく、決して珍しくない少女で編成された軍事組織+喫茶店もの、ある意味手垢にまみれているが故普遍的な才能や死生観を巡るテーマ、暗躍する組織に謎が謎呼ぶストーリー、みんな大好きガンアクション……今さら感は大いにある。陳腐でさえある。
しかし料理とはこの世界
リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #2:ダイハード
アニメは演出と構成が9割であると個人的には思っている。凡庸な話でも構わないし、どこかで見たことのある設定、キャラでもいい。見せ方がすべてであり、料理人の腕一つにかかっている。
一見非現実的に見える千束の超接近戦の説得力を持たせる数々のガンアクション演出。神は細部に宿る。
二人が近づくシーンはいつもエモーショナルだ。真島のシーンは対照的に何を仕出かすかわからない危険な男の臭いがプンプンする
リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #3:スタンドバイミー
優れたキャラクター造詣。
ヒロイン千束の魅力が物語を牽引する。どこまでも明るく楽しく振舞い表情ゆたか。そして銃の天才であり文句なく有能。ちょっとしたルーズさ、お間抜けさで親近感を出すのも忘れない。正に今の若い世代の理想の陽キャである。
日常シーンの天真爛漫な笑顔と戦闘シーンの彼女の怜悧な横顔の落差に皆が心を鷲掴みにされる。
きれいごとの嫌われる時代である。彼女の「命大事に」は「人の時
リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #4:地獄の黙示録
アニメにテーマは必要かはよく議論される。テーマ、というより理念であろう。人はなぜ闘争するか。利益や感情的な好悪、希望など、様々であろう。しかし、もっともわかりやすく欲望されるのが、考え方、理念の違いによる闘争である。
三つの大きな理念がリコリス・リコイルでせめぎ合う。リコリコは利己利己ですらある。
あくまで物語に奉仕するために理念の闘争がある。ただ理念重視、理念布教のための物語はイデオロギ
リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #5:今を生きる
リコリコが提示したものはなんであったか。データや理念や思想ではなく目の前の人をもっと信じよう。言葉より行動、誰も生まれ落ちた境遇、時代や国を選べはしない。配られたカード(ガチャ)の中、自分で考えて決めよう、選択して精一杯生き抜こう。
先の見えない時代に沿った物語。『自分でどうにもならないことに悩んでもしょうがない!受け入れて~全力!だいたいそれでいいことが起こるんだ』という千束の言葉はある種
リコリス・リコイル~君の心臓〈セカイ〉を撃ち抜くエモい令和の弾丸。2022年7月~9月 #6:ニューシネマパラダイス
目標と目的は違う。目的のために目標がある。キャラクター、演出、構成、テーマ、音楽……すべてを「高品質」にする、そんな目標をひとつひとつ攻略していく。
その目的は「エモさ」。すべては「エモーショナル」を達成するため。リコリコは完成度の高いエモいシーンを中心に成り立っている。
一例をあげると、人気を決定づけた3話、DAの噴水の前で他のリコリスたちの嘲笑をものともせずにたきなを抱きしめ、高い高い